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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第4番:シリーズテーマ(1)<PA-176>

<<   作成日時 : 2008/09/18 21:44   >>

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最近はハイドンの弦楽四重奏、エンジェルスQの全集を聴きまくってます。
ということで、今回はハイドンの弦楽四重奏・・・とも思ったのですが、もうちょっと聴きこんでからはじめてみようと思います。
結構、ツボにはまってるので、もちっとじっくり聴いてから書いてみたいのです。
代わりといっては何なんですが・・・止まっていた(笑)もうひとつのシリーズ・テーマ、(1)のベートーヴェン・ピアノ・ソナタの第4番にいってみようと思います。ハイドン程ではないですが、こちらも結構聴きこんでます。

ピアノ・ソナタ第4番は1796年に作曲されています。
前の作品2の3曲の翌年です。
全3作の最後、3番ですでに初期のベートーヴェンを予感させるような作風を示していましたが、本作の4番でさらに力強さと華やかさを感じさせる曲となっています。
1楽章など形式こそ整っているものの、もうここまでくると実にベートーヴェンらしいスケール感が備わった、力感のある曲となっていますね。

第1楽章、連打に乗って3度の下降音型が2つ提示され、その後流れるような音型が進行していきます。
勇ましく和音を2つ打ち込んでその後弱音で合いの手のように愛らしい音型を続けて対比させたり、そうかと思うと力強い連打に乗せて堂々とした曲想を奏でていきます。
この曲もかなり交響的なつくりになってますね。
ベートヴェン特有の弱拍にアクセントやスフォルツァンドを置いて緊張感を出す手法もありますね。
このころの曲って今まであんまり聴かなかったのですが、こうしてよく聴いてみるとさすがにうまく作られています。
この曲は8分の6拍子です。8分の6拍子すべてがそうというわけではないですが、この4番のようなテンポが速めの曲だと実に動的で華やかに聴こえますね!
グイグイ進行する2拍子系を基本としながらも、一拍が3拍子なのでリズムが非常にキラキラして、踊るような行進曲に聴こえます。

第2楽章は三部形式です。A→B→Aの構成ですね。
第1部はゆったりとした沈み込むような曲想で随分と瞑想的な楽句ですね〜。
第2部は少し気分が変わって分散和音に乗ってゆったりと歩くような楽想になります。
その後また、最初の第1部と同じ曲想へ戻ります。
思索を巡らせていたら、ちょっと気分転換にゆったりと歩いて考え事をしだし、また思索に耽るといった趣を感じます。
実に静謐できれいな曲です。

第3楽章はこれも3部形式ですね。これもまた実に愛らしい、曲です。ずいぶんと落ち着いた味わいのある舞曲風な曲想です。
中間部は一転して動的な曲ですね。三連符の激しい分散和音が緊張感を高めてくれます。その後、また落ち着いた最初の舞曲に戻る様が鮮やかです。

第4楽章はロンドソナタ形式。ずいぶん優美で快活な曲です。
ベートーヴェンの曲にしては雰囲気が優美すぎる最終楽章(笑)ですが、それでもハ短調の中間部はほの暗い情熱にあふれて勢いもあり、面目躍如といった感じではありますね。
最後は優美に踊りながら、消え入るように終わります。

いやあ、この曲も聴きこむとなかなかいいですね。
1楽章で実に大きなスケール感を感じさせてくれたかと思うと、2楽章で沈潜とした風情、後半2楽章は愛らしく優美な音楽で楽しませてくれます。
前半2楽章に比べると後半2楽章が少々軽くなるでしょうか・・・
がらりと雰囲気が変わりますね。
でもそれもまた良し、です。

さて、今回聞いた演奏は6種類。
バックハウス(新盤)はいままであんまりいい感想を書いてませんでしたが、4番は意外といいですね。
1〜3番はあんまりがっちりやってしまうと曲の清新さが失われてしまうきらいがあったのです。
しかし、この4番はたとえば1楽章など、音の出し方がくっきりと、しかもがっちりとしているのがなかなかスケール感を感じさせてくれていいのです。3・4楽章は優美さよりも交響曲的な構成感が感じられるのですが、これはこれでいいかも。
音の出し方がガチっとしていて、構成美の感じられる演奏です。

ケンプもいい感じですね。
なんというか、技術的にはどこか心もとない感じはするのですが、この人の味はその詩情というか、どこか即興性も感じさせるようなテンポや曲想、その訥々としたフレーズ表現の味わいが最高ですね。
特に弱音や、絶叫しない強音にその詩的な香りを感じます。
弱音もギレリスのような透明な音色とかブレンデルのような思索的な感じではなく、飾らないストレートで朴訥な表現です。自然な感じが人間的でいい感じです。

グルダは実に軽快で巧妙ですね。これも素晴らしいです。
この人の演奏を聴いていると、ホントに天才とはこういう人のことをいうのかな?と思います。
音の強弱やテンポ設定、いきいきとしたリズム、どこをとっても舌を巻いてしまうのです。
ただ、聴き進めていると、あまりにも軽快に曲が進んでしまうので、音を一音一音噛みしめて味わうという聴き方ができないのがちょっと贅沢な不満かも(笑)。
まあでも、4番あたりはまだグルダのような弾き方でも楽しめますね。

ギレリスは相変わらず透明な音色でしっとりした弾き方かと思うと、強音でいきなりダイナミックな表現が出てきたりしますね。
でも、弱音の澄み切った音色と落ち着いた味わいはやはりこの人が一番かもしれません。
そういう意味では、2楽章は絶品ですね。ひたすら沈潜としています。
3・4楽章も随分と遅めのテンポでじっくりやってますね。
1楽章も基本的にはしっとりとした音楽の部分は素晴らしいです。
突然強い音が出てくるところが、どう感じるかが好悪の分かれ目かも。
そういう意味では、動的な1楽章は人によって好悪が分かれるかもしれませんが、2楽章以降は静謐でなかなか味わい深いですね。

ブレンデルはやはり思索的です。しっとり、というよりはじっくりと理知的に、節度を持ちながら弾いている、といった風情ですね。
落ち着いた味わい、というとギレリスにも通じるところがありますが、ギレリスのように音色に特徴があるというよりも、どちらかというとフレーズの表現に工夫を凝らして清潔感のある音楽にしている感じです。
この演奏もやはり2楽章以降がいいですね。

ナットは端正ながらも時折情熱的でダイナミックな爆発をしています。
テンポは全体的に、比較的速めですね。
4番に関しては、うぐいすには少々その爆発が耳に付く時があります。
もちっと初期らしく、軽いというか、耳に心地よい演奏が好ましく思うことがあります。
でも、好きじゃないかというとそういうわけでもなくて、たとえばグルダのような勢いのある演奏を聴いているときに、軽やかなキラメキよりも、もちっと端正でダイナミックな情熱に浸りたいかな〜と思うときに、ふと聴いてみたくなるのです。

結局6種類を集中的に聴いてみて、どれもそれなりに味わいがありますね。
どれか一つというのは難しいですが、ここのところよく聴いていたのはグルダとケンプですかね〜。部分的には、ギレリスとブレンデルは2楽章以降が絶品で、よく聴いてます。

聴く頻度は少ないですが、バックハウスもうぐいすには珍しく、他の演奏聴いてると何気に聴きたくなるんですよ。単体で最初に取り出そうとはあんまり思わないんですが。
ナットも4番に関してはあんまり聴かないかなあ。

ちなみに、今月頭に注文していたリヒテルの3・4番のカップリングされたCDがまだこないんですよね・・・
リヒテルの演奏の感想が出てくるのは、7番が最初になりそうです。

さて、次回はハイドンの四重奏を取り上げてみたいところですが、実は他にも考えているものがあったりします。
ハイドン、いつ書けるかな・・・


Beethoven: the 32 Piano Sonata
Deutsche Grammophon
2008-09-08
Wilhelm Kempff
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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま こんばんは

ちょっとお久しぶりです。
ベトベンのシリーズ、愉しく読ませていただいています。
(ハイドンも心待ちにしていますが〜 お暇な時にでも〜)。

私の友人が、ベトベンのピアノソナタの楽譜をネット上で公開しています。
http://klystron.dee.cc/Gakufu/index.html

Bのところからベトベンを選びますと、ソナタ全曲から選んで見ることができます。

このシリーズがないと、グルダ盤の全集を聴く機会がありません、爆〜。私はシュベルトの室内楽にはまっていて、爆〜。

この記事を読ませていただくと、ナットの全集が欲しくなるのですが、爆〜。どうしてもカルテットを中心に考えてしまったりもします。
グルダ盤しか聴いたことがないのですが、この4番も立派な曲で、面白い曲ですよね〜。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2008/09/19 20:36
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

お友達のWEBを拝見させていただきましたが、充実してますね!やはり楽譜を見ながらだと、音楽が視覚的にも把握できていいです。
いやあ、実は昔Doverのでかいやつ(笑)を買おうとしていたのですが結局買わずじまいだったのです。でもこのHPがあると、買わずに済むかも(笑)。

とりあえずrudolf2006さんのピアノソナタ鑑賞のペースメーカーになっているだけでも、書いている意義が感じられて嬉しいですね。今後も積極的に続けていきたいです!

ナットの全集はいいですよ。初期よりも中期以降の情熱的な曲に彼の魅力が生きてくるような気がします。あっ、でも初期でも「悲愴」あたりはすごいです!
うぐいす
2008/09/19 21:43

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