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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番「テンペスト」:シリーズテーマ(1)<PA-262>

<<   作成日時 : 2009/08/02 20:41   >>

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本日は激しい雨でしたね。ちょっと車でブラブラしましたが、そのあと部屋で音楽聴いてました。
さて、今回は久しぶりにシリーズテーマに戻りましょう。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第17番、有名な「テンペスト」です。

作曲は1802年、16〜18番の3曲が作品31としてまとめて出版されました。
この「テンペスト」は作品31-2となります。
この曲は、特に第3楽章が有名ですね。

「テンペスト」という名前、弟子のシンドラーがこの曲の解釈について尋ねたとき、ベートーヴェンが「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と言ったとされたことかららしいです。

まあこの話、ネットでちょっと検索するだけでいっぱい出てくるんですが、実はこのシンドラー、結構な食わせ物のようで・・・
この人、ベートーヴェンの伝記を書いた人らしいですが、ベートーヴェンとの会話を記したメモが捏造されたものだということが明らかになっています。また、生前のベートーヴェンとの関係も誇張されているようで、現在ではこの伝記の信憑性には疑問がもたれているらしいです。
そもそも彼のことを弟子と言っていいのかどうなのかも「?」。

まあ、そんなこんなで上記の逸話の信憑性はわかりません。とりあえずあんまりシェイクスピアの方は意識しない方がいいかもしれません。

1楽章と2楽章は最初の出だしが似てますね。そう言う意味では共通性はあるのでしょうが、性格はずいぶん違いますね。1楽章は中身はかなり劇的な展開になっていきますが、2楽章はずいぶんと落ち着いた佇まいで進行していきます。
まあでも、両楽章とも幻想的な雰囲気が支配的なところは共通性があるかもしれません。
一方3楽章は、前2楽章とは趣がガラッと変わりますね。短いパッセージを情熱的に連綿と綴っていきます。まあ、曲想は幻想的ではありますね。

今回も持っている演奏は一通り聴いているのですが、これは実は好みがはっきりしていまして。
全体として素晴らしいと思ったのはギレリス、3楽章が特に絶品なのがケンプです。
はっきり言って、他の演奏はあんまり聴かないのです。

上記2種の何がいいのかって、あんまり激情的じゃないのがいいのです(爆)。
うぐいすは「テンペスト」はあんまりガチャガチャ弾くタイプの演奏は苦手です。沈潜とした、幻想的な演奏や詩的な演奏が好きなのです。

ギレリスは若い頃のガンガン鳴らすようなフレーズは一切なし。すごく音楽の深いところまで澄み切った音色で表現しています。最初から最後まで安心して聴けるのですよ。
あと、ケンプは、1・2楽章がやや訥々としてる感じはあるんですが、3楽章がもう絶品です。これまた自然体ですんなり心に入ってくるのですよ。
3楽章だけ聴くんだったら、うぐいすは断然これかな。

書きながら思い出したのですが、「テンペスト」は以前ブログで取り上げてましたね。

誤解してたなあ・・・透明にして繊細!ギレリスの「テンペスト」<PA-138>


以下、他の演奏について。
リヒテルはスタジオ録音と、ライヴ('65)を持ってます。スタジオ録音(EMI)の方が世評の高い演奏ですが、うぐいすはライヴの方が面白かったです。
これはなかなかの名演とは思いましたが、でも両者とも基本的にはリヒテルを聴く演奏かと。
ブレンデルは1・2楽章とかは悪くないのですが、3楽章に些細な部分ですがちょっとわざとらしい奏法があったりしてのめり込めなかったです。全体としてはそんなに嫌いではないですが・・・
シュナーベルは2楽章が絶品ですが、やはり弾き方についていけない部分があるかなあ。
バックハウスの(新)(旧)共に同じ印象で、テンポが落ち着かない感じです。
グルダはテンポが速すぎてこれまたおいてけぼりくらってしまいました。
グールドは個性的すぎますね。1楽章は遅すぎ、3楽章は速すぎ。
ソロモンは悪くはないのですが、これもちょっとうぐいすには劇的に過ぎますかね。
ナットは強奏するところがビンビン鳴りすぎるところが耳についてしまいます。

まあ、CDに対する感想はこんなところなんですが、実は前回の16番の時にもちょこっと書いたんですが、CD以外で「これは!」と思うものを観て(聴いて)しまいまして。
それはケンプがこの曲を弾いている動画なのです。
(下記のURL。別ウィンドウで開くようにしました。)

Beethoven's Tempest Sonata mvt. 3 -- Wilhelm Kempff

一応3楽章のみリンクしましたが、1,2楽章も絶品なのです。
ネットを徘徊すると、この画像を自分のブログにリンクしている人が結構いるんですよね〜。
ちなみに27番も動画が登録されてますが、これも絶品です。技術的なところを気にされる方にはダメかもしれませんが。

この動画を観た後に同じケンプでもCDの方を聴くと、フォルテとかちょっとやりすぎに聴こえてしまうから不思議です(笑)。
この動画、技術的には時々音外したりとか、表現も何も特別なことはしてなくて自然に弾いているだけなのに、なんとも味わい深くて感動してしまいました。
また弾いてるときの姿がまたいいですね。鍵盤を見ずに、夢見るような遠い目で弾き進めている風情がすごく幻想的です。
映像の構成として、時折出てくる観客のアップはちとウザいですが(笑)。

ケンプは不思議なピアニストです。技術的には完ぺきではない(音を外したり、指まわりが不器用な感じがあったり)のですが、音楽の表現がとても詩的で心に沁み入るのです。

ということで、以上がうぐいすの「テンペスト」の好みなわけですが、この曲に劇的な要素とか疾走するような激しさを求める方にはギレリスとケンプは物足らないかと思います。
そういう演奏というと、やはりリヒテルとかソロモン、もしくはグルダあたりがいいかもしれませんね〜。



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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます〜

「テンペスト」まで来ましたね〜。シントラーの証言は嘘くさいんでしょうね、きっと色々な証言をすることで自分を大きく見せたかったのかもしれませんね〜。

ケンプの演奏、動画ですが、久し振りで聴きました。なかなかの演奏ですよね、技術的な問題点はまったく感じませんでした(音と映像はずれているようですが)。
ギレリス盤は、私のブログでも取り上げました。ギレリスが至った境地は素晴らしいものだと思います。
やはり、リヒテルの演奏はリヒテルを聴くものなんでしょうか?私も、リヒテルのシュベルトを聴いていて、同じような印象を受けました〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/08/03 06:12
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとございます。おかげさまで、このシリーズもなんとか「テンペスト」まで来ました!

ケンプってやっぱり不思議な魅力がある人で、うぐいすには大体どの曲も第一印象はそんなによくはない(笑)のですが、何回か聴いてみるとなんとも言えない味わいが感じられるようになってきます。なんか訥々と一音一音丁寧に紡いでいく感じがいいのですよ。

ギレリスの「テンペスト」は言わずともおわかりのように素晴らしい演奏ですね!リヒテルはたとえばベートーヴェン初期の作品などを聴くと、どうにもロシア的というかグランドスタイル的というか、その力強さがちょっと違うかな〜と思ってしまうのです。「テンペスト」はリヒテルの奏でる弱音の幻想的な性格とかにあっている気もするのですが、それでもちょっとダイナミックな曲想になるとちょっと違う気がしてしまいます。まあ、これはあくまでうぐいすの好みであって、この演奏自体は否定するつもりはないんですが。
うぐいす
2009/08/03 22:18
うぐいすさま こんばんは。

久しぶりに良いものを見せていただきました。ありがとうございます。私にとってテンペストはケンプが最高無比です。第3楽章の高まる思い、あふれる感情、心の中は涙滂沱です。この曲をこんなふうに弾いてほしいと思うそのものの演奏です。ドイツのピアニストはベートーヴェンをこんなふうに弾くのです!という言葉を思い出します。ポリーニやブレンデル、残念ながら現在のアシュケナージには求めても得られないものですね。ブレンデルにはがんばってほしいのですが…。

番外編で評論家のU氏大絶賛のハイドシェックのライヴがおもしろいと思います。別の日の演奏を聴いたことがありますが、非常にお洒落でした。


ezorisu
2009/08/04 21:24
ezorisuさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

リンクの動画、気に入られたようで何よりです!って、私がアップしたわけではないのですが(爆)。しかしそれにしてもこの動画、うぐいすも初めて見た時は泣きそうになったのですよ(笑)。決してがなりたてることなく疾走もせず、ただひたすら詩的で幻想的な雰囲気を醸し出してますね。とても人間的な温かさも感じられる演奏です。おそらく現代のピアニストでこんな表現できる人はいないんじゃないでしょうか。

うぐいすにとってハイドシェックは、聴こう聴こうとおもいつつ、意外と聴く機会がなかった演奏家ですね〜。いつか聴いてみたいです。
うぐいす
2009/08/05 22:12

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