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zoom RSS 弦楽四重奏曲第11番(ショスタコーヴィチ)<PA-047>

<<   作成日時 : 2007/10/11 20:07   >>

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さて、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲11番です。
とうとう、感想も全体の2/3を超え、ショスタコーヴィチ孤高の、後期作品の入り口まで来ました。
この11番以降からは、内省的というだけでは表現しきれないような、どこか達観しきってしまった世界、この世ではない異世界にいるような感覚にとらわれる作品ばかりです。

11番から14番までは、ベートーヴェン四重奏団の結成メンバー全員へ順番に捧げられています。
まず11番は作曲の前年に亡くなった、ベートーヴェン四重奏団の2nd Vnだったワシリー・ペトロヴィチ・シリンスキーに対して捧げられています(チェロのシリンスキーではありません)。
盟友ともいえる団体の、亡くなったメンバーへ捧げている曲ですから、なみなみならぬ思いで書かれたのだろうという想像はできます。
長さは20分に満たない短い曲ですが、確かに非常に内容の深い瞑想的な世界が眼前に現れます。
曲そのものからはあまり絶叫するような気負いのようなものは感じられず、ひたすらショスタコーヴィチ独自の、涅槃の世界のような音楽が展開されていきます。

それにしても各楽章、なんとも簡潔なメロディかつ簡素な構成です。訥々と思いをつないでいくような、なんとも澄み切った佇まいを醸し出しています。
複雑な絡み合いがないために、ある意味ショスタコーヴィチの素の音楽的なセンスがもろに出てくるわけですが、それがこんなに、効果的な音楽に昇華して響いてくるのには感心しますね。

あまり長くなるのも何なので(笑)、各楽章の感想は軽くまとめると、1楽章は瞑想的な雰囲気の曲、2楽章はなんとも単純なメロディなのですが、非常に引き込まれる世界です。3楽章は劇的なレチタティーボで、この曲の中ではもっとも激しい曲。4楽章は練習曲という表記ですが、その曲想を聴いていると確かにそう聴こえて、なかなか言い得て妙です。
5楽章はグロテスクなユーモアを感じさせますし、6楽章はちょっと根暗ですが、枯れた哀感を感じさせます。
7楽章はもう、いっちゃってる(笑)世界ですね。

さて、演奏についての感想です。
ボロディン(新)は、この11番以降には特に実力を発揮しているような気がします。
全曲通して、本当にもう「あの世」にでも行ってしまったような風情を感じさせます。
激しい3楽章や4楽章にしても、荒々しさとかいうよりも、どこか達観してしまったような冷静な目が感じられます。
7楽章の「イッチャってる」感はたまらなく好きです。

ボロディン(旧)も好きな演奏ですが、ボロディン(新)よりも表現が直截な感じが強いので、あんまり達観した世界、というのとは違いますね。
2楽章のスケルツォは確かにこちらの方がスケルツォっぽいし、3楽章のレチタティーボや4楽章も劇的です。他楽章含めて、全体的に表情が豊かで、冷徹さが徹底している気がします。
でも、うぐいすはこの曲にはどちらかというと後期独特の達観した世界を味わいたいことが多いので、ボロディン(新)の方を聴くことが多いです。

さて、当の捧げられた団体のベートーヴェンQですが、歌うということにおいて、上記のボロディン新旧とは一線を引いてます。
とにかくどのフレーズも基本は歌ってます。2楽章の実に質朴なメロディも歌いこんでるし、3〜5楽章もあまりもったいぶったことは考えずにダイレクトに表現してます。
6楽章もずいぶんエレジーしてますし(笑)、7楽章は涅槃というよりも、我が家に戻って、「やれやれ、それではお休み」というようなどこか暖かさが漂う雰囲気です。

また前にも書いたことを繰り返すことになりますが、ベートーヴェンQの演奏を聴いていると、いままでの自分の聴きこみ方が一方的だったなと、つくづく思ってしまいますね。ボロディン四重奏団で聴きこんできた印象について、本当はベートーヴェン四重奏団のような演奏をショスタコーヴィチは求めていたのかも・・・という思いが拭えなくなります。
何が正しいとかいうことはないのですが、いろいろ別の観点で考えさせられる演奏です。

さて、次回は12番の予定です。

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