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zoom RSS ハイドン・ルネサンス(2)「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」<PA-113>

<<   作成日時 : 2008/03/31 21:00   >>

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さ〜て、本日は「ハイドンのカルテットの日」、本番です!
今回はちょっとマニアックな曲かもしれません。
「十字架上のキリストの最後の七つの言葉」です。
この曲、いつも聴くのはちとつらいですが、不思議な雰囲気で意外と気に入っています。

この曲、最初スペインのカディス大聖堂からの依頼で管弦楽曲版が作曲され、その後弦楽四重奏、オラトリオへ編曲されたとのことです。
(ピアノ版もあるようです)
聖金曜日に行われる儀式のための音楽を、ということだったらしいですが、その依頼の通りだと10分近いアダージョを7つ続けて演奏することになり、ハイドンも慎重になってカディスの司祭と直接交渉したらしいです。

福音書のキリストの十字架上での七つの言葉を読んで瞑想する時間に演奏されたようですね。
この曲全編ゆるやかなテンポの曲で、初めて聴く人はあっけにとられるかもしれません。とてもとても厳粛かつ静謐、敬虔的な曲です。
これだけゆっくりした曲が並んでいると聴いていてつらいときもありますが、ゆったりとした感じでBGMとして聴いているとなかなかいい感じです。

ここまで全体としてゆったりとした曲が続くと、その性格は違えど、なんとなくショスタコーヴィチの15番を聴いているときのような気分になってきてしまいます(笑)。
ショスタコーヴィチの方は苦しみを重ねた人生の果てに行き着いた、孤高で寂寥感漂う感じなのですが、こちらのハイドンの方はひたすら静謐で澄み切った世界といった感じですかね。
でも、どちらもどこか人里離れた孤高の地、といった風情が感じられてしまうのです。

まあでも、ショスタコーヴィチの方は頻繁に聴いてたりするのですが、こちらはう〜ん・・・うぐいすはもともと、こういう静謐な雰囲気はきらいではないので割と心にスッと入ってはきましたが、いつも聴けるかは?(自爆)

ハイドンがここまで異世界(笑)の境地のような曲を書いていたのを知ったときは結構驚きました。
端正で美しく、ユニークさも併せ持った交響曲の父、弦楽四重奏の父としての「パパ・ハイドン」といったそれまでのうぐいすのイメージからは、ちょっと想像がつかない曲だったのです。
とはいうものの、曲そのものの美しさ、ある種の人懐こさみたいなものも感じられます。
あくまでハイドンはハイドンなのですね。

曲の構成は下記の通りです。
・序章 Maestoso adagio
・第1ソナタ 「父よ!彼らの罪を赦したまえ」 Largo
・第2ソナタ 「おまえは今日、私と共に楽園にいる」 Grave e cantabile
・第3ソナタ 「女性よ、これがあなたの息子です」 Grave
・第4ソナタ 「わが神よ!何故私を見捨てたのですか?」 Largo
・第5ソナタ 「渇く!」 Adagio
・第6ソナタ 「果たされた!」 Lento
・第7ソナタ 「父よ!あなたの手に私の霊を委ねます」 Largo
・地震 Presto e con tutta la forza

どれもいい曲なのですが、特に印象に残った曲というと、少し劇的な序章や第1ソナタ、第5ソナタでしょうか。第1ソナタは非常に瞑想的な曲で、このような曲を聴いていると、ベートーヴェンの13番「カヴァティーナ」の中間部を思い出してしまいます(いや、ホントに)。
第5ソナタはピチカートにのって暖かい感じで進行した後、arcoの刻みの上で様々な展開をしていきます。
唯一、劇的な最後の地震もなかなか聴かせてくれます。でも、これだけゆっくりな曲が続いた後にこの曲が来るとちょっと異質な感じに聴こえますね。

う〜んあらためて感想書いてると、抽象的な言葉ばかりで結構つらいですね(笑)。
なんというか、表現がうまく出来ないのです。あんまり頭で考えて聴くのがいやになる曲なのかなあと。何も考えずに浸れればそれでいいかなあと思ってしまいました。

うぐいすが持っている演奏は、クイケン四重奏団のものです。
この曲って、古楽器の方が合ってるかもしれません。
あまり豊かに響いてしまう音色だと、その曲の清澄な雰囲気に余計な色がついてしまう感じがします。
クイケン四重奏団の演奏は、抑え目のヴィブラート(ほとんどの部分はノンヴィブラートですが)で、古楽器特有の淡色な味わいのすっきりとした音色で、非常によくこの曲の魅力を表現しています。

いつも劇的な曲を聴いているのですが、たまにはこういう清澄な雰囲気の曲もいいですね。

さて、次回は少しだけ年代を遡って、伸びやかでしっとり、情緒的な曲を取り上げます。
ハイドン:弦楽四重奏曲「十字架
ハイドン:弦楽四重奏曲「十字架

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ハイドン 「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」 作品51 クイケン四重奏団 1994年
古楽器による演奏との出会いは、バッハのレオンハルトとその仲間による「ブランデンブルク協奏曲」であった。私が13歳か14歳のときだったと思う。それまで親しんでいたリヒター盤から一気に疎遠となってしまい、それから一時期までバッハとなればジャンルを問わずに古楽器による演奏を好むようになった。(もちろん、いくつかの例外はあるけれども。) ...続きを見る
String Quartets
2008/03/31 21:15

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、こんばんは!
ハイドンの誕生日の今日は「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」だったのですね!しかも私のお気に入りのクイケン盤!(「これ以前に書いたはず…」と思い、恥ずかしながらTBさせていただきました。今読むと、まるでハー○ン・カルテットの演奏みたいな文章で背筋が寒くなります(爆)。)
この曲、オリジナルが弦楽四重奏曲ということを除いても、ハイドンの作品としては異色と思えます。素晴らしい曲ではありますが、うぐいすさんの仰るように頻繁には聞くことができないですね(笑)。
余談となりますが、この曲は幾つかの録音を聞いているに過ぎませんが、このクイケンの演奏、「テンポの遅さは尋常ではないのかも?」と思えてきました。うぐいすさんは如何お思いになられますか?
最後になってしまいましたが、2年目も何卒宜しくお願いいたします!!
凛虞
2008/03/31 21:25
凛虞さん、こんばんは!
トラックバックとコメントありがとうございます。

あれ?このトラックバックの文章、読んだ記憶がありますよ!てっきりこの曲はエントリーされていないかと思ってたのに(苦笑)。失念していましたねえ・・・でもまじめな話、この頃の凛虞さんの文章、格調高い表現で好きだったのですよ(今の方がもっと好きですが)。書き加えられた文章に、凛虞さんが辿ってきたこの1年の歴史を見てしまいました(笑)。

クイケンQ、確かに遅いですね!彼らの清澄な演奏は、古楽器の素朴な響きだけではなかったのだと気づきました。もうなんか、ここでの彼らの演奏ってホント、異世界に迷い込んだかのような錯覚にとらわれてしまいますからねえ。この演奏大好きなのですよ。あんまり聴けないけど(笑)。
うぐいす
2008/03/31 21:53
うぐいすさま こんばんは

ハイドンのこの曲
私はまだ一度も聴いたことがありません
それで、どんな曲なのか、さっぱりです、爆〜
ただ、うぐいすさんの記事を読んでいて、静謐な音楽なのではないかなって想像しています。

ハイドンの曲 あまりにも分野も多岐にわたり、なおかつ、曲数も半端ではありませんね、これをすべて聴き通すことなど可能なのか、と海辺に佇むニュートンと同じような感覚にとらわれます。もちろん、私はニュートンに比べれば、砂浜の砂の一億分の一のような存在でありましょうが〜
凛虞さんのブログでも訳の分からないコメントを書き込んできました、またも、ここで〜 爆

ミ(`w´)彡 
rudolf2006
2008/03/31 23:07
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

この曲、ホントに静謐で敬虔な音楽です!いつも聴きたくなるか(聴けるか?)は難しいところですが、そう言った曲の中にも、意外とハイドンらしい優しさというか、人懐こさが顔をのぞかせています。
rudolf2006さんはハイドンのオラトリオなども聴かれてますし、うぐいすなんかよりもハイドンへの造詣が深いので、聴いてみると意外とハマルかもしれません。でも全編緩やかで静か、という点はちと覚悟がいるかも(笑)。
うぐいす
2008/03/31 23:31

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