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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第10番:シリーズテーマ(1)<PA-206>

<<   作成日時 : 2009/01/24 21:38   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 3 / トラックバック 1 / コメント 6

お久しぶりの更新です(苦笑)。
なんでこんなに間が空いたかといいますと・・・ドップリとワーグナー中毒になっていたから(爆)。
そろそろ室内楽や器楽曲に回帰しようと思ったのですが、久しぶりに大好きなワーグナーを聴いていたらまた中毒になってしまったわけで(苦笑)。まあ、無理に聴くのをやめる必要もないので、まだしばらくワーグナー漬けだと思います。

その合間に何気に聴きたくなるものもあるわけですが、ポツリポツリといった感じなのでなかなか感想に残せないわけで・・・
まあでも、ここらで久々に他の曲を本腰入れて聴いてみようかと思います。
ということで、今回はシリーズテーマ(1)のベートーヴェンのピアノ・ソナタです。10番まで来ました。

10番は9番とセットで出版され、作品番号は14−2となります。
作曲は1798〜1799年ごろのようです
9番同様、この10番も初期の作品のような瑞々しい作風になってます。
9番は2楽章で、ほの暗く抑制された感情を繊細に表現するような、ロマン的な部分も垣間見えましたが、10番は全体的に朗らかというか、ずいぶんと穏やかな表情ですね。

1楽章の流れるようなメロディ、その合いの手を入れるような左手のパッセージも絶妙ですし、展開部の憂いを帯びた表情も良いですね。
決して居丈高な音楽にならず、あくまで軽やかにして繊細。

2楽章は変奏曲形式です。落ち着いて歩くようなテンポではありますが、音楽がリズミカルに進んでいきますね。
何気に、どこかラジオ体操のような雰囲気を感じてしまったりもしますが(爆)。

3楽章は最終楽章ですが、スケルツォですね。
なかなか珍しいことやってますが、このリズミカルかつしなやかな楽章でシメていることによって、この曲全体の軽やかな印象が引き立っています。最初のところがヘミオラ風のリズム(2小節で3拍子に聴こえる扱いのリズム)で拍の感覚に変化が感じられますね。最後にさりげなく消えるように終わっていくところなども、なんとも粋な感じです。

さて、聴き比べた演奏についてです。
もっとも気に入ったのはギレリスとナット、グルダですかね〜。

ギレリスは遅目のテンポでじっくりと歌ってます。音色は透明で、冷たい水がキラキラと光って、さらさらと流れていく小川のような、非常に美しくも繊細な演奏です。
宝石箱を開けたような美しさとも言えますかねえ。
いつものギレリス特有の「ド〜ン」とくる強烈なフォルテは皆無です。
軽やかな小品というよりも、その美しさに聴き入ってしまうような演奏です。

ナットは逆にかなり速めのテンポで駆け抜けていきます。一気呵成に吹き抜けていく風のような演奏です。
曲が曲だけに、いつものナットのような情熱的なフォルテはありませんが、その駆け抜けていく中にも人間味のある表情が感じられていいですね〜。
弾き飛ばしてる感じがないのですよ。

グルダのも、意外といいですねえ!
グルダはやっぱり、ベートーヴェン初期の作風の瑞々しい曲にはその芸風がぴったりです。
中期以降になると、その才気煥発なところが逆にアダになってしまったりするのですが、この曲では意外と節度のある、珠玉の演奏となっています。
1楽章は意外と遅めのテンポでフレーズの処理も非常に丁寧に弾いてます。
2楽章も伸び伸びとリズミカルに進行していきますし、3楽章も非常に軽快に音楽が進んでいきます。ただ、贅沢を言うと、その3楽章に彼特有のキラキラした個性の強さが曲を食ってしまっている部分があるかもしれません。
まあでも、他の曲に比べれば許容範囲かなあ。

ケンプは1・3楽章は結構遅めに進めてますが、2楽章はわりと速めに弾いてます。
このテンポ感は無理をしていないというか、ある意味自然ですね。
1・3楽章は走りすぎず、2楽章も必要以上にもったいぶることもなく相変わらず訥々と弾いてます。どこか思索的な雰囲気もあります。
うぐいすは基本的にケンプの演奏は嫌いではないです。
でも、この曲は、もうちょっと軽やかにいくか、磨き抜かれた音色でやってくれた方がしっくりするかも。

ブレンデルもしっとりとした感じです。この曲との相性も悪くはないです。
非常に思索的な佳演ですね〜。
ただ、他の演奏の方により魅力を感じるものがあるので、この曲についてはブレンデルの演奏を特に取り出す機会は少ないです。

バックハウスは速めのテンポです。しかもこの人の特徴であるテンポの揺れも見られますね。
まあでも、基本的にはしっかりしたタッチで堅実に音楽を作ってます。
弾き飛ばしている音がないのはすごいと思うのですが、やはり音楽が少々堅いかもしれません。
この曲の場合には、もうちょっとしっとり感とかフレキシブルな音楽が欲しいかな〜とうぐいすは思います。

シュナーベルは意外と悪くないですね。1・3楽章のこの軽快な演奏、この曲の魅力を引き出してますね。フレキシブルな感じでここまで追及されてしまうと、逆に小気味がいいです。
とはいうものの、弾き飛ばしの部分はやっぱり気になりますかね。
2楽章は遅めのテンポで腰を落ち着けて弾いてます。こういう部分はシュナーベルの音楽は味わい深いです

久しぶりにベートーヴェンのピアノ・ソナタに戻ってきましたが、今回の10番は珠玉の小品で、幸せな時間を過ごせました。


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タイトル (本文) ブログ名/日時
ギーゼキングのベートーヴェン「ピアノ・ソナタ第9〜11番」
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第9〜11番の3曲を聴いた。演奏はワルター・ギーゼキング。ギーゼキングはぼくの大好きなピアニストの1人だ。この3曲は第9番と10番が1956年10月19日と21・22日、第11番が同年10月19日と20日に録音されている。ギーゼキングはこの年の10月26日に開腹手術の経過が思わしくなく亡くなっているから、死の1週間前以降の録音だということになる。文字通り最後の録音である。 ...続きを見る
クラシック音楽のある毎日
2009/01/25 10:04

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、こんばんは!
眠くて朦朧としているNiklaus Vogelです
なかなかワーグナーの毒からは抜け出せませんね(笑)。
今年は『○○イアー』花盛りの感がありますが、ハンス・ホッター生誕100年ということに気づきました。
ということで、次回復帰の際は、ホッターの得意とした作曲家作品を聞いていこうと思います(←またかよ!(爆)
ベートーヴェンのピアノソナタ第10番がどのような曲であったか思い出せません。これから就寝前に聞こうと思いますが、最初の数小節で爆睡しそうです…(゚∀゚;
Niklaus Vogel
URL
2009/01/25 01:51
うぐいすさま お早うございます。

ベトベンのピアノ・ソナタのシリーズですね〜。10番ですね、全く知りませんでした。それで、今朝、ナットの演奏を聴きながら、コメントをしています。二回目を聴いています。
ベトベンにしては(意外にそういう場合があるんですが)、軽やかな曲、曲想ですよね。力こぶが入っていない分、聴きやすい曲ですね〜。
小さな曲ですが、良い曲ですね、私はナットの演奏だけ聴いていれば良いかな、と思ったりも〜。
譜面の見てみました。誰かの校訂版なので、一概に言えないのですが、ナットはあまりスフォルツァンドなどを強調しないですよね〜。これは他の曲でも感じたのですが〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/01/25 05:33
うぐいすさん、おはようございます。
ベートーヴェンのピアノソナタは、「悲愴」と「月光」との間の9〜13番は名曲揃いだと思います。10番もいいですよね〜。
各ピアニストの演奏については仰るとおりだと思います。個人的にはケンプが好きですが。
モノラル時代のリファレンスはやはりナットだと思いますが、シュナーベルとかギーゼキングの演奏は今聴いてみるとかえって新鮮に感じられるように思います。シュナーベルは、録音の録り直しが殆どできなかった時代で、弾き飛ばしがあるのは本当に惜しいです。
アルトゥール
2009/01/25 09:58
Niklaus Vogelさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

ホッターの生誕100年ですか!ついこの間亡くなられた感じがあったのでピンときませんでした(笑)。結構長生きされてたんですよね〜。
ホッターの得意作品というと・・・「冬の旅」?(激爆)・・・じゃなくって、つい先日までの「お祭り」(笑)の作曲家がメインですね。うぐいすもCD漁ってみようかな〜。

ベートーヴェンの10番、珠玉の佳品といった趣です。
軽やかで流麗なメロディではあるものの、非常に朗らかで穏やかな曲想でもありますので、深夜に聴けば爆睡間違いなしではないでしょうか(笑)。
うぐいす
2009/01/25 13:51
rudolf2006さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

10番って、やっぱり普段は特に取り出すってことは少ないですね〜。でもこうやってじっくり聴く機会を作って聴いてみると、あらためて曲の魅力が見えてきます。
実は今回一押しのギレリス盤はこうやってじっくり聴くのは初めてかも(爆)。ナットのような推進力のある演奏も好きなのですが、ギレリスの、じっくりと腰を落ち着けたテンポでキラキラした水面を思わせるような美しい響きを紡いでいく演奏にも魅了されました。
あと、ナットは確かにスフォルツァンドとかの細かな曲の指定よりも音楽の流れを重視している感じもありますね。
それが魅力でもあるのですが。
うぐいす
2009/01/25 13:53
アルトゥールさん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

うぐいすの場合、今まで9〜13番あたりってまとめて流して聴く感じが多かったので、1曲1曲をじっくり聴くという機会がなかったのです。今回よく聴くとよい曲が揃ってますね!

アルトゥールさんは10番の演奏はケンプがお好きなのですね。うぐいすも決して嫌いではないのですが、ギレリスのキラキラした音色を聴いてしまったらそっちにより魅力を感じてしまいました。
シュナーベルは意外と良かったです(笑)。でも弾き飛ばしの件については彼の芸風のような感じもするので、録り直ししてもこういう演奏になってたかも?とか思ったりして(笑)。感情が高ぶってるときに聴くと、こういう演奏も許容できそうな気がします。
うぐいす
2009/01/25 13:55

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