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zoom RSS フォーレの弦楽四重奏曲:パレナンQ<PA-249>

<<   作成日時 : 2009/06/18 22:46   >>

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さて、今回はフォーレの作品を。
フォーレの曲の中ではうぐいすが一番好きな弦楽四重奏曲作品121です。

この曲はフォーレ最後の作品ですね。
作曲は1923〜24年。初演は作曲者の死後1925年6月12日にフランス国立音楽・演劇学校で行われています。
フォーレはこの作品を弟子に見せて、「君がよく見て、おかしいところがなければ発表してくれ」と頼んだとのことです。

構成もまた素晴らしいですね。対位法を駆使しながら、余分な贅肉をそぎ取ったような枯淡の極致の曲です。
とてもとても深い、諦念のこもった幽玄の世界。最晩年の傑作ですね!

第1楽章:Allegro moderato
この楽章の主題は、初期のヴァイオリン協奏曲の主題を用いているそうです。
ヴィオラのとても諦観のこもった旋律をチェロが追いかけ、ヴァイオリンがそれにこたえるように現れます。この対話がまた絶妙です。その後も、フォーレ特有の音の浮遊感や、流麗で見事な対位法的な絡みに身を委ねてしまうわけなのですが、一方、時折刹那的だったり、自分がいまどこにいるのかわからなくなるような不安感に埋没してしまい、体が崩れ落ちていきそうな危うさみたいなものも感じますね。
なんともいえない白昼夢のような世界です。このフワフワ感がたまらんのです〜。

第2楽章:Andante
これもまた諦観に溢れた楽章ですね。
ヴァイオリンによる第1主題の提示、その後チェロでも提示されます。ここら辺、とても穏やかな晩秋のある日に、家の庭で老人が日向で佇んでいるような風情です。続く第2主題はまずヴィオラで提示されて他の楽器で受け継いでいきます。
これがとても哀感があって素晴らしいですね!
第3主題は半音階とシンコペーションに特徴のある、少し動きを感じる旋律ですね。
とにかく、穏やかで哀感のある楽章です。

第3楽章:Allegro
少し勢いというか活気が感じられるようになりますが、諦念のこもった曲想はあくまで変わりません。
主題がチェロからヴィオラ、ヴァイオリンと順次受け渡され、滔々と流麗な旋律が流れていきます。ピチカートがとても効果的に使われてます。
この風情はなんと例えたらいいんですかね。
憂愁の秋の夕暮れに小川に佇んでいるような感じでしょうか。
最後のキメはうぐいすがこの曲中でもっとも好きな部分です。
とにかくカッコいいですよね!

さて、演奏についてです。
フォーレの室内楽というと、うぐいすが大体聴いているのは1960年代から70年にかけてエラートに録音された、ユボーやヴィア・ノヴァQをはじめとするパリ音楽院の教授達が参加している演奏です。
さらにもうひとつ、70年代後半に録音されたコラールやデュメイなどが参加しているEMI盤ですね。

ほとんどの曲は前者のエラート盤を取り出すことが多いですかね。
フォーレの音楽を知り尽くした端正で品の良い、まさしく「エスプリ」と言えるような演奏です。
EMI盤の方は当時の若手中心に編成されたメンバーということもあり、覇気があって、非常に華やぎのある演奏になっています。なので、若いころに書かれたヴァイオリン・ソナタ第1番などはこちらの方が聴く機会が多いかな。一方で、たとえばピアノ四重奏曲やピアノ五重奏曲あたりは活き活きとしすぎて、落ち着かない感じがしてしまいまして・・・
もちっと穏やかな方がいいかなあ・・・と思う場合もあり、ここらの曲はエラート盤を取り出すことが多くなっていました。

しかし、フォーレの弦楽四重奏曲に限っては、エラート盤のヴィア・ノヴァQよりもEMI盤のパレナンQの方を取り出すことが多いのです。

ヴィア・ノヴァQのも悪くないというか、端正でまさしく気品のある名演なわけなのですが、この曲に関してはパレナンQの陰影に富んだ彩のある表情が実に絶妙に聴こえるのです。

1楽章冒頭のヴィオラからもう、(決して優劣とは違う意味で)その音色の差は歴然です。
2楽章・3楽章も表情豊かに歌いこまれています。3楽章最後の最後で大見得を切るかのような曲想も非常にカッコよくっていいですね!(笑)

パレナンQのは水が滴るような潤いのある艶っぽいロマンチックな音色ですね。
これを表情つけすぎととるか、ヴィア・ノヴァQの方を淡白ととるかはもう好みだと思います。うぐいすの場合はやや、パレナンQの方が好みなのです。

曲が諦観の漂う渋い渋い曲なので、ヴィア・ノヴァQのような端正で枯淡、しかもどこか「こう演奏すべき!」というような意志を感じて襟を正してしまう演奏も悪くないのです。
でも、パレナンQのような水の滴るようなロマンチックな音色で演奏されると、純粋に泣きそうになってしまうのですよ(苦笑)。
まあ、楽しみ方が違うというところなんでしょうか。

この弦楽四重奏曲はフォーレの曲の中では比較的頻繁に聴いてるかな。
やっぱりフォーレは晩年の曲が好きなのです。
やっぱりネクラですかね?(爆)



フォーレ:室内楽曲全集V
EMIミュージック・ジャパン
2006-11-22
コラール(ジャン・フィリップ)
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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさん、こんばんは!
フォーレの弦楽四重奏曲、とても魅力溢れる曲ですね。うぐいすさんが挙げられたパレナンとヴィア・ノヴァ以外の演奏を聞いた記憶がありませんが、それだけエヴァー・グリーン的な存在となっているのでしょうね。
この二つの演奏はいずれが菖蒲で杜若ですが、この印象があるだけに、ヴィア・ノヴァのラヴェル&ドビュッシーには驚かされました。
http://arturr.at.webry.info/200806/article_8.html
凛虞
URL
2009/06/19 23:28
うぐいすさま お早うございます〜

フォーレの遺作となった弦楽四重奏曲
、独特の味わいのある曲ですよね〜。うぐいすさんがブログに書かれましたので、聴こうと思いました。
私はパレナンのものしか持っていません。
この味わいは、フォーレの独特の世界ですね、他では味わえないものでしょうね〜。フォーレの弦楽四重奏曲はたったの1曲しかないのですが、それで他の作曲家の多数の曲と対峙できている感じがします。
人間の心の奥底に届くような曲だと思います〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/06/20 08:00
凛虞さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

フォーレの弦楽四重奏曲は好きな割にはパレナンとヴィア・ノヴァしか聴いてないです。この2種類を聴いているだけで結構満足してしまうのです。端正である意味抑制された形式美を感じるヴィア・ノヴァと、ハメは外さないものの非常にロマン的なパレナンといった具合に、方向性が違うものを聴けるのがいいのかもしれません。しかし、ヴィア・ノヴァのドビュッシー/ラヴェルはフォーレとそんなに演奏内容が違うんですねえ。お話を伺って、今まで持っていたヴィア・ノヴァへの印象が少し変わりました。ご紹介のドビュッシー/ラヴェルも聴いてみたいと思います。
うぐいす
2009/06/20 14:19
rudolf2006さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。

フォーレの弦楽四重奏は独特ですよね!まさしくフォーレ晩年の幽玄的で諦観が漂う名品でうぐいすは大好きなんですよ。フォーレとしてはピアノの入らない室内楽曲はこれ一曲のみのようですが、ある意味メリハリのあるピアノの音色が入らない分、幽玄的な世界がさらに増幅されて孤高の世界になってますね。

パレナンのフォーレはいいですね〜。なんというか、曲は渋いんですが、演奏が非常に情念のこもったロマン的な音色なので、達観した風情と同時に若い頃の恋人との甘い思い出と苦い経験を同時に回想しているような趣もありますね。
うぐいす
2009/06/20 14:20

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