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zoom RSS ベートーヴェン:弦楽四重奏第16番<PA-031>

<<   作成日時 : 2007/08/04 19:19   >>

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さて、今回はベートーヴェンの弦楽四重奏16番です。
うぐいすが初めて聴いたベートーヴェンの四重奏曲です。

この曲との出会いの話は以前書いたので割愛しますが、結局そのときは不思議な曲という感想で終わってしまいました。
大学時代に14番をたまたまラジオで聴くまで、しばらくベートーヴェンの四重奏から遠ざかることになります。

しかし、後期四重奏に夢中になってからは、この曲もけっこう気軽に聴くようになりました。
形式的には簡素になって、非常に親しみやすくなっています。
その一方で、3楽章や4楽章冒頭など、どこか諦観のようにも感じられる部分もあります。
なんというか、陽気な曲想が流れているかと思うと、突然暗い記憶がふっと思い出されるような、人の心理がぎゅっと凝縮されている感じです。
そう考えると、1楽章や4楽章の陽気さが逆に本当には楽しんでないかなあ、という風にも聴こえたりするのですが(笑)。
この曲、人生の荒波乗り越えてどこか「悟ってしまった」ような明るさが特徴と思っています。

うぐいすのお気に入りはなんといっても、ユニークな曲想を持つ2楽章です。
非常に斬新なフレーズです。途中で出てくるシンコペーションも絶妙です。なんとも不安定で転びそうだけども転ばない、虚勢をはっているような、喜劇を演じているような、不器用にまわりに突っかかってたり、自虐的になっているような、とまあ、言い出せばキリがない、いろいろな情景が目に浮かんできます。
ベートーヴェン的にはあまり深く考えずに書いたのか、いろいろ自分の人生振り返りながら書いたのかはわかりませんが、うぐいすは単純に、目の前に出てくるめくるめくような音楽を楽しんでます。

・アルバン・ベルク弦楽四重奏団('81)
現代的に鋭く突っ込んで弾いていきます。
楽器の音色の線が細いので、非常にクールで先鋭的な響きです。
16番のような、古典的に回帰しつつ革新的な部分も入っている曲って、ロマンチック路線も味わいあるし、現代的な演奏も曲の前衛的な一面を見れるし、いろいろな演奏を許容できるのではないかと思います。
アルバン・ベルクの演奏は、16番の革新的な部分をより鮮明に浮き出してくれていて、非常におもしろいです。2楽章はその極致ですね。
また、4つの楽器の音が非常に有機的な構成になっていることもあらわにしてくれてます。たとえば、2楽章中間部に出てくるフレーズなど、4つの音の絡みが非常にエキセントリックに表現されているので、構造がよくわかります。
まるで大小の歯車をガチャンガチャンと動かしている、巨大な機械をみているような感覚にとらわれますね(笑)。

・スメタナ弦楽四重奏団(旧、'68)
この演奏が一番身構えせず、素直に聴けるのかもしれません。
スメタナはいきいきした表情でテンポも遅すぎず速すぎず、オーソドックスに歌っていきます。
曲を知ることに重きをおいたり、初めて聴く人にお勧めの出来る演奏です。
ただ、ベートーヴェン四重奏の世界にのめりこむようになってきた今となってみると、そのオーソドックスさ故に、うぐいすは聴く機会が減ってきてますねえ。
他の演奏は聴く前から期待して聴く目的が決まっています。
アルバン・ベルクは現代的で先鋭的な響きや表現を、バリリは音色や歌い回し、ブダペストはがっちりした構成を聴く演奏です。
そういう聴き方をしだすと、いい演奏ながらも、スメタナの演奏は取り出す機会が少なくなってしまうのです。

・バリリ弦楽四重奏団('52)
やわらかい音色で曲をいとおしむように歌っていきます。
ロマン的な表現という意味では、ブッシュ四重奏団と路線は同じかもしれませんが、ブッシュのような情熱的な感じではなく、バリリの場合は、そのウィーン風な音色の表現やフレーズの歌い方で一線を画しています。
やっぱりバリリ四重奏団の音色はいいです。うぐいすは16番に対しては現代的で先鋭な表現に惹かれるのですが、バリリを聴いてるとやっぱり癒されてしまいます。
こんなに心が和んでしまう2楽章は他にはないと思います(笑)。
16番の代表的な名盤というより、16番をある程度知っている方ならちょっと聴いてみませんか?という演奏ですかね。
(うぐいすはかなり好きですが)

・ブダペスト弦楽四重奏団(旧、'51)
4声のバランスが良くて、ベートーヴェンの曲としての古典的な性格を前面に出した、しっかりした形式感のある演奏です。
しかもみずみずしい勢いのある演奏です。
ただ、この曲自体の様式がしっかりしているため、よりかっちりしている新盤の方が、聴いていて心地良いですね。

・ブダペスト弦楽四重奏団(新、'60)
これはブダペストの四重奏全集新盤の中では、1,2を争うくらい出来の良い演奏かもしれません。
4声のバランス構成がしっかりしていてかちっとしているため、16番のような簡潔な古典様式に回帰している曲にはぴったりの演奏です。
なんというか、本当にベートーヴェンらしい演奏かなあという感想です。
ラズモフスキーの3曲とかこの16番など、曲の構成・楽器間の絡みで聴かせる曲は、この新盤の演奏が結構はまってると思います。
さすがに革新的な斬新さまでは表現しきれてませんが。

・ブッシュ弦楽四重奏団('33)
これはおもしろい演奏ですねえ。
遅めのテンポでロマンチックで情熱的に歌っていきます。
あまり斬新さとかを感じさせるというよりは、じっくりロマン的に歌っていくというタイプの演奏です。
2楽章とか、なかなか白熱した感じで、気合が入ってます。
たまに聴くとおもしろいかもしれませんが、いつも聴くにはちょっともたれるかなあ。

16番はうぐいすの好みはアルバン・ベルクかバリリですね。
でも、初めて聴く方にはスメタナかなあ。

以上、いままで後期四重奏の感想書いてきましたが、一曲ずつ書いていくのは途中でちょっとつらくなってきました。
同じ団体だと、違う曲でもけっこう同じような傾向になってますので、似たような感想になってしまうのです(笑)。
後期四重奏の感想としてまとめた方が要点絞れてよかったかも。

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内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、初めまして。凛虞(りんぐ)と申します。先月末に貴ブログを知り、第12番から毎晩とても楽しみにしておりました。まだ、それ以前の過去エントリー全てを拝読させていただいているわけではありませんが、私の好きな楽曲が多く取り上げられていらっしゃることに感激しております。ワーグナー作品にも造詣が深いとお見受けし、これから徐々に拝見させていただきと思います。
宜しくお願い致しますm(_ _)m
凛虞
2007/08/05 08:55
凛虞さん、はじめまして。コメントありがとうございます。凛虞さんの弦楽四重奏ブログを拝見させていただきましたが、造詣の深さと広いレパートリーに感心いたしました。かたや、うぐいすのブログは思いつきで浅い感想が基本路線です(笑)。恐縮ですが、今後ともよろしくお願いします。
ベートーヴェンの後期四重奏は好みにより聴き分けていると思っていたら、意外と偏っていることに気がつきました(アルバン・ベルクとバリリ)。今後まだまだ知らない、他の演奏を聴いてみたいですね。
うぐいす
2007/08/05 11:59

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