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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番「月光」:シリーズテーマ(1)<PA-239>

<<   作成日時 : 2009/05/15 23:36   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 6

今日もいい天気でした。昨日は暴風と言ってもいいくらいの強風が吹きまくってましたが、今日は風もあまりなくカラッとした空気で過ごしやすかったですね!
さて、今回エントリーはベートーヴェンのピアノ・ソナタ第14番、有名な「月光」ですね。

この曲は13番と一緒に作曲されていて、作品27ということでまとめられています。「月光」は作品27-2です。
これも13番と同じく1801年ごろに作曲されたようです。

「月光」という標題は作曲者がつけたわけではなく、ベートーヴェンの死後にルートヴィヒ・レルシュタープが第1楽章について「ルツェルン湖の月光の波に揺らぐ小舟のよう」とコメントしたことに由来してます。

実はこの曲、中学生くらいのときはあんまりいいと思ってなかったのですよ。この頃はもっと刺激の強い曲に興味がありましたからね〜。
そもそもピアノ・ソナタをあまり聴かなかったような気がします。
大学に入ってからこの曲も結構好きになりました。それでも弦楽四重奏曲の方が好きで、ベートーヴェンのピアノ・ソナタをこんなに集中的に聴くようになったのは、ここ1年くらい(爆)じゃないかなあ。

第1楽章 嬰ハ短調。複合三部形式
終始右手(たまに左手)で三連符のリズムを刻んでいきます。それにのって幻想的に旋律を奏でています。

第2楽章 変ニ長調。複合三部形式
やわらかく、優雅ささえも感じさせる雰囲気のスケルツォ楽章です。
深刻そうで幻想的な1楽章が終わった後にこの楽章がくると、ホッとしますね。

第3楽章 嬰ハ短調。ソナタ形式
劇的で激しい曲想ですね。これ、楽譜見ながら聴いてると目が回りそうになってしまいます(苦笑)。
この分散和音の上昇後の頂点でのスフォルツァンドが効いてますよね。
この楽章、大学時代にオケのとある先輩がよく弾いてたんだよな〜。
フラストレーションを発散させるような感じで、ちと苦手な演奏でした(苦笑)。

さて、それでは各演奏についてです。

バックハウスは「月光」の場合、新盤が意外と(笑)いいですね。この枯れて落ち着いた味わいがこの曲に合ってるように思います。
思うんですが、実はバックハウスの新盤って、初心者に薦めちゃダメなんでは?と思ったりして。
ある程度ベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きこんだ人が聴かないと、その味わいってわかんないかもしれません。
初心者の方はグルダみたいにキラキラした演奏から入った方がわかりやすいんじゃないかな〜・・・
まあ、それはともかく・・・え〜っと、いままで新盤にはいろいろケチをつけてきましたが、「月光」は結構好きですね(笑)。

一方で、バックハウス旧盤はやはり覇気がありますし音楽も流麗な感じですね。ルバートも自然。新盤よりも少し動的かな。
3楽章あたりになると多少力強さが新盤とは違いますが、それよりも音楽の流れが動的で技巧が安定してるところの方が印象的ですね。
新盤とどっちがいいかというと、こりゃ好みかな(笑)。実を言うと、うぐいすには珍しく「月光」の場合は旧盤よりも新盤の枯れた感じの方が好きかも。旧盤の方が技巧的に安心して聴けますが、何か、物足らないのですよ。

R.ゼルキンは相変わらずがっちりしてますね!この構成感と重厚さはやはり立派です。
1楽章はしっかりしたタッチと同時に幻想的な雰囲気も併せ持っています。1楽章だけを取り上げるなら、ケンプとこの演奏が一番好きですね。
あと、3楽章が多少軽い感じがしないでもないですが、この楽章は打鍵が強すぎると落ち着いて聴けませんので、これはこれでよいかなあとも思います。

ブレンデルもお気に入りの演奏です。普通に何気に聴く分にはいい演奏だと思うのです。ただ、「月光」は名演がひしめいていまして、その中では少々印象が若干薄い感じもします。
えっ?それなのに、なんでお気に入りなのかって?それが不思議なことに、聴いていて飽きないのですよ(笑)。
曲を理知的に端正に進めていく感じで、佳演とは思うのですが、特筆すべき名演かと言われると、そういうわけでもないのかもしれません。
でも、最近のうぐいすは「月光」に劇的な要素を求めてなくって、さりげない感じで音楽を端正に進めていく感じが好きなのですよ。

ナットは全曲通して速めのテンポですね。1楽章も結構速めのテンポで進みますが、幻想的な味わいも損なわれてません。
3楽章も、曲の構成は崩さずに情熱的に曲を進めていきます。
結構いいのです。でも、「月光」はもうちょっと落ち着いた味わいの演奏が個人的には好きなので、聴く機会はちょっと少ないです。

グルダは1楽章、ずいぶんとじっくりと歌ってます。この1楽章もなかなか味わいがありますね!2楽章もしっとりとした表現で進めていきます。
3楽章も悪くないんですが、これもナットと同様、少々動的。しかも華麗な音色がグルダらしいんですけど、うぐいすにはもうちょっと落ち着いた感じの演奏がいいかも。

ギレリスのは、以前ブログエントリーしましたね!
その時と感想は変わってないです。
1・2楽章の透明感のある、澄み切った音色がいいですね。3楽章は例の「ド〜ン」とくる強靭な打鍵がちと苦手。
ライヴの方はさらに強靭!(爆)

ケンプは1・2楽章が絶品です。と言っても、何か変わったことしてるわけではありません。っていうか、あたかも何にもしてない「よう」に聴こえます(笑)。
この淡々と弾いている感じがなんとも言えず、すっと心に入ってくるのです。2楽章も軽やかで洒脱です。
しかし・・・ブレンデルがケンプのことを評して「ケンプはエオリアンハープだった。ただし正しい風が吹いたときには」と言っていたそうですね。
この月光を聴いていると、1・2楽章は良い風が吹いてますが、3楽章ではうまく風が吹かなかったようです(爆)。正直、3楽章はちょっと聴いていてつらいかな。でもその奥にある音楽は相変わらずケンプそのものだと思うのですけどね。

ソロモンは実は嫌いではありません。
1楽章が非常に遅いのですが、聴くときの気分次第で印象が変わるのですよ。
じっくり聴きたいときとか、この遅さにどっぷり浸れれば最高ですね。しかし・・・気軽になんとなく聴きたいときはこの遅さがちょっとツライのですよ。2楽章の軽やかな表現や、3楽章のタッチの力感もいいですね。

シュナーベルは速めのテンポです。時折ルバートも使って進めていきますが、厭味な感じではないです。洒脱な雰囲気でいいのですよ。1楽章は幻想的な雰囲気も過不足ありませんし、2楽章もデュナーミクが自然で、おしゃれな感じでおもしろかったです。
3楽章なんですが、この楽章もテンポが快速です。で・・・最初はそうでもないんですが、曲が進むにつれてまた弾き崩してる感じが・・・
う〜ん、シュナーベルのベートーヴェンって、素直に全楽章いいなあ、と思うのがなかなかないのです。くどいですが、1・2楽章は素直にいいと思います。

あと・・・グールドは相変わらずユニークですが、これだけは受け入れられないかも(笑)。
もう、一般的な「月光」に対する印象を吹っ飛ばすような超快速演奏。しかも幻想的な雰囲気はまるで皆無(笑)。
「月光」の名前に由来するイメージはなくていいんですけど、ベートーヴェンが意図した「幻想風ソナタ」のイメージは崩して欲しくないかも・・・
まあ、2楽章は軽やかでおもしろいですが。
3楽章はこれまた、一気呵成に引き飛ばしている感じですね。
とにかく、グールドのベートーヴェンはちょっと普通と違う聴き方をしないといけないかもしれません。

以上のまとめです!
お気に入りの演奏は、バックハウスの新・旧盤とR.ゼルキン。あと、ブレンデルも好きです。
次点はナット、グルダでしょうか。
それからギレリスとケンプは1・2楽章が(違う意味で)絶品ですね。
ソロモンは1楽章だけ聴く時を選ぶということで留保つきかなあ。
シュナーベルは3楽章だけがちょっと・・・

あれ?意外と好き嫌いがあるかな?(爆)
あらためてお気に入りの演奏を見てみると、どれも劇的というわけではなく、どちらかというとガチっとしてるか端正な感じですね。「月光」は曲そのものが非常によくできてるので、演奏が劇的だったり、ロマンチックだったり、恣意的な感じのものはやりすぎに聴こえてしまってツライんですよ。
曲そのものに語らせるような演奏がいいかなあ。

てなわけで、今回は14番を聴いてまいりました。
やっとここまできましたね。でもまだ半分にもいってないんだよな〜(苦笑)。はたしてこのシリーズ、いつ頃完結できるやら・・・


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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます

ベトベンのピアノ・ソナタのシリーズ、第14番まで来ましたね〜。いつも楽しみにしています〜。
うぐいすさんのコメントを読んでいると、あたかもその演奏を聴いたかのような感じを受けます〜。

今朝は、ナットの演奏を聴きながら、このコメントを書いています。
このソナタはほとんど聴いていません。どうしてなのでしょうか?分かりません、爆〜。

真面目に聴いてみると、やはり良い曲ですよね。ナット盤は、1楽章の付点のリズムのリズム感が良いなと思いました。

シュナーベルは聴きたいと思っていますが、なかなかです。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/05/16 08:08
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。

ナットの演奏もいいですね。当ブログはうぐいす個人の好みをつらつらと書いていますので、今回あえて次点としてますが、人に「月光」の演奏を薦めるときはナットとグルダが最適かもしれません。この二人のベートーヴェンは演奏の様式が違うものの、やっぱり音楽が馴染みやすいというか、わかりやすいんじゃないかな〜と思うのですよ。

rudolf2006さんは最近シュナーベルがお好きなようですね。うぐいすはベートーヴェンのソナタしか知らないのですが、これは激しい楽章においては好みが分かれる演奏かな〜と思います。でも緩徐楽章の溢れるほどの詩情は絶品だと思います。
うぐいす
2009/05/16 11:30
こんにちは。
えーと、第一楽章は、自由なソナタ形式と考えることもできます・・・。
(揚げ足取るみたいでスミマセン!)
拙HPでアナリーゼ(?)と言えないような解説を書いてます。
よろしければ御笑覧のほど・・・。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kisohiro/moonlight.html
木曽のあばら屋
URL
2009/05/16 21:19
木曽のあばら屋さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

HP拝見いたしました。あの、幻想的な曲想を漠然と追っているとあんまり形式のことは意識しなくなってしまうのですが、HPを見た後にまた楽譜とにらめっこして聴いてみるとなかなか面白いですね〜。ソナタ形式と言われればそうともとれるかもしれません!

主部や主題の対象範囲をどういうくくりにするかがミソですね。三部形式と言いつつ、中身を細分化してカテゴリー化するといろいろな見方ができますねえ。第1主題と第2主題をあそこで切って考えるとは思いもしませんでしたし、考えてみたら最初を序奏と考え、最後の部分をコーダとしてみる方が三部形式と考えるより自然でしょうか?
もっとも、曲を素直に聴いた結果としては、ソナタ形式の面白さよりも幻想的な自由さの方が個人的には印象が強いんですが、意識しないだけで、実は隠された効果があるかもしれませんね!非常に面白かったです。
うぐいす
2009/05/16 21:55
またまたバックハウスが登場しましたね。
以前にもお話しましたが、私の場合は晩年に近い演奏が好みなのですよ。この月光もステレオ盤が好きですね。
更には1968年ザルツブルクでのライブがオルフェオから出ていて、第1楽章のファンタジーは正に白眉だと思います。
ハルくん
URL
2009/05/23 21:16
ハルくんさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

「月光」のような曲は、うぐいす個人的にはバックハウス新盤のような達観した演奏に惹かれます。曲自体がおもしろくできているので、演奏であんまりいじって欲しくないのですよ。バックハウス新盤の演奏、曲そのものに語らせるかのような味わいがいいですね!
うぐいす
2009/05/23 22:45

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