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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第15番「田園」:シリーズテーマ(1)<PA-242>

<<   作成日時 : 2009/05/23 22:22   >>

なるほど(納得、参考になった、ヘー) ブログ気持玉 1 / トラックバック 0 / コメント 6

今日はちょっと疲れがたまっているみたいです。
昔治療した歯の奥の方と言うんでしょうか・・・神経が痛むのです。ズ〜ンと鈍い感じの痛みなんですよ(苦笑)。疲れがたまってると時々こうなるんだよな〜。
ちょうど明日は天気悪いみたいだし、おとなしくしてようかなあ。

ということで、痛み止めを飲んでブログ更新です(笑)。
本日はベートーヴェンのピアノ・ソナタのシリーズ、今回は15番作品28、1801年の作曲です。
通称「田園」とも呼ばれる曲ですね。これはベートーヴェン自身が名付けたのではなく、楽譜の出版社が勝手につけたとのことです。
まあ確かに牧歌的な感じはするのですが、ベートーヴェンの作品でこういった雰囲気の曲は他にもあるし、特にこれに「田園」と命名するのもどう?とも思いますが、曲の特質としてはこの標題もあながち間違ってはいないですね。のどかでおおらか、時折哀愁や意志も感じられるチャーミングな曲です。

第1楽章 Allegro ソナタ形式。
持続的に進む低音のリズムにのって、のどかで牧歌的な旋律が奏でられていきます。
のどかではありますが、どこか意志の流れを感じさせるようなところがいいですねえ。

第2楽章 Andante 三部形式。
リズミカルですが、どこかメランコリックな雰囲気のある曲ですね。
この曲の中で、もっともこの楽章が好きですねえ。

第3楽章 Scherzo. Allegro vivace 三部形式。
スケルツォ楽章。出だしがユニークですねえ。下降の音型のあと、軽快な旋律が現れます。
中間部は流れるような舞曲風の音楽です。

第4楽章 Rondo. Allegro, ma non troppo ロンド形式。
弱起で始まる低音のリズムに乗って優雅な舞曲風の旋律が流れてきます。
八分の六拍子での弱起のリズムは、なんというか、リズム進行が後押しされるような感覚があるので、曲想は優雅なもののリズムに推進力がありますね。どこか牧歌的な、のどかな田舎風の舞曲のようでもあります。
こういうところは確かに「田園」と言われても納得してしまう感じではあります。

さて、それでは演奏の感想です。

この曲でもまた驚いた演奏がありました。
それは・・・グールドの演奏です。
いやいや、今まで結構キワモノ的に聴いてきたグールドのベートーヴェンですが、この「田園」はなかなかいいですよ。
グールドとしてはあんまり気をてらう感じがなく、結構自然に音楽を奏でてるように思います。
いや、相変わらずの軽やかな音の扱いで、結構グールドらしいデュナーミクやテンポ感にあふれているのですが、それがミョ〜にこの曲にハマってるので、気をてらってるように聴こえないのですわ。

ナットのは相変わらず端正にまとめられてますねえ。
時々でてくる、情熱的で力感のあるフォルテが効果的ですね。
なんと言うか、「田園」的で牧歌的な曲というよりも、端正ながらもまさしくベートーヴェンの意志の力強さを感じる演奏です。
そういう意味では、他のベートーヴェンの曲を聴くのと同じような感覚で聴いてる演奏です。

ギレリスはずいぶんと遅いテンポで進んでます。
音を慈しむようにじっくりと進んでいきます。
この音の透明感はすごいですね!
なんというか、牧歌的な雰囲気を楽しむというよりは磨き抜かれた音でとても美しい芸術作品を聴いているような感じです。
これはこれでいいですよ!ギレリスの本領発揮といった感じです。
深夜とかに、音楽にどっぷりと埋没して聴くにはすごくいい演奏じゃないでしょうか!

ケンプのは実に自然に音を紡いでいきます。
いつも書いていますが、変に作為を凝らしたような風に聴こえないのですね。その実、よく練られた表現のような気がします。
「月光」の時にも感じたのですが、すごく自然体のようでいて実は結構表現は実に考えられていて、味わい深いです。
たとえば3楽章冒頭、普通の演奏は音の大きさとしてピアノで開始するのですけど、ケンプは比較的大きめの音で開始します。こういう開始だと息をひそめて聴くというよりも、なんとなく普通のノリで聴ける感じがしますね。
(そのくせ、曲が進んで中間部での同様の旋律はピアノで弾いてたりするのです)
細かい話ですが、こういう何気ないところで構えて聴く感じにならないところがいいところかもしれません。
もっとも、人によってはその味わいが自然と思うか、朴訥と思うかはいろいろかもしれませんね。

それから、シュナーベルの演奏!これもいいですねえ。
いやあ、この曲はあんまりいつもの弾き飛ばしてる感じがなくって、いいですよ!
1・2楽章は遅めのテンポでじっくり弾いていて、すごく詩情にあふれる演奏です。
3楽章は速めでやや荒い感じのところが無きにしも非ずですが、あんまり違和感はないかな。
4楽章も意外と落ち着いたテンポで進んでいきます。フレーズに合わせてテンポ感が変わりますが、弾き飛ばしではなくって、情緒溢れる演奏に聴こえますよ。シュナーベルの演奏では、初めて素直に全楽章いいと思えるかも。

ブレンデルのも結構好きです。
でも、今までブレンデルの演奏聴いてきて思うのは、なんというかいちいち音の扱いに品を感じるというか、音が乱暴に響くことがないですし、フレーズの表現もさりげなくルバート効かせてたりして語るような感じです。
「オシャレ」というのでしょうか。いいか悪いかは別として(爆)。
それが理知的とか、知性的とかいう評価にもつながっているんでしょうけど。
この「田園」も、牧歌的というよりも、どこかすごく都会的で洗練された表現に聴こえます。清潔感もありますね。
ギレリスとはまた違った意味で、芸術作品を聴いているような気分になってきます。

グルダの演奏も相変わらずセンスがいいですねえ。
軽やかで、キラメキのある演奏です。特に3楽章のピチピチと跳ねるような表現はグルダの本領発揮です。

バックハウスは新盤・旧盤ともにどこか無骨な感じではありますが、ガッチリとした表現で、曲を把握するにはわかりやすいですね。
この曲にはいささか無骨すぎる感じが無きにしも非ずですが、実は曲そのものを味わうにはこういう演奏がいいのかもしれません。
この曲は新盤と旧盤のどちらをとるかというと、実は新盤の方をとってしまいます。
旧盤は覇気のある感じが若干裏目に出てるかなあ。いや、わずかな差ではあるのですが。こういう曲は新盤のどこか達観した感じの演奏の方がしっくりくるのです。表現も自然な感じに聴こえました。

以上がこの曲でうぐいすの持っている録音ですが、意外にも嫌いな演奏ってないですね〜。
どれも気に入ってます。
聴く時の気分で聴き分けって感じでしょうか。

まあでも、特に好きなものは?という話になると、やはりグールドになりますかね。
他の演奏、どれを聴いてもおもしろいのですが、グールドの演奏はいつでも聴こうかなあ、という気になるのですよ。
いやあ、うぐいす的にこれは意外でした。
次点は・・・他の全部でしょうか(爆)。

しかし・・・「月光」は曲自体が好きなのでいろいろな演奏を許容するかとも思ったら、意外と好き嫌いがありました。一方、「田園」の方は意外といろいろな演奏を許容してしまいましたよ(笑)。
聴きこんでみないと分からんもんです。




ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ集 II
ソニーレコード
1994-06-22
グールド(グレン)
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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます〜

奥歯の痛みはこたえますよね、早く良くなると良いですね〜。

このシリーズがあるおかげで、ベトベンのピアノ・ソナタを聴くことができます、爆〜。

ギレリス盤を聴きながら、コメントを書いています。
曲は小さなものですが、味わい深い曲ですね。さすがはベトベンだけのことはありますね〜。どうもベトベンの作品ではピアノ・ソナタと弦楽四重奏曲、圧倒的にこればかり聴いているなって最近思います。

ギレリスの演奏は、深い感じの演奏ですね、一歩一歩ずつ進んでいくかのような感じがします。

ナット、グルダはまだ聴いていません、爆〜。
ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/05/24 06:16
rudolf2006さん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
奥歯はまだちょっと痛みますね・・・今日は天気も悪いしゆっくりしようと思ってます。

ギレリスのこの沈潜としたたたずまいは凄いですね!いささかこの曲の持つ特質から外れている感もありますが、この深々とした表情と澄み切った音色はやはり素晴らしいです。曲に没入して聴くときはこの演奏がいいですね。もっと気軽に聴くのはグールドやナット、グルダなどの方がいいかもしれません。
うぐいす
2009/05/24 11:41
うぐいすさん

こんにちは。今日は、こちらからおじゃまします・笑

ベートーヴェンのピアノソナタ15番「田園」、私はイーヴ・ナットの演奏で聴くことが多いのですけれど…ふむふむ、グールドもいいんですね。グールド大好きなのですが、彼のベートーヴェンはこれまで聴いたことがなかったものですから、興味あります。
グルダ、ギレリス…聴いてみたい演奏がたくさんあります。まずは、グールドから聴いてみようかな。
ご紹介ありがとうございます!
ANNA
2013/03/26 17:52
ANNAさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
まさに神出鬼没ですね(笑)。

いやあしかし、懐かしい記事です。このベートーヴェンのピアノソナタシリーズ、まだ途中だったんですよねえ。確か22番で止まってしまってたと思うのですが、最近アラウの演奏がマイブームになってしまい、冷静な判断ができそうにないので、再開しようにも、二の足踏んでしまってます(苦笑)。

この曲、うぐいすは意外にもどの演奏も好みですね。意外と羽目を外しそうなグールドやグルダが比較的まとも(笑)な演奏してるというのもありまして、嫌いな演奏がないのです。どの演奏聴いてもはずれはないかなあ。

特にグールドはお薦めです。快活でのびやかで良いですよ。でも・・・グールドのベートーヴェンで、うぐいすのお薦めはこの曲だけです(苦笑)。他の曲の演奏はどうも個性的すぎてついていけないのです。本エントリーにアフィリエイトリンクしたのは国内盤なのですが、これ以外に輸入盤で安いのがあるみたいなので、入手されるならそちらの方が良いかも。

それではまた、よろしくお願いいたします。
うぐいす
2013/03/26 22:27
うぐいすさん

こんばんは。グールドのピアノソナタ15番「田園」
を入手して聴いています。 
いやあ、とてもいいです。音楽が生き生きとしていて流れもとても自然。とっても気に入って繰り返し聴いてます。私はグールドが大好きなのですけれど、曲によっては作品より彼の個性が前面にでてしまっている演奏もありますものね・笑
おかげさまで、15番「田園」におきにいりの演奏が加わりました。うぐいすさん、ありがとうございます!グルダの演奏も聴いてみたいなーと思っています。この作品に彼の個性が合っていると思うんですよ。
ANNA
2013/03/29 23:18
ANNAさん、こんばんは!
コメントありがとございます。

グールドの田園、気に入られたようですね。この演奏は、この曲の特性に対してグールドの個性がいい方向に作用した名演ではないかと思います。

それではまた、よろしくお願いいたします。
うぐいす
2013/03/31 19:17

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