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zoom RSS ベートーヴェン初期四重奏シリーズ(最終回):弦楽四重奏曲第4番<PA-162>

<<   作成日時 : 2008/07/19 20:55   >>

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さて、ようやくベートーヴェンの初期四重奏シリーズも最終回です。
今回は作品18の中で最も最後に書かれた第4番を取り上げます。
この曲は学生時代に合わせたことがあることもあって、ちょっと思い入れもある曲です。

この曲は1800年ごろに書かれたそうです。この後1806年に作品59、いわゆるラズモフスキー四重奏が書かれる訳ですが、ここに至ってはもう形式的にも精神的にもベートーヴェンの独自の世界が展開され始めます。
今回取り上げる4番はある意味、古典的な形式に則ったベートーヴェンの四重奏としては初期の四重奏の中ではもっとも充実した曲かもしれません。

この曲は交響曲第5番と同じくハ短調で、悲愴感が溢れる情熱的なメロディで始まる1楽章が印象的です。
なんというか、ここに至ってベートーヴェンの勇壮で劇的な世界が確立してきているような気がします。何かの小説を読んだりドラマを見ているような気分ですね。
見栄をきっているような和音の連続と1st Vnの合いの手はちと不器用というかわざとらしい気もしますが(苦笑)、これはこれでなかなか味があります。

2楽章は少し軽快なスケルツォですが、すでに四重奏7番の2楽章や交響曲のスケルツオを思わせるような充実した出来栄えです。
3楽章はメヌエット楽章らしいのですが、聴感はスケルツォ楽章に近いですね。勇ましくも憂愁な雰囲気のある情熱的な楽章です。

4楽章は活発で悲愴的な1st Vnの旋律で始まり、駆けては立ち止まって振り返るような動と静の対比が見事です。その後伸びやかな第2主題が現れます。この2つの主題が交互に絡み合い、展開されていき、最後はプレストで一気呵成に駆け抜けていく様は実に見事!

この4番、うぐいすは初期の中ではかなり頻繁に聴く曲です。
劇的で中期の作風に近づいていることもあって聴きやすいのです。
従って、好きな演奏も多いですね。

今回の初期シリーズ、第1回目から順に各回ある団体に照準をあててその後にお気に入りの演奏を紹介するというスタンスをとっています。
なので、最初に紹介する演奏が必ずしもお気に入りとは限らない形になっています。
それで、今回紹介する演奏は何かというと・・・アルバン・ベルクQ(旧全集)です。
この演奏、実はベートーヴェンの四重奏の刷り込みだったりしまして、結構思い入れは深いのですよ。
でも最近はすっかりご無沙汰になってしまいました・・・(苦笑)

アルバン・ベルクQは線が細く鋭角的な音色、ややもすると表現主義的で攻撃的なアクセントも辞さない大胆な表現で、それまでの演奏からは考えられなかった革新的な世界を垣間見せてくれる団体です。
しかも、彼らのラズモフスキー3番のように、アクロバティックともいえるくらいテンポの速さとダイナミックで劇的な凝縮力を見せる演奏もありますね。

・・・って書きましたが、上記の表現はほめ言葉にもなりますが、最近のうぐいすにはどうにも苦手でして。
若い頃はこれはこれでなかなか好きだったのですが、最近はそのオーバー・アクションともいえるような表現とピヒラーの神経質な音色がなんとも神経に障るのです(苦笑)。

車運転していて、舗装した道路を走っているつもりなのに、時々大きな岩を踏んでガンッ!と下から突き上げられるような感じが何度も何度も・・・っていう感じで落ち着かないのですよ。

さらに、構成がガチッとしているかというと、意外と情緒に流れちゃうところもある(12番や14番)ので、どうにものめり込めなくなってきます。

まあでも、そんな中で初期の演奏は比較的聴きやすい方かなあ、とも思うのです。
その現代的でキビキビした感じが初期のフレッシュな雰囲気に合うときもありまして。特に4番あたりは彼らの中ではいい感じに聴けるのです。
(4番だから、といった方がいいかもしれませんが)
ちなみに、彼らのラズモフスキー3番(9番)と16番は比較的好きな方です。
劇的だったり、ある意味形式的に突き抜けちゃってる曲だと、彼らの演奏も生きているような気がします。
15番は最近好きな演奏が出来ましたので、アルバン・ベルクのはあんまり聴かないですね。その話はまた後ほど・・・

そういうことで、4番はどれも好きなんですよ。ジュリアードQ(旧盤)バリリQ、クリーヴランドQ等々。
ブダペストQも彼らの初期の中では聴きやすいです。曲のつくりが劇的だからかもしれません。
ズスケQもいいですね。

結局、最後に4番を持ってきたのは、嫌いな演奏がないから、ということもあったりして(笑)。
ある意味完成度が高い分、曲がいろいろな演奏を許容しているような気がします。

さて、ついにベートーヴェン初期四重奏シリーズが無事に完了しました。
ホントは7月上旬に終わってるはずだったんですが(苦笑)。
次回以降のことはあんまり考えてないです。また様子見ながらボチボチ書いていきます。


旧全集、やっぱりHMVの方が安いなあ・・・


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、ふたたびこんばんは!
第4番は既に中期を予感させますね。そのあたりが私があまり聞かない理由となっているのかもしれません?!
アルバン・ベルク四重奏団の第9番と第16番は愛聴盤です(笑)。ともにこのカルテットとしては非常に直球タイプですし、第16番にいたっては音色がABとは思えないほどくすんでいると思います。
今夜は第1楽章のみですが、第4番をABの新盤で聞き、そのテンポの揺れに素直に入り込めませんでした。続いてHカルテットで聞いてみましたが、胡散臭い表情付けが「わざとらしい」を通り越して、厭味に感じられました(爆)。世評の高さ(?)が分かりかねます(゚∀゚;
次回のうぐいすさんのエントリーを楽しみにしています!
凛虞
URL
2008/07/19 23:25
凛虞さん、こんばんは!
再びコメントありがとうございます(笑)。

新盤の演奏は実は聴いたことがなくってよくわからないのですが、そんなにテンポゆれるんですか・・・そういえば彼らの演奏様式って、90年代半ばくらいからどうもそのオーバーな表現が目立ってきましたね。情緒的な部分も。

でも旧盤にしても、アルバン・ベルクQの4番だけを取り出して聴くということはあんまりなかったりして(苦笑)・・・アルバン・ベルクQの中では比較的聴ける、という話なので。昔は結構好きな団体だったんですがねえ。

ブログエントリー、そろそろ東欧の巨人「B」に行ってみるかなあ、とも思っているのですが、没した日がもちっと先なので、その前に購入した数々のCDの感想も控えてますので、こちらを先にしようと思っています。室内楽じゃないのも結構ありまして・・・どうせあんまり更新できなさそうだし(苦笑)。
うぐいす
2008/07/19 23:50
うぐいすさま お早うございます

この前のエントリ、どうも私が間違えていたようで、4番の短調だと思いこんでいたようです、爆〜。
今回が4番なんですね〜。
ジュリアードの旧盤の演奏を今朝聴いてみました。ABの新盤はCDで後期だけ持っているのですが(ライヴ盤でしょうか)、一曲くらいしか聴いていません、爆〜。

ジュリアードは、さすがにやはり上手いなと思った次第です。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/07/20 07:51
rudolf2006さん、こんにちは!
コメント遅れて申し訳ありません(国立劇場の「親子で楽しむ歌舞伎教室」へ行ってきたのです)。ジュリアードQの4番もいいですね〜、リズムの処理がキビキビとしていて聴いていて気持ちがいいです。

アルバン・ベルクQは、当時としてはそれまでの演奏にない音楽の表情におけるエキセントリックな面を強調することによる刺激的な味が、新鮮に聴こえたのかなあと思います。そういう意味では初めからあまり万人に受け入れられるという演奏ではなかったと思うのですが、妙に世評が高いですね。そういううぐいすも、この録音が出たばかりの頃は嫌いではなかったのですが(苦笑)、今となってはきつくてついていけなくなってますねえ・・・
うぐいす
2008/07/20 17:30

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