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zoom RSS ロマン派のかほり(笑):バルトークの弦楽四重奏曲第1番<PA-179>

<<   作成日時 : 2008/09/26 20:00   >>

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9/26はバルトークの命日です。
それにちなみまして、前から企画を検討していたバルトークの弦楽四重奏曲についてのシリーズを開始してみます。
実は6曲を短期で集中的にシリーズ組もうとも思いましたが、バルトークの弦楽四重奏ともなると一筋縄でいかないです。
ここはあんまり焦って集中的に書かずに分散してエントリーしていきます。
まあそうは言うものの、曲数は6曲であり、そんなに長期になることはないと思うので、あえてシリーズテーマ(3)とはしません。
でもマイペースでぽつりぽつりと書いていこうと思います。

バルトークの弦楽四重奏というと、昨年、演奏団体を中心に感想を書いたことがあるのですが、曲それぞれに対して感じたことまでは触れていませんでした。
今回は曲そのものに対して思うところを綴ってみようと思います。

もっとも、うぐいすには、「ベートーヴェン以降最大の業績」とまで称えられたバルトークの弦楽四重奏曲を学究的な立場で追い求めるのは到底不可能です(苦笑)。難しすぎです。
ということで、バルトークの曲そのものと言っても、いつものノリで、ホントに感じた印象そのままを書き連ねるという姿勢で行ってみます。
演奏の感想にも少し触れるつもりです。

さて、今回はまず第1番です。この曲は1908年に完成されてます。
若いころにも弦楽四重奏は何曲か作曲したようですが、気に食わなくて破棄してしまったそうです。

この曲が作られた時期にも、バルトークの身辺には色々あったみたいです。
当時、以前から交際していた女性との手紙のやり取りの中で、お互いの価値観が合わなくなってきたことが露呈しはじめ、徐々に疎遠になっていった結果、結局他の女性と結婚することになったとか。

第1楽章は冒頭から、1st/2nd Vnの対話で始まり、カノン風に進行します。このあたり、研究者からは上記の女性との関連性を注目され、いろいろ研究されてるようです。
あと、冒頭3小節の間に12の音がすべて使われているとかいうのもあるらしいですが、別に12音音楽を目指して書いたわけではないそうです。確かに全体通して聴いてみても、うぐいすにはあんまり現代的な音楽という感じには聴こえないです。
この2つのヴァイオリンの対話から始まる4声の絡みは実に流麗で、非常にロマンチックに聴こえます。
まるでドビュッシーの音楽じゃないかと思わせるような自由な和声の動きを感じさせたり、フォーレのような典雅な曲想になる瞬間もあります。
ただ、そういった瞬間はあってもやはり基本はバルトークで、根暗(笑)で重苦しい雰囲気が一貫して漂っています。

第2楽章は第1楽章からの曲想を受け継いで重い音楽で開始されますが、やはりどこか印象主義的な雰囲気もありますね。
3楽章で活躍するメロディも顔を覗かせます。
それでも、中間部の激しく流れる曲想はやはりバルトークの面目躍如という感があります。

第3楽章はリズムの激しい、本来のバルトークの野性味があふれる、推進力のある曲想と、哀愁のある民謡調のメロディが交互に現れる動的な音楽です。
はじめて聴く方は、この楽章から聴くとリズムに勢いがあって聴きやすいでしょうか。
と言っても、そもそもバルトークのバーバリズムに親しめてないと無理か・・・

3楽章が勢いのある曲ですが、やはり1・2楽章が暗い雰囲気なので、全体としても重苦しい空気が漂っていますねえ。
でも、曲のロマン性と野性味のバランスのとれた演奏だと、あまり重苦しさを気にせずに曲に浸ることができます。

1番でよく聴くのはハンガリーQ・ヴェーグQ(新盤)・タートライQです。
見事にハンガリー系のカルテットばっかりですね(笑)。
1番の場合は、あまり尖鋭的すぎない演奏が好きなのです。

特に、ハンガリーQは曲を端正に仕上げていて、聴いていてすごく心地がいいです。1番はハンガリーQの演奏がうぐいすにはもっとも好ましい演奏です。
次点のヴェーグQ(新盤)はやや泥臭く、むしろ3番以降の曲にその魅力を発揮しているようにも思うのですが、手作りの音楽という感じがあってこれもなかなかいいです。
ちなみに旧盤の方はもっと突っ込んだ表現ですがこれも悪くはないですね。
でも旧盤は録音が良くないので、あんまりお薦めはしません。
タートライQのは録音の音が独特なのですが、これもまた先鋭的になりすぎず、そうかといって暗くなりすぎずにどこかすっきりとした風情があってよいのです。

1番に関してはジュリアードQはあまり聴かないです。その尖鋭的な表現には聴いていて納得させられる説得力があるのですが、いつも聴くのはちょっと疲れてしまいます。
アルバン・ベルクQのバルトークは、尖鋭的とかいう以前にうぐいすには合わないので(笑)聴かないです。

バルトークの弦楽四重奏曲第1番は、兆候はあるものの「彼本来の」野性味や前衛的な面白さはまだ発揮されてないかもしれません。
でもロマン的な味わいのある傑作だと思います。


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コメント(4件)

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うぐいすさん、本日2度目のコメントです(笑)。

バルトークの弦楽四重奏曲第1番、新ヴィーン楽派が活躍する前の作品と記憶していますが、逆にこれがその源流として捉えると、アルバン・ベルク四重奏団の演奏も一興と思えるようになりました。

我が師が「バルトークの弦楽四重奏曲では第1番と第2番が好き。ベートーヴェン第14番を継承する…」といったようなことを仰られていましたが、その観点からすれば、アルバン・ベルク四重奏団の演奏の志向性も分かるようになりました。

しかしながら、それでもなお、私もこのカルテットによるバルトークは…(爆)。

先月にうぐいすさんお薦めのヴェーグ再録音の全集を購入しましたが、時間に追われてほとんどが未聴です(汗)。第1番と第2番はダブることになりましたが、この2曲に関してはこのヴェーグの新盤、エベーヌ、そして最近のお気に入りのベルチャを聞くことが多いです。ハンガリー四重奏団による第1番は演奏の詳細が思い出せないので、今夜はこれからこれを聞いてから就寝しようと思います。
凛虞
URL
2008/09/27 23:32
凛虞さん、こんばんは!
こちらにもコメントありがとうございます。

アルバン・ベルクQですが・・・そう言われると確かにその路線の演奏ですね。あらためてこの曲の3楽章あたりを聴くと悪くはないか?とも思いました。でもおっしゃる通り、頭で理解するのと好みかどうかというのはまた別ですね(爆)。うぐいすには彼らの、歌うような音色の色艶とか、クールにスカした感じ(笑)がバルトークにはどうなのかなあと思いました。3番以降となると言わずもがな・・・ですね。

バルトークの弦楽四重奏に何を求めるかでお気に入りの演奏も変わると思うのですが、ヴェーグQはその泥臭さが好きなのです。もっとスマートで技術的にも安定しているのはジュリアードの方ですが、ヴェーグQのはごつごつした人間的な手触りがしていいのです。いわゆるリファレンス盤ではないかもしれませんが、今のうぐいすは何気に取り出すことが多い演奏です。
ちなみに、まだ未だにケラーQを入手できてません。安いのですが(笑)。HMVの「3点」セールを考慮すると、組み合わせに悩んでしまいます。まあでも入手はそんなに遠いことではなさそうな気がしますが(笑)。
うぐいす
2008/09/28 00:54
うぐいすさん、たびたびお邪魔します。

ハンガリー四重奏団による第1番、情念的にも思えました。このカルテット、晩年には枯淡の境地をベートーヴェンなどで聞かせると思いますが、このバルトークあたりではまだゾルタン・セーケイの情熱が全メンバーに宿っているように聞こえました。

ところで、先のコメントを記しつつ「何かが抜けている…」と思っていたのですが、まさにケラー四重奏団でした(笑)。スケール的には小粒かもしれませんが、鋭利で輪郭がくっきりとした演奏をとても好んでいます。

ケラー四重奏団に関しては、ドビュッシー&ラヴェルではいささか艶っぽくて、私のこのカルテットのイメージとはいくぶん異なりますが、バルトークだけでなくDSCHやシューベルトも屈指の名演と思います。
凛虞
URL
2008/09/28 01:33
凛虞さん、こんにちは。
再びコメントありがとうございます。

なるほど。ハンガリー四重奏団の演奏の中で比較すると晩年よりも情念のある演奏なのですね。うぐいすは他の団体と聴き比べていると落ち着きのある、端正な演奏に聴こえるのですよ。安定した録音のせいもあるかもしれません。確かに端正といっても、羽目を外さずにきちっとした枠組みの中でしっとりとした潤いや生き生きとした情熱を表現しているという感じもします。

今回の企画で凛虞さんお薦めのケラーQに触れないのもどうかな〜と思っていましたが、まずは手持ちの演奏で思うままを書いてみようと思い立ちました。ケラーQは入手後にあらためて記したいと思っています。
うぐいす
2008/09/28 12:41

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