今日は午後から雨でした。 なんとなくメカニカルっぽいけど、しっとりした曲を聴いてみたくなりました。 そこで、バルトークのピアノ協奏曲第3番です。 ブログの閲覧数は下がりそうですが(笑)。 この曲は、晩年にアメリカに渡った後に書かれたもので、元々、ピアニストであるディッタ夫人の誕生日プレゼントとして書かれていたようですね。 しかし、バルトークは3楽章最後の17小説のオーケストレーションを残して他界してしまいました。 残りは知人であるシェルイが補筆して完成させたとのこと。 この曲は幸いに、楽譜などにバルトークがほとんど指示を残してあったため、それを当てはめていくだけで終わったそうです。 この曲は調性感が明確で伝統回帰している傾向があるため、先鋭的な人からは「退嬰的」と言われてきたようです。 確かに聴きやすいですね。 1,2番あたりになると、もっとバーバリズム的に打楽器やリズムに特徴があり、刺激的な響きも使われていますが、3番は結構普通の感覚で聴いてしまいます。 1楽章の冒頭、ざわざわ蠢いている弦楽器にのって、ピアノで印象的な旋律が奏でられ、オーケストラに展開されていきます。 なんというか、このあたりからしてうぐいすはロマン派、たとえばリストあたりの雰囲気を感じてしまいます。 そういえばリストもハンガリーの作曲家でしたね。 それになんといっても!!!2楽章の澄み切ったロマンチックな雰囲気がうぐいすは大好きなのです! バルトークの曲は今でこそ普通にその騒がしいリズムや不協和音も聴けるようになってますが、そんな今でも、この2楽章を聴いていると素で「ホッ」としている自分がいます(笑)。 この曲を初めて聴いたのは確か学生時代でしたが、そのときはホントにバルトークの音楽かと耳を疑ってしまいました。 なんて清らかで静謐な世界なんでしょうか! 3楽章はリズミカルで非常に動きのある曲ですね。ノリのよい、舞曲風な音楽です。 よく聴く演奏はアンダとフリッチャイ指揮/ベルリン放送響のものです。 アンダはエルンスト・フォン・ドホナーニに師事したそうですが、バルトークからもピアノの教えを受けたそうです。 非常に明晰かつしなやかに音を紡いでいくピアニストですね。 それでいて技巧的な部分は微塵も不安定さを感じさせません。なかなかの実力派の演奏家です。 3楽章の最後のダイナミックな部分も、非常に聴き映えがしてカッコいいのです(笑)。技巧的に難しそうなところも全然そう聴こえないですね。 一方で弱音の表現も凄いですね。2楽章の澄み切った響きはなかなか出せるもんではありません。 惜しむらくは、その短い一生(享年54歳)でしょうねえ。もうちょっと長生きしていたら、もっと名を馳せていたと思うのですが。 そういえば、この演奏のバックのフリッチャイも早逝ですね。 フリッチャイはこの演奏、すでにその短い一生の晩年になります(1960年録音)。白血病が発症した後の演奏です。 うぐいすは、フリッチャイの演奏はどちらかというと病気発症前のキビキビした頃のものが好きなのですが、でも今回のこのバルトークの演奏に関してはさすがにすごいと思います。 ウィーンフィルとのライブのブラ2と、このバルトークは晩年のフリッチャイでは例外的に好きな演奏ですね。 特に2楽章の磨きぬかれた響きと歌い込まれる旋律を聴いていると鳥肌が立ってきます。各フレーズを噛みしめて歌い込んでいくような演奏です。 病気以前のフリッチャイではこうはいかなかったかもしれません。 一方で、3楽章は持ち味のリズム感も素晴らしいです。以前のキビキビした感じに、ほどよいマイルドさが加わっていてそのバランスがなかなかいいですね。 このCD、第1番・2番も超絶的な名演なのですが、それはまた何かの機会にいたしましょう。 (といって、取り上げてない演奏が過去にもあるのですけどね・・・) Bart?k: The Piano Concertos / Anda, Fricsay, Radio Symphony Orchestra Berlin
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うぐいすさん、こんばんは! |
凛虞 URL 2008/04/26 23:20 |
凛虞さん、こんばんは。 |
うぐいす 2008/04/27 01:11 |
うぐいすさま お早うございます |
rudolf2006 URL 2008/04/27 06:13 |
rudolf2006さん、おはようございます。 |
うぐいす 2008/04/27 12:17 |
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