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zoom RSS カラヤンのバイロイト「トリスタンとイゾルデ」<PA-208>

<<   作成日時 : 2009/01/28 22:34   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 1 / コメント 10

やれやれ、ついこの間ワーグナーはいったんここらへんで・・・
と言っておきながら、またワーグナーです(苦笑)。
年末年始の集中リスニングのおかげで、すっかり毒気に当てられてしまいました。最近どうもワーグナーばっかりですなあ。
今回はカラヤンのバイロイトライヴ(1952年)の「トリスタン」です。
前から気になっていまして、録音状態がどうかな〜と思って躊躇してたのですが、思い切って入手してみました。

カラヤンはバイロイトには1951年と1952年のみに出演しています。
しかし、ヴィーラント・ワーグナーの演出と馬が合わなかったようで、結局出演はその2年のみで、バイロイトの指揮台に二度と立つことはなかったようです。
この「トリスタン」は若きカラヤンの、バイロイトでの貴重な演奏記録ですね。

この演奏、まずはなんといっても歌手がすごいです。
録音状態もオケよりも歌手の方が良く録れています。

とにかく主役は文字通り、ヴィナイのトリスタンとメードルのイゾルデですね。
ヴィナイの重量級のトリスタンは圧巻です。ヴィントガッセンの若々しい青年タイプのトリスタンもいい感じですが、ヴィナイの声は色艶はないものの、重くて勇ましく、大人の男性の力強さや逞しさをたっぷりと味わわせてくれます。2幕の最後のところとか、演技もいいですね〜。

メードルのイゾルデも味がありますね〜。
この人の声は独特です。ニルソンのような輝かしく突き抜けるような高音でもなく、ヴァルナイのような太く逞しい声というのでもないですし、フラグスタートのような神々しい声でもない。
なんというか、ほの暗く理性的で生の人間的な声ですね。

甘くはないですが、キリッとした大人の女性の魅力というのでしょうか、どこか知性とか威厳を感じさせるような声です。
預言者とか占い師といった風情もあったりするのですが(笑)。
いやあでも真面目な話、このイゾルデはなかなかいいですよ。ニルソンやフラグスタートの声に聴き慣れた耳には、メードルのイゾルデは病みつきになります。
落ち着いた知的で気品のあるイゾルデです。陰影のある声がなんとも・・・

そういう意味では、ヴィナイのトリスタンとメードルのイゾルデは年齢設定がやや上目ですかね。
少なくともヴィントガッセンとニルソンのコンビよりは年上設定かな。
(→歌手の実際の年齢じゃないですよ)
フルトヴェングラー盤の、ズートハウスとフラグスタートのような艶がある熟年カップル(爆)というほどではないですが、大人の恋っていう感じです。

ホッターはその声の魅力はすごいのですが、・・・神様のようなクルヴェナールですね(笑)。好みが分かれるかもしれませんねえ。あくまでクルヴェナール役としては、ということですが。

ちなみに、うぐいすはこのホッターも好きです(笑)。
特に3幕の最初の方、クルヴェナールの出番が多いのですが、このあたりは最高ですね〜。
うぐいすはホッターとヴァルナイとヴィントガッセンは大概の場合は受け入れてしまいますねえ。やっぱり好きなのですよ。

あと、バイロイトって、さりげなく出ている脇役がなんとも・・・
牧童でゲルハルト・シュトルツェが!
もう、「Kurwenal!He!」の第一声を聴いただけでわかっちゃいますね〜。
ちょっとしか聴けませんが、ほれぼれしちゃいますよ

さて、カラヤンの指揮は颯爽としてしかもダイナミックですね〜。音がもっといいとさらにそのド迫力の洪水を味わえたかもしれません。

マイクの位置のせいかオケの音をいま一つ録りきれてないこともあって、ちょっともどかしいところ(1幕や2幕の最後)も多々ありますが、低音を思い切り鳴らしているところとかも感じられますし、なかなか好演ではないかと思います。
ただ、音楽が盛り上がってくると、ソリストや合唱がずいぶんと歌いにくそうですねえ。オケとズレまくってるところが多いです。カラヤンの指揮って結構、縦の線が合ってないことが多いのです。
聴いていて時々どんなもんかと思ったりしますが(苦笑)、まあでも、若きカラヤンの颯爽とした音楽は魅力的です。
慣れればあんまり気にならないかな。

「トリスタン」初心者の方には決して薦めませんが、「トリスタン」にズブズブとハマっている方には必聴の演奏ではないでしょうか。


珍しくHMVよりもAmazonの方が安かったのでうぐいすが注文したら、在庫がなくなっちゃったみたい(爆)。
廃盤ではないと思うので、また入荷すると思うのですけど。





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憬話§このたびの旅[34]トリスタン<T>
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ひだまりのお話
2009/02/04 21:44

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、こんばんは!
カラヤンの「トリスタン」歌手の起用は(完全にカラヤンに選択権があったとして)きわめて興味深く思えます。バイロイトではヴィナイ、商用録音ではヴィッカースと、「オテロ」題名役を得意とするようなバリトン的&英雄然としたイタオペ歌手をわざわざ選んでいるからです。
かつてはダークな声質であっても『朗唱』と言わんばかりのスタイルに抵抗がありましたが、これに慣れてしまうと(??)なかなか得難いものがありますね。
個人的にはこのような傾向は第3幕により適性を示すと感じています。
ひさしぶりにこのバイロイト盤も聞きたくなってきました(笑)。
Niklaus Vogel
URL
2009/01/29 00:15
うぐいすさま お早うございます

ヴァーグナーネタだと、やはりコメントしたくなりますね〜。
Niklaus Vogelさんも書かれていますが、カラヤンはヘルデン・テノールには太い声のテノールが好きだったのではないでしょうか?メルヒオールが理想であったのではないかな、と思ったりもします。

カラヤンの音楽はともかく、演出は歌手には評判が悪かったようですね。ニルソンさんが、他人が歌った演奏に合わせて演技指導をされても困る、と書かれていました、音楽が素晴らしいとも書いておられますが〜。ヴィーラント・ヴァーグナーの才能には脱帽だったそうです、ニルソンさんは〜。

メードル、ホッター、ヴィナイ、この三人の名前を聞くと、うぐいすさんの好みがよく出ている演奏だと思います〜。

一度はカラヤンのバイロイト盤も聴いてみたいものです〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/01/29 05:54
Niklaus Vogelさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

確かに、トリスタンにはバリトン的な重々しい歌手を起用してますね。カラヤンにはトリスタン役に対しては英雄的なイメージがあったんですかねえ。そういえばあんまり関係ないですが、カラヤンの「ワルキューレ」のジークムントもヴィッカースでしたか。

ホッターのクルヴェナールは、1・2幕を聴き進めていったときはどうかと思ったのですが、3幕にくると素晴らしいですねえ。水を得た魚といった感じで変幻自在、曲想にぴったりな歌になってます。このあたりは有無を言わさぬ説得力があります。ヴィナイのトリスタンも3幕の重苦しい雰囲気にぴったり(笑)な重厚な歌を披露してます。
「トリスタン」って、実は3幕は通常後半しか聴いてなかったりするのですが(苦笑)、このカラヤン/バイロイト盤の白眉は3幕全体と言えるでしょう。また、何気にお気に入りなのが、シュトルツェの声が聴ける点だったりします(笑)。
うぐいす
2009/01/29 22:03
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

カラヤンの演出に対する歌手の感想の話は聞いたことがありますね〜。実際に見たことがあるわけではないのでなんとも言えませんが。カラヤンは演出の面でヴィーラントと対立してバイロイトを去ったわけですが、ずっと後のカラヤンの演出を見た人によると、ヴィーラントの演出に似てたとか言う話もあるんですが(笑)、真相はどうなんでしょうかねえ。

うぐいすは基本的にホッター・ヴァルナイ・ヴィントガッセンが大好きなわけですが、ヴィナイの重い声も結構好きだったりします。メードルはブリュンヒルデ役にはピンと来なかったのですが、イゾルデとクンドリはいいですね。このカラヤンのバイロイト「トリスタン」、録音はイマイチかもしれませんが、なかなかいいですよ。特に3幕をこれほど面白く聴ける演奏ってあんまりないかも(笑)。
うぐいす
2009/01/29 22:04
こんばんは。

私はワーグナーではトリスタンが一番好きで、フルトヴェングラー、クナッパーツブッシュ、Fライナー、ベーム、バーンスタイン、グッドオール、Cクライバーなどを聴きました。カラヤンも一応は。
でもけっきょく総合的にはやっぱりベーム盤が一番好きですね。
ハルくん
URL
2009/01/30 00:07
ハルくんさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

うぐいすも「トリスタン」は指環と同じくらい聴きます。総合的にみるとベーム盤はやはり、かなり高いレベルの演奏ですね。一気呵成に曲を運ぶ推進力が凄いですが、そのくせカラヤンのバイロイト盤と違ってアンサンブルに破綻をきたしてませんからね〜。何といっても若々しい声のヴィントガッセンとニルソン(もちろん実年齢とは違いますが)の魅力も素晴らしいです。ただ一点、ロマン的な色艶がないのが弱点ですかね。うぐいすは、その点においてフルトヴェングラー盤に価値を見出してます。なので、その両者は不可分というか、両方ないと満足できないんですよ。

今回のカラヤンのバイロイト盤は、3幕の特に前半に魅了されました。ホッターのクルヴェナールの実に深い表現の素晴らしいこと!短いですがシュトルツェの牧童にも惹かれてしまいました(笑)。
うぐいす
2009/01/30 22:40
そうですねえ、私はベーム盤でもロマンの不足はほとんど感じないのですが、フルトヴェングラーの深く沈み込むような感覚は無いですね。でもあのドロッとした味わいはちょっと特殊ですよね。もっとサラッとした音で深遠な演奏なのはクナ/ウイーンフィル(DECCA)の「前奏曲と愛の死」「第2幕抜粋」でしょう。あの調子で全曲盤が存在したら疑いなく私のベスト盤だったと思います。
ハルくん
URL
2009/01/30 23:04
ハルくんさん、再びコメントありがとうございます。

そうですね〜、ロマン的っていう言い方自体、定義があいまいだったかもしれません。具体的に言うと、フルトヴェングラー盤の、あの体にまとわりついてくるような音色とフレーズ表現がたまらなく魅力なのですよ(爆)。そのくせ、フルトヴェングラーにしてはかなりインテンポで客観的な演奏してますので、彼のワーグナーにしてはバランスが結構いいんですよね〜。まあ、フルトヴェングラー盤が「トリスタン」の刷り込み演奏ということもあって、聴くたびに「これでなきゃ」って思ってしまうんです(苦笑)。

クナ/ウィーンフィルの抜粋盤(DECCA)はうぐいすも持っています。これも名演ですね!「トリスタン」からの抜粋もすごいですが、「ヴォータンの告別の音楽」や「ジークフリートのラインへの旅」なども圧巻です。
うぐいす
2009/01/30 23:22
たびたび失礼します。(笑)

「ヴォータンの告別の音楽」や「ジークフリートのラインへの旅」も凄すぎますね。
あの「リング」がショルティ盤に化けてしまったのですから、返す返すも残念無念。カルショーを呪い殺したいほどです。(もう生きてはいなかったでしたっけ?)(笑)
バイロイト盤もかけかえ有りませんが、やっぱりDECCA全曲盤も聴きたかったですよね。
ハルくん
URL
2009/01/30 23:39
ハルくんさん、コメントをたびたびありがとうございます(笑)。

なはは、カルショーはもう亡くなってますね〜。でも確か、ホントはカルショーもクナでリング全曲録りたかったんですよね〜。録り直しの録音作業をクナが嫌がって途中で降りてしまったという逸話も聞いたことがあります。まあ、この頃の音楽産業に携わる人の考え方として、ミスのない「音のカンヅメ」がよい録音という価値観だったようですし、カルショーがその方向をもっと突き進めてさまざまな音響効果を入れた実験的な録音を行ったというのも、ひとつの偉業ではあるのですが、それにしてもクナの「指環」スタジオ全曲盤がないのは残念ですね。
うぐいす
2009/01/31 00:24

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