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zoom RSS ヴァルナイのメト・デビュー:「ワルキューレ」(1941年)<PA-222>

<<   作成日時 : 2009/03/21 22:07   >>

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今回は戦前の古い録音で、1941年の「ワルキューレ」です。
メトロポリタン歌劇場でのライヴ録音、指揮はラインスドルフです。
かの有名な、ヴァルナイがメト・デビューした伝説的な録音です。

実は、今月の半ばに戦前のワーグナー録音を2種類入手しました。
その際はメルヒオールとフラグスタートが聴きたくて、「ジークフリート」(1937年、ボダンツキー/メト)と「トリスタン」(1936年、ライナー/ロンドン・フィル)を入手したのです。
どちらも歌声に対してはある程度感心はしたのですが、あんまり何度も聴きたいとは思える演奏ではなかったのです。
どちらの録音状態も良くなくって、オケが引っ込み気味で興ざめしてしまい、あんまりのめり込めなかったのですよ。
・・・年代が年代ですから、しょうがないのですが。

まあ、メルヒオールの声とはどんなものかということを知ることができたのは収穫でしたし、戦前のフラグスタートの凄さも垣間見ることはできました。
しかし、観賞用として聴き続けるのはちとつらいですねえ。

これを聴いた後、ワーグナーの楽劇は少なくとも1950年代以降のバイロイト実況くらいの音質でないとうぐいすにはダメなのかな?と一時は思ってしまいました。

しかし、もうひとつ、昔から気になっていた録音があったのです。戦前のワーグナーの録音がホントに自分に合わないかどうかはそれで判断しようと思いまして。
それが今回取り上げる、ラインスドルフ/メトの「ワルキューレ」、何種類かあるうちの1941年のものです。

この演奏、ヴァルナイの伝説的なメト・デビューの舞台なのです。
1941年12月6日、当日出演予定だったロッテ・レーマンの代役として、急遽リハーサルなしでジークリンデを歌い、大成功をおさめたものです。
その話も興味がひかれましたし、ジークムントがメルヒオール、ヴォータンがショル、ブリュンヒルデがトローベルと、伝説的な歌手が揃ってることもあり、それも含めて聴いてみたかったのです。

実際に聴いてみると、録音は意外と悪くなかったです。鑑賞に十分たえうるレベルでした。

しかも、何にびっくりしたって、ラインスドルフ/メトが期待以上に素晴らしい!
なんと生命力にあふれた演奏でしょうか。
1幕の冒頭から非常に速めのテンポで圧倒的な迫力で迫ってきます。
リズムの処理も非常にキビキビしてまして、緊張感の溢れる演奏です。
1幕コーダも素晴らしい追い込み方で、最後の音のタメもばっちり効いてます。
3幕のワルキューレの騎行もオケの部分のみなら最高、ヴォータンの告別の歌に突入する際の爆発力も凄まじさの極みです!

今までメトの「指環」というと、うぐいすはレヴァインのものを知るのみだったのですが、あんなフニャフニャした演奏とは大違い!
戦前のメトはなかなか情熱的な演奏してたんですね〜。

歌手では、やはりヴァルナイが最高ですね!
やはり、やや若やいだ声ではありますが立派な歌ですよ!
こりゃホントにリハーサルなしで出たんですかね・・・もちろん、普段からレパートリーとして練習はしてたんでしょうが、それにしても素晴らしすぎる!
ヴァルナイにしては高音が強調された歌ですが、やはりそれは役柄のせいでしょうかね。やはりヴァルナイはブリュンヒルデの方があってるのかも。
ちなみにこの6日後、トローベルの代役でブリュンヒルデをやったそうです(笑)。

メルヒオールのジークムントもすごいです。
1幕の真中でひとり残されたあと、父親に対して恨み事を述べていくところがあるのですが、ここの「ヴェ〜〜ルゼ!」と叫ぶところ、気が遠くなりそうな伸ばし方ですね。この人、どこまで息が続くんだと思わせるような歌でした。
こんなに長く引っ張ってる歌い方って、他にあんまり知らないんですが。
他、1幕通じて圧倒的な声量で歌い続けていて圧倒されますね。

1幕だけ何回も繰り返し聴いてますね。
素晴らしい!

あと、他に意外だったのはヘレン・トローベルのブリュンヒルデ。
この演奏のブリュンヒルデはなかなかいいですよ!
声が高音部も伸びがあって、2幕の冒頭の「ホーヨートーホー」や3幕最後のヴォータンの告別の歌が出てくる前の、ヴォータンへ自分の周りに炎をめぐらすことを嘆願する部分など、素晴らしいです。
そう言えば、この方の名前が付けられたバラがあるんですねえ。
ネットで経歴を調べようと思っても、このバラの話はいっぱい出てくるのですが、この方そのものの話はあんまりなくって、どういう経歴をたどってきたかよくわからなかったです(苦笑)。
他には、トスカニーニとの録音が有名なようですね。

逆に、ショルのヴォータンはその貫禄ある歌には感心しましたが、若干違和感も覚えましたかね・・・音程とかが不安定に聴こえるときがありまして。
まあ、これも役を演じているための自身の演出なのかもしれませんけど。
2幕の昔語りや3幕でブリュンヒルデに罰を言い渡すところとかの迫真の演技は凄いです。

他、3幕冒頭のワルキューレたちはイマイチかな・・・。
バックのラインスドルフ/メトは凄まじい音楽を展開してるんだけどな〜。
でもここの部分、ワルキューレすべてがどれもすごい感じでまとまってる演奏って少ない気もしますが。そう考えると、ショルティのCDはこの「ワルキューレの騎行」は凄かったですね。ワルキューレたちの歌にムラがなくって。
(音響効果もすごかったですが)
ライヴでここがすごかったのは、ベーム/バイロイト盤かな。

総合的にはこの演奏、かなり良かったです。
やはり録音状態で、聴きたいところが聴ける音質になっていることは大きいですね。
この演奏は楽しめました。
たぶん今後、何回も聴くんじゃないかな、と思います。


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コメント(3件)

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うぐいすさま お早うございます。

私もこのCD、昔に買って持っています。夢の競演のようなメトの公演、ラジオ放送からCD化されたようですね。米◎はあまり好きな国ではありませんが、こういう文化遺産を大切に保存していることに関しては、頭が下がります(豊かであったということかもしれませんが〜)。

この公演での、ヴァルナイさん、メルヒオールとも素晴らしいですよね〜。ヴァルナイさんはジークリンデを歌って、自分に合わないと思い、ブリュンヒルデに役を変えたとか〜。
メルヒオールさん、「ヴェールゼ〜」と歌うところは圧巻ですよね。ショルティは、8分の9ではなく、8分の10で歌っている、ちょっと嫌みを書いていますが、あの声を越える声はいまだに聴いたことがありません。

ラインスドルフ(トスカニーニの推薦でメトに出たそうです)の棒も素晴らしいですよね〜。
<続く、爆〜>
私も、どこかでブログに書いていると思います〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/03/22 08:10
<続きです>
ショアさんは、全盛期を過ぎていたようですね。ザルツブルクのマエストロ・トスカニーニの「マイスタージンガー」でも当初は出演予定であったそうですが(1938年頃だと思うのですが)、声がやはり弱いということで、役を降ろされたようです。
メトの「マイスタージンガー」1936年、それにドリームキャストの40年の録音では、フラグスタート、ロッテ・レーマン、メルヒオール、ショア、リストなどが出ているCDでは、良い歌を歌っていますよ。
30年代が全盛期であったように思います。アリア集も、私は持っていますが、それを聴くと、これまでで最高のヴォータン、ザックスと今でも言われていることが、ある程度納得できますよ〜。

ミ(`w´彡)

rudolf2006
URL
2009/03/22 08:15
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

そうですか、ショルは全盛期を過ぎていたわけですか。それで納得しました。確かに、ボダンツキー/メトの「ジークフリート」を聴いた時はあんまり違和感は感じなかったんですよ、っていうか、すばらしいなあと感心したのです(笑)。ただ、1幕のミーメとのやりとりとかは録音状態が安定してないのと音が引っこんだ感じもあり、集中できなかったんです。今度アリア集あたりを狙ってみましょう。

他のキャストも素晴らしかったのですが、何といってもラインスドルフ/メトの演奏には驚きました。キビキビとした音楽の勢いも凄まじいですが、盛り上げ方もツボをおさえてますね。トスカニーニの推薦で、というのはなんとなくうなづける気がします。これは1940年のもなんとなく買ってしまいそうな気が・・・(爆)
うぐいす
2009/03/22 11:46

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