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zoom RSS シベリウス・チクルス(4):交響曲第4番イ短調Op.63<PA-146>

<<   作成日時 : 2008/06/11 21:14   >>

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シベリウス・チクルス第4回目、今回は第4番を取り上げます。
ついに後期の深遠な世界へ突入した大傑作です。

うぐいすはこの曲がとても好きです。
疲れてるときとか、結構この曲は頻繁に聴くのですよ。
何も考えずに、音にひたすら浸っているだけで心が落ち着いてくるのです。

シベリウスは1908年に体調の不調を訴え、その際に喉の腫瘍があることがわかりました。で、手術を受け、腫瘍も幸いにも良性だったわけですが、これを機にシベリウスは死を身近に感じるようになったとのことです。その後、北カレリアの山地へ旅行したときのインスピレーションも含めて、これらが4番の構想の源となったようです。

したがって、曲は極めて晦渋、深い森の中を一筋の光明を求めて手探りでさまよい歩くような暗闇の世界を感じます。
メロディもあるようでないような、断片的なカケラが提示されて続いていきますので、つかみどころもないですね。でも、よ〜く聴いていくと主題らしき塊がソナタ形式のような移り変わりで構成されているのもわかります。
イギリスの音楽研究家セシル・グレイはこの作品のスコアについて「無駄な音が1つもない」と絶賛しているとか。確かに内に向かって一つ一つの音にあらゆるものが凝縮されているような純度の高い音楽になっているような気はします。

一方で、人の感情のようなものを窺うことは一切できません。人里から非常に遠い、極夜の森の真っ只中を思わせます。木々の間から見える夜空に時折オーロラを仰ぎ見るような様や、はたまた遠くで雷鳴がとどろくような大自然の情景を思い浮かべてしまいます。

1楽章、低弦の重々しい導入の後、チェロで主題が提示され、その後沈痛な面持ちで展開された後、全合奏による「大地が轟く」ような巨大な音楽の塊が表出されます。
演奏によっては宇宙的とすら思えるスケールの大きい曲想です。
その後コデッタへ移行、落ち着きを取り戻し、木管による慰めにも聴こえるフレーズが流れ、展開部、再現部へ移ります。

展開部がまたなんというか、魑魅魍魎が蠢くような夢幻的というか非常に幻想性の高い世界に突入してますね!
もはやこの世のものとは思われないような神秘的な世界です。
様々な精霊が集っては去っていくようなメロディの断片が次々と現れます。

再現部はほぼ最初の提示と同じような感じで現れ、再び落ち着いて木管による慰めの後、弦楽器が名残惜しそうに、溜息をつくかのように同じフレーズを繰り返して闇の中に消えていきます。

2楽章は少し雰囲気が変わって、夜の暗闇を吹き抜ける風のような音楽ですね。時折森の精霊が踊りを踊っているかのような愛らしい旋律も聴こえてきます。風が次第に強くなり、一陣の強い風が吹き抜けたかと思うと、突然すべての姿を消してしまう、といった風情で音楽が終わります。
この突然な終わり方、非常にあっけないですねえ。
この楽章は木管が非常に活躍します。

3楽章は重く、瞑想的で沈鬱な曲です。中間部でチェロの旋律が次第に巨大になり、何かを懇願するような音楽がなかなかスケールがあっていいです。

4楽章は少し賑やかになり活気が出ますが、かといって、決して明るい曲想ではないです。グロッケンシュピールがなかなか印象的な使われ方をしてます。暗闇の中の精霊たちのお祭りといった感じですかね。
最後は結局また暗闇に帰り、弱音の中、静かに曲が終わります。

全曲通して、ホントに人の気配を認識できません。
人の感情も感じられません。経験上で例えるなら、人のいない森の中で地面に寝転んで、周りの音に聞き耳を立てている、大自然と一体になった時の気分などに似てるでしょうか。それでもまだ人の感情はまだありますので、それを超越したような感覚とは思うのですけど。

さて、うぐいすの愛聴盤は、2種類あります。
カラヤン/ベルリン・フィル('65)とバルビローリ/ハレ管です。

カラヤンの60年代の、派手派手な一連のシベリウス録音は結構お気に入りなのですよ。
まさしく大宇宙が鳴動するかのようなスケールのでかい演奏です。
1楽章の金管やティンパニが鳴り響くところとか、もうSFの世界です(笑)。
60年代のベルリン・フィルの本拠地であるイエス・キリスト教会の豊穣なホールの響きもその雰囲気に一役買ってますね。
弦楽器の歌いまわしも色気すら感じさせます。
でも、後の70年代の頃ほどのけばけばしさは意外となくって、ストレートに表現している感じがなかなか好感持てるのです。

また、バルビローリ/ハレ管の演奏はオケの実力はイマイチですが、熱意や意気込みがダイレクトに伝わってくる演奏ですね!
この演奏には、技術だけでは語れない音楽の魅力が備わっています。
バルビローリの人間的というか、訥々と語っていく表現も味があっていいですね。
たとえば、同じバルビローリでも、ベルリン・フィルを振ったマラ9やウィーン・フィルを振ったブラ2のような、どこか純音楽的に距離を置いた感じがなくて、ホントにストレートに思い切り良く激情をむき出しにしたり、優しいフレーズは慈しむように感情を表現しているのです。煮え切らない感じがないのですよ。

あと他には、ベルグルンド/ヘルシンキの素朴なありのままの表現もいいです。

さあこのシリーズ、おそらく人気のないであろう(自爆)後期ですが、すでに佳境に突入しました!
次回は5番です!
でも、次回もまた1日、間を置かせていただきます(苦笑)。さすがに平日はなかなか進まないですねえ。

あと今後の予定ですが、本日CD店で衝動買いした、とあるシベリウス交響曲全集が・・・なんか凄くてですね〜・・・ちょっと触れておきたくなったのです。次回の5番の後に番外編を入れさせていただきます(汗)。

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コメント(4件)

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うぐいすさん、こんばんは!

第4番は哲学書みたいで、長いこと親しめませんでしたが、ある時、ふとこの魅力に気づくとたまりませんね!残念ながら演奏の好みは、全く分かれてしまいましたが・・・(゚∀゚;

> とあるシベリウス交響曲全集

DSCHの交響曲との相性がイマイチであったことが今もって先入観となっており、シベリウスは未聴です。また、Venezia盤(殊に管弦楽曲)は音質的に我が家の安物オーディオと相性が悪くて…。

さて、私の勝手な想像は如何に…(爆)。番外編を楽しみにしています!!
凛虞
URL
2008/06/11 22:05
凛虞さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

初めから後期にカラヤンとバルビローリを出すつもりでしたが、その時点でおそらく好みが合わない方が結構いらっしゃるだろうなあと思ってたりして(笑)。本来のシベリウス好きな方だと、ベルグルンドやサラステ、はたまた最近話題のヴァンスカあたりが出てくるんでしょうか。ベルグルンドはともかく、北欧の指揮者ってわりと聴いてないので、集めていきたいですね。今回の一連のエントリーで、C.デイヴィスが好きな方が結構いらっしゃるというのも発見だったりします。いろいろ新たな見方もできますし、やはり書いてみるもんですねえ。

とある全集ですが・・・凛虞さんが書かれている演奏は残念ながら聴いたことないのですよ(爆)。ちなみに、彼のDSCHはうぐいすもダメです(笑)。
とある全集、ちょっと意外かもしれません(笑)。お楽しみにということで・・・
うぐいす
2008/06/11 22:57
うぐいすさま お早うございます

シベリウスの4番
これは、オーマンディ・フィラデルフィアのものを持っていましたので、聴きながらコメントを書いています。今朝、もう2回目を聴いているわけですが、捉え所がないようにも思えますが、意外に面白いなって思ったりもしています。
滅多に聴かないので、ちょっと新鮮な気分になっています。
複雑な音楽を書いていますよね〜。

シベリウスの全集
新しいものを買われたのでしょうか? どんな全集なのか、楽しみです〜。

ミ(`w´)彡
rudolf2006
URL
2008/06/12 05:28
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

4番、とらえどころがない感じもしますね。うぐいすは聴きはじめた頃は聴くというより、浸るという感じでした。最近は曲も覚えたので聴きこむ感じで聴いてます。オーマンディの4番は聴いたことないのですが、どうなんでしょうね〜。

衝動買いの全集、聴き込んでます。たぶん今週末には感想書けるかなあ・・・
うぐいす
2008/06/12 20:34

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