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zoom RSS 「豪快」かつ「訥々」とした音楽:ケンプ('53)の「皇帝」<PA-139>

<<   作成日時 : 2008/05/26 00:04   >>

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今回はケンプのベートーヴェン「皇帝」です。
1953年のモノラル録音です。バックはケンペン/ベルリン・フィルです。

うぐいすはケンプの演奏はフルニエと組んだベートーヴェンのチェロ・ソナタ、あとピアノ・ソナタを数曲ほど知っていましたが、あまり詳しく語るほどには聴いてこなかったピアニストです。
昔はバックハウスと並び称される、ドイツを代表するピアニストという評価だったと思います。でも、最近はあまり前面にでてくる機会が少なくなっている気がします。
ケンプは大向こうを張るような技巧やダイナミズムで聴かせるというよりも、自然体で滋味溢れる演奏が持ち味ですね。非常に落ち着いた雰囲気を持ってます。
質実剛健とも違うんですよねえ。

やはり技術的に優れていたり、個性の強い演奏に埋もれがちになってしまうタイプの演奏かもしれません。
まあ、そういううぐいすも今まで熱心に聴いてきたピアニストかというとそういうわけではないのですよ(苦笑)。

でも、久しぶりにケンプのベートーヴェンのソナタをいくつか(テンペスト・ワルトシュタイン・月光等々)聴いてみたりすると、なかなかおもしろい演奏です。なんというか、細かいフレーズ表現にいろいろ工夫も入っていたりして、しかもそれが自然なんですね。
そういうのを聴き逃したり味わえなかったりすると、全体としてはただ単に地味な印象になってしまうかもしれません。
指が回る、回らないというレベルでの技術的な面にも怪しい部分があったりするので、なおさらかもしれません。
(技術面に関しては元々あまりうまくなかったらしいですね。第二次大戦後にナチスの協力者という疑いをかけられて演奏禁止になったときに、集中的に練習を重ねて、技巧の弱さをある程度克服したらしいです。)

音楽の勢いとか技術的な完成度などを求める人にはピンと来ないかもしれませんが、その音楽の魅力にハマル人は結構ハマってしまう、といった演奏かと思います。

で、今回のエントリー、「皇帝」の話です。
ケンプは一般的にはライトナー/ベルリン・フィルとのステレオ録音が有名ですね。でも、うぐいすはこの演奏持ってないんですよ。
今回取り上げるのはモノラル時代のケンペン/ベルリン・フィルと組んだものです。
ステレオ時代よりも力演との話のようなので、興味を持って入手してみたのですよ。

うぐいすは「皇帝」というとバックハウスやE.フィッシャー、グルダ、ブレンデルあたりを聴いてました。
さてこのケンプの演奏ですが、うぐいすは、今まで聴いてきた演奏にはない、途轍もない力強さとスケールの大きさを包含した、すばらしい演奏と思いました!

いやあ、なんと言っても3楽章!3楽章ですよ!
3楽章の旋律、非常に強靭でダイナミックな打鍵!それと共に実に聴き映えのする、変幻自在に抑揚のついた弾き方で聴き手を圧倒します。
バックのケンペン/ベルリン・フィルも重厚で完璧なアシストしてます。

実はこの演奏初めて聴いたとき、決して滑らかではない訥々とした表情でガラガラと目いっぱいにかき鳴らされる音を聴いていたら、感動のあまり思わず涙が出そうになりまして(苦笑)。
皇帝を聴いて泣かされそうになるなんて初めてでしたよ。

・・・あっ、ちなみに技術的なところは今のピアニストの基準で考えるとかなり危ないです(苦笑)。けっこうミスタッチあるし、フライングするところもあるし。指が回りきってるのかなあ?という怪しげなところもいろいろ。1楽章はけっこうあるかなあ、そういう部分。
まあ、逆にその訥々とした表現が何とも人間味があるというか、形式ばってないとも言えるんですけどね。

でもですね〜、そんなことは気にならなかったんですよ!この演奏。
とにかく圧倒されました。
ライトナーとのステレオ盤がどんなものなのかわからないのですが、このモノラル盤のケンプはなかなかの聴きものでした!

まあそうは言うものの、全ての演奏を押しのけて一番とかいう類の演奏ではないとは思います。技術的に安定してないし。
人によって絶対、好悪がハッキリと分かれます!
でもこの演奏はうぐいすにとっては聴き出すとけっこうクセになる、非常に味わいのある一品でしたね。
(皇帝で泣きそうになったの初めてだし)

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ケンプ ベートーヴェンのピアノ協奏曲「皇帝」
今日は「冬晴れ」という言葉がぴったりする好天気だった。こういう日にベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の堂々とした曲調はふさわしいのではないだろうか。そう思ってこの曲を聴いてみた。演奏は、ピアノがヴィルヘルム・ケンプ、オーケストラがフェルディナント・ライトナー指揮ベルリン・フィルである。録音は1961年7月。ケンプは、ドイツ・オーストラリア系のピアノ音楽なら1にケンプ、2にブレンデルというくらい、ぼくの好きなピアニストだ。 ...続きを見る
クラシック音楽のある毎日
2008/05/26 06:22

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、おはようございます。
私はケンプの大ファンなので、ケンプを取り上げて頂いて嬉しいです。「自然体で滋味あふれる演奏」、仰るとおりです。多彩な表現力にも感動させられます。
古い記事のうえ、共演はライトナーですが、TBさせて頂きました。
アルトゥール
2008/05/26 06:26
うぐいすさま お早うございます

ケンプ 懐かしい名前ですね
大学の頃はよく聴きました。CDは一枚も持っていないと〜;
「皇帝」大学時代に一度だけ演奏したんですが、それ以来、機会に恵まれず、一度も演奏したことがありません。ベトベンのコンチェルト、3番、5番は引退する前に演奏したいのですが〜。まったく機会がありません〜。

全然関係のないことを書いてしまいました、爆〜
ケンプの演奏も久しぶりで聴いてみたいなって思ったりもしています。シュベルトのピアノソナタの全曲もあるみたいですし〜

ミ(`w´)彡 
rudolf2006
URL
2008/05/26 07:20
アルトゥールさん、こんばんは!
トラックバックとコメントありがとうございます。

今回のエントリーのモノラル盤、うぐいすの知るケンプの演奏とは打って変わってダイナミックで豪快です。とある動画のサイトで検索してみると、静止画像でこのCDが公開されていました(苦笑)・・・あえてURLの紹介はいたしません・・・。

ライトナーと組んだステレオ盤も聴いてみたいですね。なんか非常に廉価で発売されているようですし。モノラル録音のものよりも多分、そちらの方がうぐいすの今までのケンプのイメージに近いかもしれませんね。
うぐいす
2008/05/26 20:15
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

実は、大学時代にうぐいすもこの曲をやりました。ベートーヴェンは弦楽器の場合、内声部がすんごく面白いのですが、うぐいすはこの曲のときは1st Vnでした(苦笑)。
低弦も美味しいですね。ちなみに「皇帝」だと、3楽章の主題のアウフタクトのときに、低弦で合いの手入れるように降下してくる音階があるのですが、ここがたまらなく好きなのです。

さすがにそろそろ財布の中身がちょっと苦しいので、ケンプのソナタ全集はもうちょっと後で揃えましょう。さすがにこれは廃盤にはならないでしょう(苦笑)
うぐいす
2008/05/26 20:27
うぐいすさん、おはよございます。

私にとっての「皇帝」のベスト盤はフィッシャー・フルトヴェングラーです。毎回第3楽章が始まる前のタメにわくわくしています。フルトヴェングラーの伴奏がすばらしいですね。あとはうぐいすさんに不評(笑)のシュナーベルです。
ケンプ/ライトナー盤は以前聞いたときにわからなかったのですが、ピアノソナタ同様にもっと聴き込まないといけないのかもしれませんね。今回ご紹介のケンペン盤にも興味津々です。
ケンプではピアノソナタ30〜32盤をときどき取り出しています。20年来の付き合いです。純ドイツ風とでも言うのでしょうか、最初は(実は現在も)相当くせがあると思ったのですが、ゼルキン師同様に昨今ではこのような演奏はなかなか聞かれなくなったように思います。
ズスケも毎日のように聴いています。クリーブランド盤は図書館で借りられるので近々聴いてみたいと思います。
ezorisu
2008/05/27 09:25
ezorisuさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

E.フィッシャー/フルトヴェングラーの演奏、うぐいすも好きです。フルトヴェングラーの伴奏もすごいですね!ケンプ/ケンペン盤はメカニカルな技術においてどうかなあとも思いますが、なかなか気合十分で覇気のある演奏です。ケンプはクセと言われればそうかもしれませんが、それを味わうことができるかどうかが決め手かもしれませんね。
うぐいす
2008/05/27 22:02

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