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引き続き、感想です。今回は「ニーベルングの指環」の第5回〜クナッパーツブッシュ/バイロイト('56)〜です。 1.全体 58年盤だけでも満足はしていたのですが、活気があるという噂聞いていたので、結局56年盤も買ってしまいました。最初M&A盤買ったんですが、後にORFEO盤が出たときに買いなおしました。 56年盤は音が悪いという世評らしいです。確かに58年盤と比較するとオーケストラの音が遠めに引っ込んで聴こえています。音質が悪いというほどの録音ではないのですが、58年盤以上にオケのダイナミクスが味わいにくく、もどかしい部分も多くなっているのは否めないです。 音楽として楽しめるレベルの録音とは思います(少なくともフルベンのスカラ盤とか同時代のモノラル録音よりははるかにまとも)。 オケが遠く聴こえるのはバイロイトの舞台の形も影響しているでしょうが、58年盤と比較しても小さめなので、マイクの位置とか録音状態も関係しているのでしょうか。 その代わり、58年盤と同じキャストの歌手については、少し活気がある気はします。 オーケストラは56年も熱演で活気はあるのですが、録音の関係でやはり58年盤の方が音のリアリティ・迫力があるし断然聴きやすいですね。 また、56年盤の方がゆったりやってるところも部分的にはありますが、58年の方が全体としてのスケール感は大きいです(これも録音状態が関係してるかもしれないですが)。 2.歌手について '56年と'58年を比較して、どちらが総合的に良いか簡単に言ってしまうと、「どっちもどっち」です。 同じ歌手が出演しているキャストは、56年盤の方が好ましい点が多いかもしれません。 ホッターは声の張りがやはり違うしヴァルナイの歌い方も音程をずりあげるようなところが'58年盤よりも少なくて自然に聴けます。 ヴィントガッセンはどちらも同じかな。走り癖については58年盤とは違うところでやっぱり見受けられます(笑)。 グラインドルのフンディング/ハーゲンは56年盤も好演ですが58年盤の方がドスの効いた凄みがあります。 役柄が重複しない歌手としては、56年盤はアルベリッヒのナイトリンガーがいいです。 クナの指揮でナイトリンガーのアルベリッヒが聴けるのはありがたいです。やはり58年盤のアルベリッヒ(アンデルソン)は嫌いではないですが、あまり聴かなくなってしまいました。 ナイトリンガーの声そのものに惚れ惚れしてしまいます。 ヴィントガッセンのジークムントは若々しい声で引き込まれるますが、相変わらず走り癖は健在で、1幕の最後の方など「もっと落ち着いて」と思います(笑)。 その一方、50年代のバイロイトでのミーメが当り役と言われるキューンですが、私ははじめ、あまり好きではなかったですねえ。 性格俳優的な人らしく、これが味らしいのですが、情けない声を張り上げて、歌がメチャクチャで音楽になってないように私には聴こえてしまうのです。 考えてみたらショルティ盤のラインの黄金にも出てるんですが、黄金自体あんまり聴かないのでまともに聴いたのはこの演奏がはじめてかも。 うぐいす的には、演技含めて歌の表現力・そのキャラクターにおいて、ミーメはシュトルツェが最高と思ってます。 56年盤聞いた後に、58年盤のシュトルツェ聴くと正直ホッとするのですよ(笑)。 ところが、'55年盤カイルベルト盤(ステレオ)のキューンのミーメを聴いたとき、妙にしっくりきたのです。 人間変るものです。何回か聴いてたら段々なれてきて普通に聴けるようになってました(笑)。 ヘタウマというんでしょうか(失礼な表現ですが)、妙に耳に残るんですねえ。でもシュトルツェの方が好きなのは変わらないですが。 6.「ラインの黄金」 最初のアルベリッヒの歌にまず惹かれます。また、ズートハウスのローゲも好演。 でも、やはりこの楽劇の特質として、あまり重い演奏はだめかも。 7.「ワルキューレ」 やはり1幕のジークムントのヴィントガッセンが聴きどころ。 2幕のホッターのモノローグのところは録音の関係もありますが、ホッターの歌い方も58年の方が生々しいです。オケも58年以上に引っ込みすぎで少々聴きおとりがする。ホッターの歌の部分では、ここは珍しく58年盤の方が良いです。 3幕のワルキューレの騎行のところは、歌手達は58年よりマシかもしれません。オケが引っ込み気味なのがちょっと残念ですが、スケールの大きい演奏してます。 ヴァルナイは58年よりは粘らずストレートに歌い上げています。告別と魔の炎の音楽もホッターの部分は'58年より凄いですが、オケがもっと聴こえて欲しい・・・ 8.「ジークフリート」 キューンがちょっとクナの演奏には合わないかも。早めのテンポでこういう風に歌ってても結構聴けるんですよ(カイルベルト盤など)。でも遅いテンポでこの歌はどうでしょうか・・・ 58年では1幕最後で走りに走ってしまうヴィントガッセンですが、56年でもいろいろ走ってます。 なんでこんなにヒヤヒヤしながら聴かにゃならんのでしょうかと思ってしまいますね。 2幕のナイトリンガーも前述のとおり素晴らしい。 3幕最後の締めくくりも圧倒的。ヴィントガッセンとヴァルナイの壮絶な二重唱の凄さは58年と同様だが、ヴァルナイが粘らないので、もっとストレートで聴きやすい表現になっている。この2人の歌「だけ」で言えば56年盤の方が良いと思う。 それに続くコーダも、58年以上にクナのテンポ遅めで、ここに関してのスケール感は56年盤の方が上かもしれない。 以上控えめに書いたのは、やっぱりオケの録音が遠めなのが減点要素になってます。 ブリュンヒルデが目覚めるあたりとかも録音で損してるような気がする。 やはり56年盤は、惜しむらくはオケの引っ込み気味な録音状態ですか。 9.「神々の黄昏」 基本は上記と同様。 序幕のヴァルナイとヴィントガッセンの出来も58年盤より上だと思う。 ただし、また同じことばっかりですがオケが引っ込み気味で、オケの物理的な音の快感が58年ほど味わえないのが残念。 ただ、歌はよく聴こえます。グラインドルのハーゲンも声にはりがあるし、自己犠牲のヴァルナイも素晴らしい。 10.まとめ 56年盤を聴いた全体的な感想としては、やはり58年盤と補完しあって聴くべきところがあって買ってよかったと思います。 ただし、逆にどちらの演奏にも気に入るところ・気に入らないところが明確に存在しているのもわかりました。どっちかだけを持っていればいいと断言することができないですね。 (もっとも、これは他の演奏も含めた場合でも言えることですが。) 歌手の勢いのある56年盤、録音状態の良くスケール感のある58年盤というのは、評判どおりと思う。 56年盤の表現は、聴いていて比較的普通に聴けるところが多いかもしれません。58年盤はスケール感はあるが、場所によっては、さすがにその遅さに苦痛を感じる場合もあります。その一方で、56年盤はオケの音が遠めなのが圧倒的にマイナス要因です。 ということで、今のところはどっちも痛み分けと言う感じ。 '57年盤の感想のときは総合的に比較してみましょうか。 さて、次のPAは「<PA-006>クナッパーツブッシュ/バイロイト('57)」の予定です。 Wagner: Der Ring des Nibelungen
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久々の閑話休題:うぐいす兼好の徒然なるまま(苦笑)〜クナの指環〜
実に久しぶりにナンバーなしの雑談です。 これまた久しぶりに、ワーグナーの指環を飛ばし聴きしてます、時間もないのに(苦笑)。 突然、クナの指環を聴きたくなりまして。 ...続きを見る |
Cla_PA!(クラシックパーキングエリ... 2008/04/18 23:31 |
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