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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第21番「ワルトシュタイン」:シリーズテーマ(1)<PA-322>

<<   作成日時 : 2010/06/27 21:55   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 2 / トラックバック 0 / コメント 10

今日も蒸し暑かったです。
もうクーラーなしに生活できませんね〜(笑)。
今日は一日のんびりと音楽聴いてましたよ。
また明日からはしばらくブログ書けそうにないので、昨日に引き続き一気に今日もエントリーしてみたいと思います。

さて、最近はブルックナーやマーラーばっかり聴いてましたが、ちょっと気分を変えて、今回は久しぶりなシリーズテーマです。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第21番、いわゆる「ワルトシュタイン」を昨日・今日と2日間、持ってる演奏を一気に聴いてみました。

この曲はベートーヴェンの中期作品群の中でも有名なものです。
作品番号は53、作曲年は1803〜4年です。この通り名でわかるように、ベートーヴェンの後援者の一人、ヴァルトシュタイン伯爵に献呈されてます。

この曲は一応3楽章構成ですが、2・3楽章は連続して演奏されます。
1楽章は連続打音にのって提起と応答のメロディが現れ、その後に流れるような音階、その後一息ついたと思うと勇ましいベートーヴェン特有の音の跳躍やシンコペーション、三連符から16分音符の連続打音への推移と、とてもめまぐるしく音楽が流れていきます。
この楽章を聴くだけでも、この頃のベートーヴェンの充実した作風を堪能できますね。
実に生命力の溢れる楽想です。

2楽章は一転して短めのアダージョ楽章。これは初演の時に長めの楽章を設定していたものの、まわりの評判があまりよくなかったので書き換えたみたいです。
動的な1楽章に対して静的な2楽章、この配置が実に効果的です。
続く3楽章は実に堂々とした音楽になってます。何気に聴いていると聴き流してしまいますが、楽譜を見ると結構すごいことやってますね。三連符の上昇下降、コーダのところの弱音での音階とか、めまぐるしく音が動いてます。

さて、それでは以下、聴いた演奏の感想です。

ギレリスはとても透明感のある音で落ち着いた味わいがあります。
静的な部分はひんやりとした静謐な雰囲気が漂ってはいますが、その繊細な音楽とダイナミックな音の使い分けなど、やはりうまいですね。
鋼鉄のピアニストなどと言われてましたが、この演奏は硬軟を織り交ぜた、バランスのよい演奏と思います。

R.ゼルキンは手堅いです。曲の勢いで聴かせるのではなくて、遅めのテンポで実に堂に入った演奏で、鋼のようなとても強い意志のようなものを感じます。
この曲の場合は、ギレリスよりもむしろR.ゼルキンの方が「鋼鉄のピアニスト」といった趣があります。
3楽章冒頭の夢見るような弾き出しから次第に力強いタッチで堂々とした音楽が現れてくる様はなかなか圧巻です。
(追記:2010.06.29)あらためて聴きなおしましたが、最初に書いたとおり確かにガッチリはしてるんですが、実に瞑想的というか、幻想的でファンタジックな世界も醸し出してますね。実にスケールが大きくてロマン的でもあり、ギレリスと同じくらい気に入ってしまいました。

バックハウスはこの曲の場合、新盤よりも断然旧盤がいいです。
とてもイキイキとした1楽章、あまり大げさにならない2楽章、力強い3楽章とすごく自然に聴けます。
新旧盤に共通しているのは、あまり技巧をひけらかすような弾き方はしてなくって、フレーズをとても丁寧に弾いている感があります。
3楽章の最後の方など、他の演奏者と違ってテンポ上げずに遅めに設定して、めまぐるしい音階の羅列をとても丁寧に弾き切っています。

ケンプはあまりがっちりとした感じではないですが、味わい深いです。
とても誠実に弾いている感じです。
技巧的な部分において少し怪しい部分もあります。でも、詩情のあふれる味わい深さは2楽章、そこから3楽章冒頭にかけての部分など、弱音部に威力を発揮していまして、このあたりの表現は素晴らしいです。

ブレンデルの演奏はちょっと変わり種でしょうか。とても思索的で落ち着き払った演奏です。この人の演奏って、いつもどこか静謐な雰囲気が漂っております。
何気に聴くにはこういう演奏がいいかもしれません。

グルダはテンポが速めで、こちらはとても疾走感のある演奏です。
音もキラキラしていて、まさに天才肌の演奏です。

ナットもテンポは快速。ちょっと落ち着きがない感じもしますが、音の出し方は端正な感じですね。しかし、特有の「ド〜ン」とくる強打音は相変わらずの力強さです。

シュナーベルの演奏も早めのテンポ。1・3楽章はナット以上に落ち着かない感じがしますが、才気溢れる演奏ではありますね。
しかしこの人、うぐいすはやはり2楽章が絶品だと思います。
シュナーベルは緩徐楽章がすごいです。こういう音楽やらせるととても詩情あふれる演奏になります。

ソロモンの演奏も早めのテンポで進んでいきます。でも音楽が軽くならないですね。
ナットの演奏をもうちょっと丁寧にして、強音も品が良くなった感じでしょうか。
どこか清潔感みたいなものが感じられますし、バランス感覚も抜群です。


うぐいすは、この曲はあんまりスピーディに進んでいく演奏よりも、曲をガチっととらえて、腰を落ち着けて聴ける演奏が好きです。
そういうガッチリしたスタイルと、透明で美しい響きを併せ持つ点において、うぐいすにとってのベスト盤はギレリスになります。
あと、R.ゼルキンの鋼鉄の意志(と幻想性)や、バックハウス旧盤の勢いがありながらも腰を据えた丁寧な音楽づくりにも好感を持ちます。

また、ケンプやブレンデルのようなしっとりとした詩情の感じられる演奏も結構好きかな〜。上記のガッチリ型とは違う魅力を感じます。
まあ、そこは気分で聴き分けですね。

いや〜しかし、久しぶりにベートーヴェンのピアノ・ソナタを聴きましたが、やっぱりベートーヴェンはスゴイですね。
構成的にスキがないというか、いつ聴いてもガッチリとした縦の作りと横の流れ・展開の素晴らしさには感心します。
このシリーズもなかなか遅々として進みませんが(苦笑)、焦らずじっくり聴いて行きたいと思います。

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コメント(10件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま こんにちは
ちょっとお久し振りです

暑いですね;; 真夏の太陽のようですよ、こちらは夕方から雨になりそうですが〜。

ベトベンのシリーズ 続いていますね〜、私は途中で頓挫しています、爆〜。
「ヴァルトシュタイン」名曲ですよね〜。2楽章の穏やかさから3楽章に移っていくところなど、ゾクゾクしますね〜。
ギレリスの演奏、良いですね〜、この曲は、シュナーベル、グルダ、ゼルキン師、ソロモン、それにフィッシャーの演奏などを聴いていますが、意外ですが、フィッシャーの演奏、かなり良いと思いますよ〜
是非、一度聞いてみてくださいね〜

(*´ω`*)
rudolf2006
URL
2010/06/28 12:03
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
最近は貴ブログへの訪問もしておらずご無沙汰しております。

今日も暑かったです。毎日汗ダクダクですね(苦笑)。特に夕方の蒸し暑さはうだるようでしたよ〜。

ギレリスのワルトシュタインはいいですね。ガッチリとしていて安定感があるし音色も綺麗なので、安心して聴ける感じです。あげられてる演奏ではE.フィッシャーの演奏は聴いたことがないです。最近rudolf2006さんがバッハの平均律を絶賛されてましたね!うぐいすもE.フィッシャーの平均律は好きなのですよ。E.フィッシャーのベートーヴェンというと、フルトヴェングラーと組んだ「皇帝」が有名ですが、ピアノソナタも聴いてみたいです。

それではまた、よろしくお願いいたします。
うぐいす
2010/06/28 22:17
こんにちは。
ワルトシュタインは、単純な音型で展開されているわりに、聴いていて楽しい曲ですね。自分で弾くとなると楽譜が数十ページあるので、量だけでちょっと疲れますが。

私が良く聴くのは、躍動感のあるポミエと、物語りを聴いているようなゆったりテンポのアラウ。
グルダは多分最速ですね。かなり速いポリーニよりもまだ速かったと思います。私には速すぎてちょっとコミカルに聞こえてしまうところが面白いです。本人も、速すぎたから録音しなおした方が良い気もする、なんて言っていたくらいです。
yoshimi
2010/06/28 23:26
yoshimiさん、こんばんは!
はじめまして。コメントありがとうございます。

ベートーヴェンの醍醐味って、音型は単純ながらもそれがどのように構築・展開されてるかなんでしょうね。ベートーヴェンはホントに聴いてて飽きないです。

ご紹介の演奏、グルダ以外は聴いたことがないので何とも言えないですが、それにしても、グルダ本人があの演奏、速すぎたと言ってたんですかあ。本人もちょっと才気に任せてやりすぎたと思ってたんでしょうか。でもあのフレーズのひとつひとつがキラキラ輝いて水が飛び散っているような瑞々しさはさすがだと思いますね。いつも聴くにはちょっと精神状態が追いつかない時もあるんですけど(苦笑)、やっぱり音楽を生き生きと表現できる天才なんだとは思います。

アラウは興味があるんですが、全集があんまり安くならないので買ってないのですわ(笑)。ちょっと財布に余裕ができたら入手したいと思ってるんですが。
うぐいす
2010/06/29 22:30
うぐいすさん
「ワルトシュタイン」は、ベートーヴェンの力強くダイナミックな側面を代表する傑作ですね。私は、鶯さんの挙げておられる録音のうち、バックハウス旧とソロモン以外は持っています。

この曲の性格を考えると、ギレリス、R・ゼルキンとったところが曲に合っているのでしょうね。私の好きなケンプはワルトシュタインに向いたピアニストでないでしょうね。
yoshimiさんの上げておられるアラウは、こういうワルトシュタインもあるという説得力を感じます。アラウのベートーヴェン自体が、今の私にとっては、別格のケンプ以外では一番の好みになってきました、

なおワルトシュタインの録音ですが、ホロヴィッツの演奏(どちらかといえばRCA盤)がデモーニッシュな迫力のある名演だったと思うんですよ。もう魔何年も聴いていないので、今聴くとまた違った感想を持つかもしれませんが。
アルトゥール
2010/07/01 23:40
こんにちは。
アラウのベートーヴェン全集、今は新盤・旧盤両方とも廃盤になってますね。たまにオークションで出てますが、廉価盤はないのでそれなりのお値段がします。分売盤も旧盤の3大ソナタくらい。

もし入手される機会があれば、新盤と旧盤とでは演奏内容がかなり違うので要注意ですね。私は技巧が安定して表現とのバランスが良い旧盤をメインで聴いてます。
2013年はアラウ生誕100周年なので、記念BOXか何かが出るのではないかと、ちょっと期待しています。
yoshimi
URL
2010/07/02 10:25
アルトゥールさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

「ワルトシュタイン」はいかにもベートーヴェンらしい推進力があって、意志と力強さを感じさせる曲ですね。そういう曲にはギレリスやR.ゼルキンの演奏がやはりぴったりかと思います。あと、うぐいすはバックハウスのベートーヴェンってあまり好みに合うことがないのですが、あらためて聴き直してみると「ワルトシュタイン」の場合は結構好みであることを認識できましたね。こういう曲は意外と手堅い感じの演奏がおもしろいです。

ケンプの演奏は訥々と曲に語らせるようなスタイルですので、やはり曲を選ぶかもしれません。穏やかな曲や情感のある曲はいいですね。「テンペスト」などのような曲は最高じゃないでしょうか。あと、うぐいすはホロヴィッツの演奏、古典派の音楽を聴いたことがないので、見つけたらちょっと入手してみようと思います。
うぐいす
2010/07/03 00:05
yoshimiさん、こんばんは!
再びコメントありがとうございます!!

そ〜なんですよね〜、前回コメントもらった後にHMVやAmazonで調べたら、廃盤になってることを知りました(泣)。まあ、いつか入手すればいいやとほっておいたらこうなるんですね。何回も痛い目にあってるはずなんですがまた同じ目にあってしまいました。とりあえず、2013年までに中古屋で見つけたら即ゲットすることとします(爆)。
うぐいす
2010/07/03 00:12
こんにちは。
アラウのワルトシュタイン、Youtubeにライブ映像がありましたので、ご興味があればどうぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=hh4KxrPAMxY

80歳の記念リサイタルなので、指回りは怪しいところがありますが、基本的な演奏解釈はスタジオ録音と変わりません。
yoshimi
URL
2010/07/04 09:45
yoshimiさん、こんばんは!
何度もご来訪ありがとうございます。

動画拝見しました。晩年のアラウの芸風そのものの、実に風格があり落ち着き払った佇まいのある演奏ですね。アラウのベートーヴェンと言えば、20年くらい前にNHKで「皇帝」を演奏していたのを見たことがあるのですが、もうすでにかなりの高齢で、演奏姿をみていて正直、大丈夫なのかな?と思いましたが、意外にも出てくる音楽はしっかりしていたのに大変驚いた記憶があります。なんともしみじみとした深い演奏でした。今回の動画のワルトシュタインも味わい深いですね。ちょっと興味が出てきました。
うぐいす
2010/07/04 23:27

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