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zoom RSS ワルターの演奏は暖かい?

<<   作成日時 : 2007/01/15 21:48   >>

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さて、いつもの閑話休題ですが、本日はワルターについて。
ワルターの演奏は、よくやさしさがあふれているとか、暖かいとか、人間的などとも言われます。
こういう曖昧な表現はけっこう便利なので、うぐいすもよく使いますが(笑)、実はよくわからない表現です。ワルターの人間性を評した書物もたくさんありますが、それに引きづられている可能性もあります。
とはいうものの、まあ、人が心に思い描く感情はなんでもかんでも具体的な表現にはなりえないわけなんですけどね。
このやさしさとか、暖かいとかいうところを、ワルターの人間性とは切り離して、演奏内容だけで、もうちょっと掘り下げてみて、何でそう思えるのか考えていくのも一興ですね。

ワルターの、戦前から1950年代中ごろ、特にライブの演奏を聴いてると、テンポ設定や音のバランスなど、意外と積極的というか、自由自在にやってるという感じです。
推進力もあってしかも重厚なのですが、不思議と攻撃的には聴こえないです。

テンポは基本的に速めで、音楽が盛り上がるところは速めにして落ち着くところは落とします。ただ、フルトヴェングラーのように頂点に向けて加速をしていくという動かし方もありますが、どちらかというと、フレーズのきりの良いところで、絶妙なタイミングで切り替えを行っていることが多いです。
ときどき「あっ!」と思うようなテンポの落とし方や間をとったりもします。

音も結構低音が聴こえてくるのですが、あまり重くなりません。リズムが非常に歯切れがよく、フレーズの処理が粘らないからだと思います。
そうですね。この「粘らない」というのが結構ポイントかもしれません。

あとメロディの歌わせ方も重要かもしれません。今は手放してしまった「グレート・コンダクティング」というLD(今はDVDが発売されてますね)でブラ2のリハーサルが収録されていますが、そこで頻繁にワルターの口から出てくるのが「Sing!(歌って)」という言葉です。確かに、ワルターのつくるメロディは粘らないのですが、歌心にあふれています。

臨機応変なテンポと歯切れは良いが攻撃的にならないリズム・すっきりとした音の構成の上に、歌心のあるメロディがのっかっているといった感じでしょうか。
それ故に、音楽が生き生きとしているという感じです。
その生き生きとした感じが人間味というか、慈しみみたいなものを感じさせてくれるのかもしれません。

晩年、コロンビア響を振ったステレオ録音あたりになると、上記の傾向も見受けられますが、結構達観してきている雰囲気も感じられます。好々爺的とでもいうんでしょうか。そこらへんも「暖かさ」を感じる要因でもあるでしょう。

ただ、人の感じ方は千差万別なので、何を持ってみなさんがワルターの演奏からやさしさや暖かさを感じているのか、それは各人各様でしょうね。
うぐいすの、ワルターの演奏に対する認識はこんな感じです。

P.S.
なんかベタ褒めっぽいですが、もちろんそれが成功している演奏ばかりではありません。後期ロマン派(ワーグナー・ブルックナーなど)はもとより、ベートーヴェンやブラームスの曲(一部を除く)ですら、もっと重厚だったり、粘ってる方がいいなあと思うときがあります。(不思議とマーラーはこの路線でもイケてますが)
まあでも、ワルターの演奏で最高といわれている曲(モーツァルトやベートーヴェンの田園など)についてはほぼ上記のような印象ですね。

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コメント(3件)

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うぐいすさん、こんにちは

以前に書かれたものをときどき読ませていただいています。あくまでも私からの気紛れなコメントとお受け止めください。

人生で2枚目に買ったLPがワルターの運命・未完成のカップリングでした。当時、新星堂の親切な店員
さんに勧めてもらったものです。今でも未完成は後で聴いたウィーン盤よりもこのNY盤が好きです。

実はワルターの中で自分にとってこれが絶対という演奏がありません。個人的な思い出は以前書かせていただいたフランチェスカッティとのベートーヴェンです。評論家U氏の影響でいろいろ聴いて来たのですが、あのウィーンフィルとの40番でのルフトパウゼもこんなものなのかなと思ってしまいます。

うぐいすさんの言われるように50年代までのライブは結構エネルギッシュですね。36年のホロヴィッツとのブラームス1番では燃え盛っています。

結局は「大地の歌」に落ち着くのですが、この曲はいつも聞けるものではありませんよね。メトロポリタンでのフィガロが未聴なので楽しみを残しています。

ezorisu
2008/08/07 09:51
続きです。

トスカニーニのような頑固一徹で厳しいおじいさんに接している(例えば父方)と寂しくなったときにいつもそこにいてくれる温かくて優しいおじいさん(例えば母方)がやはり必要なのかも…。
ezorisu
2008/08/07 09:54
ezorisuさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
今度はこちらに出張なのですね(笑)。はじめコメントついてるのに気づきませんでした(苦笑)。

こんな文章も書いてたんですねえ(笑)。まあでも、ワルターの印象はこのときと変わらないですが。まあ、得てしてワルターの演奏は結局、どの時代のもいいのは良いのですよねえ。おっしゃるとおり、ワルターでこれが絶対イイ!っていうのは少ないかも。モーツァルトの交響曲やベートーヴェンの田園は古いのも新しいのもお気に入りですが。
うぐいす
2008/08/07 22:43

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