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zoom RSS 巨人に挟まれた珠玉作:ベートーヴェン「ハープ」と「セリオーソ」<PA-128>

<<   作成日時 : 2008/05/05 22:39   >>

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今回クリーヴランドQのベートーヴェン全集聴いてあらためて考えたことです。
「ハープ」「セリオーソ」の異名を持つ第10番・第11番についてです。

ベートーヴェンは、革新的な力作であるラズモフスキー3曲を作った3年後、比較的小さめの珠玉とも呼べるようなロマン的な10番「ハープ」、その1年後に深刻で緊張感がギュッと凝縮された11番「セリオーソ」が作曲されてます。
このあと後期の入り口である12番の作曲まで、14年くらい間が空きます。

それでまあこの「ハープ」と「セリオーソ」ですが、実はうぐいすにとって今まであんまり聴き込みが多くはない部類だったのです。
いい曲だとは思いつつも、どうも手に取ることが少なかったのです。

作風的には中期を締めくくる、ある意味過渡期的な作品とも言われます。その言葉の中にややもすると、中途半端な位置づけのような意味合いが含まれて聞こえてしまうきらいがあります。でも、うぐいすは決してそうは思いません。
10番も11番もとんでもない傑作だと思うのです。

ただ、そういう位置づけや曲の魅力自体はともかくとしても、この曲たちはラズモフスキーと後期の大曲群という「巨人」に挟まれて、いざ聴こうという時になると、うぐいすはどうにもそちらに気が向いてしまうのですよ。
うぐいすの中では、その曲の魅力に比して不当に聴く頻度が少なくなってしまったという、不遇な位置づけになってしまってまして(苦笑)。

でまあ、今回クリーヴランドQの全集を購入したのを機に、罪滅ぼしというわけでもないのですが、いろいろと聴き比べて見たわけです。

すると、アラ不思議!これって今まで聴いていた演奏のせいかもしれんと思うようになってきました。

これらの2曲はベートーヴェン特有のがっちりした構成のもとに、どこか中期特有の新鮮な生命力を感じさせるような初々しさも併せ持つ演奏でないとだめかも、と思ったのです。
あんまり構成固めすぎてしまうと、その瑞々しい情緒が抑えられてしまいますし、情緒に走るとやわくなりすぎて緊張感がなくなり、どうにもピンとこなくなります。

「そんなの当たり前じゃん!」とかお思いの方もいらっしゃいますかねえ・・・
でも、うぐいすには今まで聴いてた演奏には感じられなかったのですよ、そういうバランスの良さみたいなのが。修行が足らんと言われそうですが。

ブダペストQとジュリアードQはやや構成の強さや意思の力を感じさせる方向に向いてますし、バリリQは逆に少々情に傾きすぎているかもしれません。アルバン・ベルクQはちと歌い方と爆発のバランスが極端な感じもします。スメタナQはちと誠実すぎかも。
ズスケQはかなりいい感じなのですが、これも少し落ち着いた情緒を味わう方向で、時に刺激が足りないかとも思います(でもこれが味なのですが)。

結局、何が言いたいのかというと、今回のクリーヴランドQ、適度に刺激があってそれでいて構成もしっかりしてますし、活気のある初々しい情緒も感じられるのですよ。
この演奏だと10番や11番も聴いてみようかなあ、という気になるのです。
この演奏聴いていると、瑞々しい活気が感じられると同時に、凛虞さんの言うところの「楷書」風な美が感じられるわけです。
新たな演奏に触れることによって、今まで知っていた曲にもいろいろと違う魅力が発見できますね。

前回2回のエントリー含めてクリーヴランドQの演奏、べた褒めに書いてますが、ちょっとここで一歩引いて他の演奏も含めた上での位置づけとして総括してみますと、ベストのひとつとしてお薦めできるのは初期と「ハープ」、「セリオーソ」だと思います。

それに対して、「ラズモフスキー」と後期に関しては、うぐいす個人としては「リファレンス」という形で聴くのに申し分ない演奏かなと思っています。
これこそベスト!という感じでかしこまって聴くというよりは、何気に取り出して楽しむ、という感覚でしょうか。
(これはもちろん、ほめ言葉です)

連休ということでクリーヴランドQをいろいろ聴き込むチャンスもあって、長々と書いてしまいました。
しばらくここら辺を聴きこんだ後は、ベートーヴェンのピアノ・ソナタとハイドンの四重奏をぼちぼち集めていこうかと思っているのですが、そろそろ懐のことも気にせずばなりませぬ(苦笑)。
まあそれらを購入する前に、今までどおり適度に思いついた曲をエントリーしていくことになるでしょう・・・(ホントに適当)

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
コメント3部作の最終回です(爆)。
演奏によって曲そのものに開眼することはよくありますよね!(たとえ、それが結局自分にとって最高の演奏とならなくても。)
それにしても、この第10番と第11番の楽器の鳴りっぷりは爽快そのものですね。
総論としては、私もうぐいすさんの仰る「ベストのひとつ」としてこのセットの初期、第10番&第11番ということに諸手を挙げて賛同いたします。(私にとっては「無敵」ですが(爆)。プラス第15番。)
しかしながら、ラズモフスキー3曲に関しても、最近は鑑賞する頻度がそれほど高くないためか、録音はクリーヴランドで充分と思えるようになっています(笑)。
クリーヴランド・ファン(??)が少しでも増えていただければ、私も幸いです(笑)。
凛虞
URL
2008/05/06 00:52
うぐいすさま お早うございます
昨日は、お祝いコメント、ありがとうございました。

私も、中期の「ハープ」「セリオーソ」は、ラズモフスキーの3曲と少し趣が異なるように思います。中期では、今はこの2曲の方が他の3曲よりも良く聴いているように思います。

きっと、ブダペストの演奏を聴きだして、そのように思い出したのではないかな、と思っています。

クリーヴランドの演奏、良さそうですね
早く届くと良いのですが〜

ミ(`w´)彡 
rudolf2006
URL
2008/05/06 08:15
コメント3部作シリーズありがとうございます(笑)。

10,11番は他の演奏でもいい曲だと思っていたのですが、このクリーヴランドQの演奏で初めて「楽しむ」ことができたような気がします。「ベスト」と言い切っても良いかもしれません。「ベストのひとつ」としたのはどちらかというと初期のお話で、初期においてはやはりバリリQの魅力に抗し難いものがあるのですよ。あと、ズスケQですかね。
「ラズモフスキー」はこれまたズスケQという表現豊かな演奏がありますので、当面この2種を聴いていくことになりそうです。

後期は曲に対する意見は凛虞さんと同様です(歌謡性や滑らかさのお話)。ただ、嗜好という点においては13、14番が結構気に入りましたねえ。15番もうぐいすのちと変わった趣味を考えなければ最高です。自分的には中間楽章が最高と思います。

なんにせよ、総論としてこの全集はお気に入りです。クリーヴランドQファンの一員になれたようです(笑)。
今後ともよろしくお願いいたします。
うぐいす
2008/05/06 11:02
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
昨日はお祝いコメントの嵐が凄かったですね!rudolf2006さんの人気をうかがわせる賑わいでした。

rudolf2006さんもうぐいすと認識は同じだったのですね。でもそれが故に、「ハープ」と「セリオーソ」をよく聴くというのもわかります。これら2曲もラズモフスキーと同様、名曲には違いないのですが、傾向が違いますし。でもホントにブダペストQお好きなんですね〜。ガチッと筋が通った感じは確かに好ましいと思います。

クリーヴランドQの演奏も良かったですよ!rudolf2006さんのところにも早く届くと良いですね!ご感想楽しみにしております。
うぐいす
2008/05/06 11:08
うぐいすさん、こんにちは。

表題の曲について、ちょうどヴェラーのCDが届いて聴いていたところです。隅から隅までウィーン情緒満点のベートーヴェンです。手許を探したところ10番と11番がありませんでした。現在のところただ一組のCDなので他盤と比較できませんが、ハープがすばらしいです。セリオーソは第3〜4楽章が秀逸。どちらも優美、典雅、流麗、これぞ私が望むウィーンの音!情緒溢れる音色はバリリから甘さを抜いた感じです。この演奏でこれより以降の四重奏曲では厳しさに持ちこたえられないと思いますが、きっとハイドンやモーツァルトは素敵だろうと思います。ヴェラーさんは指揮者に転向してプリンツさんからの悪評を読んだことがあります。そう言えば来年のニューイヤーはバレンボイムが内定のようです。最近の指揮者不足?はこの頃から始まっていたのでしょうか。僅か10年足らずの室内楽の期間が惜しまれます。

みなさんお奨めのクリーヴランドQは将来ベートーヴェンの室内楽にはまるとき(たぶん来るでしょう)の楽しみにしたいと思います。
ezorisu
2008/05/08 13:38
ezorisuさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

ヴェラー四重奏団の演奏はハイドンとモーツァルトを知るのみですが、柔らかく瑞々しい演奏でなかなかいいですよ!ベートーヴェンなら、10,11番は曲と相性が合ってるかもしれませんね。ちなみに、ウィーン的な情緒を至上とされている場合、クリーヴランドQの演奏はもしかすると少々音がクリアすぎるかもしれません。でも、特に初期・中期のベートーヴェンの一面でもある、生き生きとした活気を味わえる演奏です。
うぐいす
2008/05/08 22:08

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