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zoom RSS シリーズテーマ(1)番外編:バックハウスのピアノ・ソナタ全集(旧盤)<PA-220>

<<   作成日時 : 2009/03/14 21:00   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 16

ひょんなことで、バックハウスのベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の旧盤(モノラル)の演奏を入手できました。
今、市場では廃盤になってますね。
この演奏、ちょっと思うところがありましたので番外編としてエントリーします。

バックハウスはベートーヴェンのピアノ・ソナタをモノラルとステレオで2回全集を録音しています。
正確に言うと、29番「ハンマークラヴィーア」のみステレオ再録音がかなわなかったため、新全集には旧全集(モノラル)の29番が収録されています。

バックハウスのベートーヴェン:ピアノ・ソナタについては、新全集よりも旧全集の方が全盛期の覇気のある演奏で素晴らしいとの評判をネット上でよく目にしていました。
新全集を聴いていて、感心するところはあるものの、いまひとつピンとこないもどかしさをいつも感じていましたので、いつか旧全集を聴いてみたいものだという思いがありました。

今回とりあえずざっと聴いてみたんですが、確かに新全集とは違います。
何が違うって、新盤よりも構成感がガチっとしていて、テンポ設定も自然に聴こえるのです。

新盤も旧盤もテンポはイン・テンポじゃなくって、曲想に合わせて動いていきます。風格もあります。基本的にはまさしくバックハウスの演奏です。

そういう意味では新盤の方も悪くはないのですが、時々テンポがなんとはなしに変わっていくさまに芯が感じられずにグニャっとした感じに聴こえるときがあったのです。今までのうぐいすの感想にも書いてましたが、風格も感じられるけど、だからと言ってガチっとしたドイツ的な重厚さみたいなものはあんまり感じられなかったのです。

一方、旧盤は何が違うのかというと、たぶんタッチの力強さやテクニックが安定していることが関係しているかなあと思います。そのおかげで、テンポが動いていてもガチっとした構成感が感じられるのです。テンポの変化に全然違和感がなくって、ツボを抑えた、ピントがあってる感じがするのです。
タッチがしっかりして聴こえるだけで、結構変わりますねえ。

ちなみに、旧盤が覇気があると言っても、もちろん大上段に力強さやテクニックをひけらかすような演奏ではありません。
新盤よりも芯が通った感じで、実に風格のある演奏です。
(そもそも、バックハウスの一時期の異名として頻繁に使われた「鍵盤の獅子王」って若い頃の話で、1950年代以降の彼の演奏の特徴を全然表してないと思います)

とりあえずシリーズテーマ(1)は11番まできていますが、そこまでの彼の演奏について書きますと、基本的にどれも好感が持てます。
面白みがあるかというとまた違う話になりますが、曲そのものを安心して聴ける演奏のひとつとはいえると思います。そういう意味ではうぐいす的には新盤よりも旧盤の方がスタンダードという位置づけになりました。
おそらくナットの全集と同じくらいに聴き続けることができそうな気がします。
もっと早く聴いとくべきでしたね(笑)。
12番以降は今後のシリーズテーマ(1)に沿って書いていこうと思います。

ちなみに、最初に書いたとおりこの旧全集は残念ながら廃盤中。
発売したら、結構需要あると思うんだけどな〜。
新盤があまりにも前面に押し出されているので、あんまり注目されなくなってますが、バックハウスの新全集が好きだと言われている方は一度はお聴きになる価値があると思います。

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コメント(16件)

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うぐいすさん、こんばんは。

バックハウスのベートーヴェンは大好きなのですよ。但し私の場合は50年代のモノラルよりも60年代のステレオが好きですし、更に惹かれるのは晩年ガタガタになったザルツブルクでのライブやフェアウェルコンサートですね。コンチェルトも同様にモノラル盤よりも覇気が無いとよく評されるステレオ盤の方が好きなのです。更に良いのはやはりライブ演奏なのですが。
考えてみるとシゲティの演奏もモノラル時代のしっかりした演奏よりもガタガタのステレオ録音が好きなのでこれは私の好みの問題なのでしょうね。(笑)
ハルくん
URL
2009/03/14 23:02
ハルくんさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

そう言えば、ハルくんさんはベートーヴェンのピアノ・ソナタはバックハウスのがお好きというお話でしたね。確かに、ステレオ全集の演奏はどこか達観したような風情に味わいがあるとも思うのです。でも今回旧全集聴いたら、個人的にはこちらの方がしっくりきたのですよ。そういえば、シゲティも晩年のはうぐいすもさすがについていけてない演奏がありましたし(でもプロコフィエフのソナタ・協奏曲は良かったです)、ここはやはり好みなんでしょうねえ。

実は、ピアノ協奏曲はS=イッセルシュテット/ウィーン・フィルと組んだ4番の演奏は大好きなんですよ(爆)。とくに3楽章のスケールの大きさには圧倒されてしまいました。好みに統一感がないですが(笑)。
うぐいす
2009/03/14 23:50
バックハウスは齢をとるにつれてテンポに関してはどんどん流動的というか浮遊的というか結構自由になってきましたね。でも私はそれで造形が損なわれているようには感じないのです。深々とした呼吸を合わせて聴いているとむしろ自然なのです。ある意味クナのテンポの浮遊性と深い呼吸に似ているかもしれません。ですので若いときの方が窮屈に感じるのです。アラウなんかもとても立派なのですが窮屈に感じますね。
まあ結局は好みの問題ですかねぇ。(笑)
ハルくん
URL
2009/03/15 00:19
ハルくんさん、こんばんは。
再コメントありがとうございます。

ベートーヴェンの場合、テンポはカチッとしてても流動的でも、重厚な低音とか、スフォルツァンドや音のタッチなどに意志の力強さが感じられるものが結構好きですね。そういう意味では、クナもテンポは流動的になっても重厚な音が奏でられていますし、方向は違うけどフルトヴェングラーもそうかな。でもそういうのが前面に出てくると、確かに息苦しい感じもありますね。トスカニーニのベートーヴェンはさすがに窮屈に思います・・・おまけにテンポ動きませんし。

単純にバックハウス新盤より旧盤の方が覇気がある分、力強さがわかりやすかったっていうだけかな。まあ最後は好みということだと思います(笑)。
うぐいす
2009/03/15 01:29
うぐいすさま お早うございます

バックハウスの演奏、いつかはまとめて聴いてみたいと思っているのですが〜。
昔、音楽喫茶に通っていた頃、バックハウス、それにケンプフの演奏をよく聴いていたのですが、CDは一枚も持っていません。

私が聴いたのは、きっと新盤だと思うんですよ。ご存じのように、私はカチッとした演奏が好きなので、ちょっと〜、と思ったのだと思います。
今聴くと、どうでしょうか?
意見が変わるかもしれませんが〜。
うぐいすさんに紹介していただいた演奏は、すべてと言っていいほど、私の愛聴盤になっていますので〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/03/15 07:53
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

今まで何気に「ガチッとした」という表現使ってましたが、ハルくんさんとお話しているうちに定義が曖昧だったと反省しました。単にこう書くとイン・テンポのイメージが強いかもしれませんが、うぐいすはそれ以上に、どちらかというと4声のバランスが良くってそれらの絡みがしっかり聴こえる(特に重低音)とか音のタッチ(撥音)がしっかりしていることも含めています。そういう意味では、旧盤はタッチに覇気がある分「ガチッ」として聴こえます。
でもテンポは旧盤も微妙に揺れてますし、ゼルキン師に比べるとやや柔軟なイメージはありますね。でも必要以上の虚飾がなくて、質朴な雰囲気もあります。キラメキを感じる演奏ではないと思いますが、安心して聴ける演奏でした。

でも、例えば初心者とかに推薦するとかいう場合は新盤になるんでしょうね〜。基本的にはいい演奏ですし、録音古いと推しにくいし。rudolf2006さんのように曲をよくご存じの方には一度旧盤をお聴きになられることをお薦めします。廃盤ですが・・・(爆)
うぐいす
2009/03/15 10:24
うぐいすさんが入手された『バックハウスの旧盤』というのは、もしかすると、オレンジ色のボックスの輸入盤ではありませんか?
ビギナー
2009/03/15 17:35
ビギナーさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

入手した品は昔出ていた国内盤で、中古CD屋さんで偶然見つけました(録音データ見てもすべて50年代ですね)。もしかして、オレンジ色のボックスって、新盤のことでしょうか・・・確か中古CD屋さんに、一緒に置いてありましたが。
うぐいす
2009/03/15 18:07
>もしかして、オレンジ色のボックスって、新盤のことでしょうか・・・

失礼しました。オレンジ色のは新盤でしたね。現物を見ないで、うろ覚えでコメを書いているから、間違いの多いんですね・・・。
ビギナー
2009/03/17 15:11
ビギナーさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

中古CD屋さんなり、ネット上なりでバックハウスのベートーヴェン:ピアノ・ソナタ全集を見てみると、新盤だけでもいろいろボックスの色とか外装の仕様が違うものが複数出てるんですよね〜。今回旧盤見つけた時は、背表紙に「モノラル」の旧全集である旨が丁寧に書いてあったのでわかりましたが、それまでいろいろ惑わされましたよ(笑)。それにしても、いままで中古市場でもなかなか旧全集が見つかりませんでした。それだけ人気があって手放す方が少ないということでしょうかねえ。
うぐいす
2009/03/17 21:41
うぐいすさん、こんばんは。

最近、思うところがあってベートーヴェンのピアノソナタ第28番と29番を集中的に聴きました。以前にも書かせていただいたように私の本命はソロモンですが、今回、ギレリスを聴いて非常に感動しました。そして最後に逢着したのがバックハウスです。ただ音楽だけが聞こえて来る感じ、頭が下がる演奏とはこういうものを言うのかなと思いました。将来うぐいすさんのシリーズテーマの順番が来るまで感想はお預けとさせていただきます(笑)。ちなみに旧全集も件のルートで入手可能ですが、当分お供はシュナーベルです。
ezorisu
2009/03/18 21:48
ezorisuさん、こんばんは。
こちらにもコメントありがとうございます。

ソロモンはテスタメントから発売されてるものすべてを2カ月ほど前に入手しました。ソロモンはいいですね!ezorisuさんとうぐいすは好みがあうことがなかなかないんですが(苦笑)、これは同意見ですね。バックハウスは確かに演奏者の個性を必要以上に感じさせないですね。うぐいすには新盤はピンと来ない時もあったりするのですが、旧盤は安心して聴ける感じで、ホントに感心しました。シュナーベルは緩徐楽章を意外と頻繁に取り出して聴いてます(爆)。
うぐいす
2009/03/18 22:10
旧全集を入手できたとはうらやましい!
新全集を聴いていて驚くのは29番、、つまりモノラルの方ですが雷に打たれるような感動がありました。新全集のその他ではそれほど感じない。というわけで、旧全集をずっと探しているのです、、、、
いちおか
2009/03/22 20:52
いちおかさん、初めまして。
コメントをありがとうございます。

旧全集を入手できたのはホントに偶然でした。
うぐいすも入手するまでずっと探してましたが、ぜ〜んぜん中古市場にでてこなかったですよ。やはり手放される方は少ないのですね〜。
バックハウスの29番もいいですね。あと、30番の2楽章も力強く一気呵成に弾ききっていく感じが新盤と全然違って凄いですよ。モノラル全集はやっぱり覇気が違います。見つけたら何が何でもその場で入手された方がいいですね!あっという間になくなるかもしれません(笑)。
うぐいす
2009/03/22 21:40
はじめまして。
バックハウスは最近聴きなおしていますが、ステレオ録音のピアノ・ソナタはやはりもう一つ切れがなかったり、ゴツゴツした粗さを感じるところがあるので、ステレオ録音を聴くなら、ライブ録音の方が技術的には衰えたとはいえバックハウスの芸そのものが堪能できて良いですね。

モノラル録音の全集はいくつかオークションで出回っていますね。この全集は廃盤・再発売を繰り返していましたが、ニーズはあるのですから全集と分売盤をまた再発売してくれれば良いのですけど。

モノラルのライブ録音(50年代)も数種類リリースされているのでそれを集めていますが、ライブ録音だと演奏に集中力が感じられるのはもちろんですが、音楽に柔らかさや自由さが感じられて、生気が溢れているように思えます。ただし、録音状態が悪い盤が多いのが難点ですね。
yoshimi
URL
2009/04/25 10:27
yoshimiさん、はじめまして!
コメントありがとうございます。

バックハウスのステレオ全集は立派な演奏だと認めつつも、何とはなしに聴かなくなってしまいました。旧盤の方はオーソドックスな味わいを持ちながらも、曲想に覇気が感じられるため、聴いていて自然に曲に入っていける気がします。一般的には新全集が決定盤とされていて、モノラル盤は消し去られている感じがありますね。この演奏が市場に出ずこのまま埋もれてしまうのは非常に残念ですね〜。

一方、バックハウスのライヴ録音はいろいろ評判は聞くものの、入手はしてないのですよ。機会があれば聴いてみたいと思ってはいるのですが。
うぐいす
2009/04/25 12:47

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