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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1番:シリーズテーマ(1)<PA-169>

<<   作成日時 : 2008/08/10 18:32   >>

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さて、お約束のテーマの開始です。
今回のエントリーはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第1番です。
うぐいすはこの1番、実は結構好きなのです。
この曲、もっといろいろと取り上げられてもいいと思うんだけどな〜。

この曲はベートーヴェンの作品2としてまとめられた3曲(1〜3番)の中の最初の曲です。かなり初期の段階の作品ですね。
1795年、ベートーヴェン25歳の時の作品です。一応師事していたことになっている(苦笑)、ハイドンに献呈されてますね。ベートーヴェン自身は、実際はほとんど何も教えてもらわなかったとか言ってたそうですが(笑)。

この作品、若い時期の最初期の作品なので、かなり古典派らしい形式の整った曲です。
でもこの曲、なかなかに革新的で、当時はピアノ・ソナタというと小規模な作品という認識が強く3楽章編成が当たり前だったようですが、作品2は3曲共に4楽章編成です。
しかも、1番で使われている調性はヘ短調で、鍵盤楽器には珍しい調性だそうです。(うぐいすにはよくわからんですが)そういう面において若き芸術家の、従来の形式に自分の新しい息吹を吹き込もうという情熱とか野心のようなものは感じるかも。
曲自体を実際に聴いてみても、しっかりした形式感の中にもやはりベートーヴェンらしさが現れていて、なかなか情熱的な曲ですね。

1楽章は素朴なアルペッジョの上昇音階で始まりますが、この旋律、しっとりとしていて、いいですねえ。
単純と言われればそれまでですが、でもそれが展開される様は古典的な形式の枠の中で、非常にロマン的とすら言えるような情熱が組み込まれています。
ここら辺の抒情的なところはシューベルトにも通ずるような瑞々しさです。
それは3楽章の「スケルツォみたいなメヌエット」にも言えますね。

実はこの主題、アウフタクトが上昇音階に組み込まれているので、うぐいすは最初聴いたときアウフタクトに聴こえなくて「あれあれ?」って感じでした(笑)。こういう驚きもベートーヴェンの意図したトコなんですかね〜。
(うぐいすがマヌケなだけかもしれませんが)
そういえば、ピアノ協奏曲第1番の3楽章の出だしも、アウフタクトがわかりづらくて同じように思ったことがありました。

2楽章になると落ち着いた曲想で、牧歌的な美しい曲です。
ひととおり聴いてきて、最後の2音の決め(?)がなんともいえない風情がありますね。

3楽章はこれまたしっとりとした旋律です。
上記でスケルツォみたいなメヌエットって書きましたが、中身は基本的には舞曲的な楽章ですね。主部の抒情的なしっとり感と中間部の優雅な踊りの対比が絶妙です。

4楽章は若きベートーヴェンの情熱が込められた、もっともベートーヴェンらしい楽章かもしれません。
基本的に曲全体として3連符の伴奏にのって情熱的な旋律が歌われていきます。時に3オクターブの下降とか大胆な曲想も出てきますね。
ちなみに、プロとはいえみなさん何気に普通にこの3連符弾いてますが、冷静に考えるとこれ凄いですね。
聴いていても、左手がよく攣らないなあ(笑)と感心してしまうのですよ。
いや、プロだからというのは当然わかってはいるんですけどね(苦笑)。

さて、うぐいすの手持ちの演奏、いろいろと聴きなおしているのですが、その中で、あらためて再評価してしまった演奏と、やっぱりちょっと・・・と思った演奏があります。

聴きなおして意外にもいいじゃないか!と再評価してしまったのはグルダの演奏です。
ちょっと前まで、彼の演奏はどうにも才能が溢れすぎてしまい、ひらめきとかセンスばかりが気になって曲全体としては落ち着きがないなあ、と思っていました。それはやはり、未だに中期以降の曲に対してはそういう印象はあるのですが。
でも、初期の曲に関しては、そのセンスがいい方向に出ているな〜というのが、今回聴きなおして思いましたねえ。
グルダの1番は、跳ねるようにかなり動的に曲が進行していくのですが、それが曲にあっていて小気味がいいですね。
曲の才気煥発!といった風情が伝わってくるのですよ。

その一方聴きなおしてもやっぱりちょっとどうかな〜、と思ったのはバックハウス(新盤)の演奏でして。
いや、立派ないい演奏なんですよ。型にはまった感じかというと、必ずしもそうでもないし。でもピンとこないのです。
やはりやや堅さとか重さみたいな感じが若干あるかな〜。面白みとかも今ひとつかも(言いたい放題)。
うまく説明しづらいのですが・・・

あと、最近よく聴く演奏は上記のグルダともうひとつ、ブレンデルの3回目の全集のものですね。
このブレンデルのベートーヴェンって、世評は高いですが、実は結構異端なのかもしれません。
ガチッとした形式感や構成感よりも、沈み込んでいくようなしっとりとした情感とか思索的な味わいが濃厚な演奏ですね。
中期以降の情熱的なつくりの曲になると、それが裏目に出るときもあるのですが、初期の曲にはこのしっとりした味わいがグルダとは違う意味で新鮮ですね。
グルダの演奏聴いた後に、必ずこの演奏を聴きたくなるのですよ。軽妙な小気味のいい演奏の後に、落ち着いた味わいで聴きたくなるのです。

他に、R.ゼルキンのもちょっと異色な演奏でしょうか。ガッチリとした無骨な味わいながらも、遅めのテンポでどんどん沈み込んでいき、フレーズを一音一音丁寧に紡いでいく感じの演奏ですね。
でも4楽章になると早めのテンポで勢いが出てきますね。
まあ、この演奏の場合はどちらかというと曲を全体として俯瞰して聴くというよりは、音の処理とかフレーズを噛み締めていくような聴き方が合っているかもしれません。

ナットの演奏はうまくまとまってますね。なんというか、グルダのような小粋な感じではないのですが、フレーズが生き生きとしていますね。基本は音の粒がはっきりとしていて端正なつくりの中で、決然としたダイナミックな音の処理もふんだんに盛り込んでおり、時折はっとさせられるようなキラメキもあります。
ある意味、うぐいすにとってはどの曲を聴くときも安心して聴ける演奏なのです。

上記の各演奏の感想をまとめてみると、ある意味オーソドックスな味わいがあるのはやはりバックハウスかも。
(スタンダードと言えるかどうかは別ですが)
まあそれでも、あんまり聴く機会は少ないですねえ・・・
こうなると、同時代のドイツのピアニストのもう一方の雄、ケンプの演奏をますます聴きたくなってきますねえ。
やはりうぐいすは1番の場合、現時点ではグルダとブレンデルをペアで取り出すことが多いです。

いやあしかし、エントリーの内容は曲中心、とか言ってた割には結局いつもと同じ感じですね。聴いてる演奏が少ないながらも聴き比べしてしまいました。っていうか・・・むしろ曲のことの方が少ない!(爆)
結局こんな感じで書いてく事になるのかな?
まあ、毎回そのときの気分で変わると思いますが(苦笑)。

さて、こんな感じでスタートしたベートーヴェンのピアノ・ソナタシリーズですが、シリーズ次回は2番の予定となります。しかしこのシリーズは神出鬼没、いつになるかは未定です(爆)。
次回エントリーに続くか?はたまたしばらく他の作品が続いて突然思い出したときに出てくるか?気長にお待ちください(爆)。


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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます

ベトベンのシリーズが始まりましたね〜。
1番のソナタ、どういう曲だったか忘れてしまっていて、グルダの演奏を久し振りに聴きながら、コメントを書いています。
私は、このグルダ盤とゼルキン盤しか1番は持っていません。
ナットの演奏も聴いてみたいなと思いながら、他のCDにしてしまっています。

ハイドンともモツアルトとも異なるベトベンの個性が、どの楽章にもはっきりと表れていますよね。それは初期の弦楽四重奏曲と同じかな、と思っています。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/08/11 05:32
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

1番は非常に古典的な形式ながらも、メラメラとした(笑)ベートーヴェンの意思とか情念のようなものを感じますね。グルダの演奏はこの曲に関してはうぐいすは楽しく聴けます。ナットもいいですよ!また他の曲でコメントすることになりますが、なんというか、絶対に外しちゃいけないワクみたいなものからは外れないのですが、その中において時に驚くべき力感やダイナミズムを示す様が圧巻です。彼の全集聴きながら、良いものを入手できたなあと思っています。
うぐいす
2008/08/11 20:59
うぐいすさん、こんばんは。

今度は遠大な?シリーズになりそうですね(笑)。
手許にあるのはシュナーベルだけです。これがまた良かった!ここからベートーヴェンの世界が始まってゆくのだな…という感動があります。
グルダは選集しかありませんが、ちょっと明晰すぎるかなという印象です。なにぶん、フィッシャーとシュナーベルをいちばん大事に思っているもので、
なかなか相容れない感じです。

シュナーベルを聴いていただけるならRCA(BMG)の2枚組が試金石だと思います。EMI盤とは音の艶が違います。これでダメなら合わないということで…

ケンプはこちらが年を取ると共に良くなって来る印象です。ただし、うぐいすさんにとってこの種の弾き崩し(本当は崩れていないけれども)はいかがでしょうか?
ezorisu
2008/08/11 23:12
ezorisuさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

シュナーベルはどうですかねえ。1番は聴いたことないですが、なんというか、とんでもなくテンポをすっ飛ばしていくイメージがありまして、曲によっては弾き散らかしている(失礼)ようにも聴こえてしまうのですよ。SP時代だったから時間の制約も、というのもあるんですかねえ・・・

一方、ケンプは3大ソナタやテンペストあたりを聴いた事があるのですが、弾き崩しというよりはむしろどこかその朴訥ですらある表現に人間味を感じてしまい、なかなかの味わいがあるのですよ。まあでも、ケンプもシュナーベルもソナタ全部聴いたわけではないし、曲によるかもしれませんね。シュナーベルも安いし来月ちょっと買ってみようかなあ。
うぐいす
2008/08/12 22:15

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