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zoom RSS カラヤンの全盛期は?

<<   作成日時 : 2007/01/26 00:29   >>

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最近多忙になり、ブログ更新が滞りました。久しぶりの登録ですが、今回はカラヤンについて思うことです。
ヘルベルト・フォン・カラヤンは生前、ベルリンフィルの音楽監督、それとあわせてウィーン国立歌劇場の芸術監督も一時期つとめ、「帝王」とまで呼ばれました。
その演奏は、年代により傾向が変化します。果たして、どの時代が全盛期だったのでしょうか?

若い頃(1950年代)ははやめのきびきびしたリズムで非常に勢いのあるものです。
60年代になると、勢いも保ちつつ、レガートを多用した歌わせ方が目立つようになります。ベルリンフィル特有の重厚さや推進力もあいまって、音楽的には自分の思いを非常にストレートに表現しているように感じます。

それが1970年代になると、基本的にレガートの多用は一貫していますが、さらに音楽的にカラヤン流の磨き上げられた音色や、前に前にあおる、時としては強引とも感じられるテンポ設定など、カラヤンの音作りがさらに推し進められた形となっています。
非常に流麗かつ派手な音作りです。逆に、あまりにも磨きぬかれた音作りは60年代よりもさらに、やや人工的というか、いかにも考え、作られた音色のように聴こえてしまうときもあります。ある意味、70年代のカラヤンはこの路線での完成形にまで到達していたのではないでしょうか。

しかし、70年代後半の体調の悪化などにも関係あるのでしょうが、80年代の演奏は推進力の後退、変わりに非常に音楽の流れ・表現がやわらかくなって自然になったという評が一般的によく聞かれます。

それぞれの時代において、それぞれのカラヤンの個性が出ていると思いますが、さて、それではどの時代がカラヤンの全盛期だったのか?
当然、人によるのでしょうが、うぐいすは60〜70年代が全盛期だったのではないかと思っています。中でもより60年代の演奏に惹かれることが多いですね。
60年代の表現はカラヤンの特色が一番バランスよく合わさっていて、聴いていてすごく素直に心に響いてきます。

60年代というと、うぐいすの好きな演奏はシベリウスの後期交響曲やチャイコフスキーの弦楽セレナーデなどでしょうか。これらは特に圧巻です。
また、カラヤンのベートーヴェンは基本的にはあまりそれほど好みではありませんが、それでも彼の演奏の中ではこの年代が最も受け入れやすいです。
ブラームスの「ドイツ・レクイエム」も後に録音したどれよりも素直に聴けます。
ワーグナーの指環や、ソ連の一連の名独奏者との競演(リヒテル・ロストロポーヴィチ等)もこの頃ですね。
この頃、よく録音に使用したベルリン・イエス・キリスト教会の残響の多い音も非常に好きです。後のベルリン・フィルハーモニーホールはやや音がストレートすぎるかなあと感じてしまうことも多いです。

次には70年代でしょうか。やや強引で人工的な感じはしますが、それでも曲によってはその音楽の表現力に目を見張るものも多いです。
まだ60年代の雰囲気を残している70年代前半のR.シュトラウスの「ツァラトゥストラ」は後の80年代の演奏よりも生き生きしていて好きです。
ブラームスの交響曲2番もややクセがあるにしろ、有無を言わさぬ説得力があります。

80年代は特に音楽評論家の先生たちに評判良いようです。カラヤンは「円熟」の極みに入ったと。しかし、うぐいすはそうは感じませんでした。もう音楽に勢いがなくなり、オケの音やアンサンブルにも緊張感がなくなってしまったように聴こえてしまうのです。
音楽に対する集中力も減退しているように思います。「円熟」ではなく「老いた」のではないかと・・・
晩年のカラヤンは70年代までの特徴である、目をつぶって指揮をすることが少なくなりました。実は、昔からリハーサルのときはしっかり目を開けて普通の指揮をしていたのが「グレート・コンダクティング」の映像でわかります。要するに、演奏会用の演出でもあったのでしょうが、その行為自体が演出だったとしても、音楽の表現の真っ只中において行うことは非常に集中力を使う行為だと思います。
そういうことがなくなったことに対して自然で円熟ととるか、集中力の減退ととるか、なのだと思いますが、うぐいすは後者に思えてしまうのです。
実際、この頃に再録音した曲はことごとく旧録音に軍配を上げざるを得ないものが多いです。ベートーヴェン・ブラームス・チャイコフスキー・R.シュトラウス、等々。

ただし、これもうぐいすにとって唯一の例外があります。それは1982年のベルリンフィル創立100周年記念演奏会、ジュビリー・コンサートでのベートーヴェン「英雄」です。
すでに長文になってしまいましたのであまり詳しくは論じませんが、全盛期の面目躍如どころか、カラヤンの「英雄」のベスト盤ともいえる演奏です。
80年代の演奏は、特にカラヤン・レガシーの、一連の人工的な映像も結構印象悪くなっている原因のひとつです(笑)。
この時期にジュビリー・コンサートのような自然なライブ映像をもっと撮っていたら、また別の印象だったかもしれませんね。

ということで、うぐいすは基本的には60〜70年代が全盛期かなあ・・・と思っています。
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先週、ターリヒの新世界のブログを書いた直後、突然耳鳴りがしたかと思ったら、世界が回転し始めました。 うぐいすにとっては初めての出来事で、まさしく新世界です。って、誰がうまいことを言えと・・・(苦笑) ...続きを見る
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます

クライバーのバイロイト盤、私も欲しいとずっと思っています。リゲンツァのイゾルデが聴きたいからですが〜。リゲンツァはこれからという時に引退してしまいましたから、全盛期の録音が意外に少なくて、残念ですね〜。

カラヤン、やはり偉大だと思います。この頃は、ベーム、バーンスタインなども元気な時期で、それぞれがそれぞれの音楽で覇を競っていたように思います。ベームは晩年に新境地を開いたように思うのですが、バーンスタインはニューヨーク時代が一番だと思いますし、カラヤンはやはり、60年代から70年代にかけてが良かったのではないかと思います。DGのあの音、EMIでのあの音、いずれもが懐かしく思い起こされます。
私は70年代、80年代にライヴに接しましたが、いずれの演奏会でも目を開けて、必死で棒を振っていましたよ、爆〜。目を閉じていたのは、あの映像作品だけではないのかな、と思ったりも〜。
ヴィーナー・フィルハーモニカーとの競演のデッカの録音も好きですね〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
2009/04/05 08:54
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。これはまた、前のエントリーにお越しになられましたね(笑)。

なるほど、ライヴではやはり目を開けて振ってたわけですか。それにしてもカラヤンの60年代〜70年代の演奏、好悪はともかく、「自分はこういう音楽をするんだ」という個性が際立っているので説得力がありますね。プッチーニのオペラも聴くようになったのですが、この60年代から70年代初め頃のカラヤンのオペラ演奏に素晴らしいものが多いのにはあらためて驚きました(晩年の「トゥーランドット」は少し重くなってしまってますし)。自分の最近聴いている演奏を振り返ってみると、カラヤン・ベーム・バーンスタイン共に晩年の演奏はあんまり聴かなくなってますねえ。やはり音楽が重くなってるからかもしれません。「重厚」と言うより、「鈍重」という感じがするかな。もちろん、例外的にいい演奏もあるのですが。
うぐいす
2009/04/05 10:02

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