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zoom RSS 弦楽四重奏曲第3番(ショスタコーヴィチ)<PA-039>

<<   作成日時 : 2007/10/03 19:54   >>

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本日は、ショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲3番です。
戦争直後の1946年作品です。これもなかなか一筋縄ではいかない曲です。

楽しそうな足取りの1楽章で最初はうきうきするような気分になるのですが、それが2楽章では一変して暗い3拍子の舞曲風な音楽に様変わりします。
それ以降、3・4楽章も暗い曲調で進みます。3楽章の激しい曲調は、後に書かれる交響曲10番の2楽章に通ずるような荒々しさを感じさせますね。4楽章の悲しみに満ちた曲想も印象的です。
引き続き5楽章はその重苦しい雰囲気を引き摺って開始しますが、だんだん力強く何かを主張するかのような曲調を帯び、それが一旦収まると、ロシア風のメロディが出てきてすべてを回顧するかのような諦観のこもった曲想となり、消えていきます。
この曲は、表立って戦争に対する態度のようなものは示されていませんが、ショスタコーヴィチ自身の戦争に対する怒りや悲しみが含まれているのかもしれません。

ボロディン(新)の演奏は相変わらずその音響の良さやしっかりした構成感から、逆にこの曲の不気味な部分について、非常に冷徹な感じを醸し出しています。
2楽章の中間部に低音がリズムを不気味に刻むところがあるのですが、その冷徹な響きにはゾクゾクします。
ボロディン(旧)よりも落ち着いた演奏なこともあって、全体としてどこかさめたような目線の澄み切った表現にも聴こえます。
それがどこか、涅槃というか、違う次元の世界の雰囲気にも感じられてます。

ボロディン(旧)は表現力が直裁的なこともあり、ショスタコーヴィチの意図すると思われるところが非常に明確に聴こえます。
2楽章の冷笑的な味わいがたっぷりですし、3楽章はより冷徹・凶暴な雰囲気が漂っています。4楽章も哀愁が漂ってますし、ボロディン(新)よりもさらに踏み込んだ表現がされています。
でも、5楽章のようなところはボロディン(旧)も悪くないのですが、どちらかというとボロディン(新)の方がちょっとイッちゃってる感じがして(笑)、好きです。

ベートーヴェンQは、これもあまり録音が良くはないですが、演奏は普通に聴けます(2番よりはましです)。
この演奏はボロディン新旧とはまるで方向性が違います。ボロディンのは演奏の違いはあれど、新旧ともに冷徹な目線での怒りや悲しみが感じられたのですが、ベートーヴェンQの場合はそれと同時に、ロマンチックで哀愁の漂う曲に聴こえてしまう(笑)わけなんですが、そのへんは一般的な評価としてはどうなんでしょうか。
うぐいすはボロディン(新)が刷り込み演奏なわけで、冷徹で皮肉な面の強いのが曲の特徴と思ってました。
一方、ショスタコーヴィチはベートーヴェンQの演奏を賞賛していたのは周知のことですが、もしかしてショスタコーヴィチはこういう人間味も味わえる演奏を求めていたのですかね。
(ボロディン四重奏団にも曲の相談していたという話もありますけどね)

さて、次回は4番の予定です。

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DSCH 交響曲第10番 ストコフスキー&シカゴ響 1966年
Dmitri Shostakovich Symphony No.10, E minor, Op.93 T. Moderato U. Allegro V. Allegretto W. Andante-Allegro Leopold Stokowski, Conductor Chicago Symphony Orchestra Recorded live March 24, 1966, by WFMT; Orchestra Hall ...続きを見る
音楽鑑賞雑記帳
2007/10/14 23:00

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、こんばんは!
DSCH特集、毎回とても楽しく拝読しております。
ただ今、ボロディン新全集の第5番を聞いて、次回のうぐいすさんのエントリーの予習を致しました(笑)。
この曲の第3楽章、本当に第10交響曲の第2楽章に似ていますよね。次回うぐいすさんがエントリーされる第5番もDSCH自身の曲に似ていると思えてならない個所(ほんの一瞬?)があるのですが、それについてお書きになられるかドキドキしています(笑)。
凛虞
2007/10/04 23:17
凛虞さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

最初に書き溜めていた感想では残念ながら凛虞さんのご期待には沿えてなかったのですが、コメントを見て、ちょっと謎かけ気分でもう一度3楽章を聴きなおし、文章追加しました(笑)。

なかなかお互いの感覚を共有しあうのは難しいのですが、果たしてどうでしょうか!うぐいすもドキドキしています(笑)。
うぐいす
2007/10/05 21:04

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