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zoom RSS ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番:シリーズテーマ(1)<PA-251>

<<   作成日時 : 2009/06/28 00:07   >>

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本日はホントにゆったりした気分です。
さあて!それではブログ更新を一気に進めましょう!
今回はシリーズテーマ(1)です。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第16番です。

作曲は1802年。時期的にはハイリゲンシュタットの遺書が書かれた頃だそうです。ベートーヴェンの中期様式が進行していく重要なターニングポイントの頃の作品です。

この16番は、17番「テンペスト」と18番と共に作品31としてまとめられています。なので、16番は作品31-1ということになります。この3作品の中ではちと影が薄い感じもしますかね。うぐいすも普段はこの曲を聴くためにCDを取り出す、という感じではないです。

他の曲を聴くついでに聴いていることが多いのですが、イザ聴いてみると結構いろいろ工夫しているというか、おもしろいことしてるな〜とあらためて思わせてくれる部分が満載ですね。

以下、楽章ごとに書いてみます。

第1楽章 Allegro vivace
コロコロと転がり落ちるような下降音型の後、ヨタヨタと歩き出すみたいに右手と左手で16分音符ずらされた音型が出てきます。これが第1主題かな。
その後、第2主題が弾むような曲想であらわれてくるのですが、これがだんだん勢いづいて見る見るうちに勇ましくなったかと思うと、また明るい第1主題になり、表情がくるくる変わっていきます。展開部も華やかですね。
なんか、パントマイムとかピエロの動きみたいな、一連の演技をしているような情景が目の前に浮かんできますね〜。
あらためて聴くと、すごくおもしろいです。
ちなみに、この楽章のコーダに当時の出版社が勝手に2小節を挿入したためベートーヴェンが激怒したというエピソードが伝えられているそうです。

第2楽章 Adagio grazioso
3部形式。
穏やかな曲ですね〜。単純な和音の音型に乗ってトリル音を駆使したり音の上昇下降を伴うキラキラしたメロディが散りばめられています。
なんか、すごく優雅で即興的な雰囲気の漂う楽章です。
中間部は少し沈み込んで開始され、動的な伴奏に乗って曲が流れていきます。
夜に、静かに流れている小川のそばにいるような風情ですかね。
とても静かで優雅な曲です。

第3楽章 Rondo,Allegretto
ロンド。最初は2楽章に続くような優雅な雰囲気の舞曲風の曲ですね。
コーダはPrestoになって、突然勢いよく進んだかと思うと徐々に小さくなってに終わります。独り芝居をしていた役者さんが少しずつ舞台袖に近寄り、隠れるように退場していく感じでしょうか。

この曲、曲全体として明るく穏やかな雰囲気な上に、すごく見得を切るようなところがないので地味なイメージもあるのですが、よ〜く聴いているとフレーズの扱いや展開の仕方など、なんだかすごくいろいろなことしていておもしろいですね〜。
隠れた名曲かもしれません。

さて、それでは演奏の感想に行きます。

うぐいすは16番の特徴的なところ、軽快にキラキラと進んでいくか、しっとりとした情感を感じさせてくれる演奏が好みですね。

軽快さとしっとりとした落ち着いた情感の双方が感じられる、という点においてギレリスのスタジオ録音がもっとも好みの演奏です。
あと、抑えめの情感が感じられるブレンデルもいいですね。
また、軽快な音楽が素晴らしいグルダ・ナットあたりもいいです。

ギレリスのDGスタジオ録音は、透明な音色でしっとりした味わいと軽快なフレーズ感の両方を感じさせてくれる名演です。
彼の壮年期のようなド〜ンとくるフォルテがないのがいいですね。
非常に味わい深い演奏です。
ライヴも録音が残っていますが、他の曲に比べるとあまりがなりたてるような演奏ではないものの、スタジオ録音の落ち着いた味わいの方が好きです。

ブレンデル3回目全集の演奏も相変わらず落ち着きのある理性的な演奏です。
しっとりとした情感の方に重きが置かれているように感じます。フレーズの歌い回しも考え抜かれてますね。この演奏、何気に聴く分にはいい感じです。
まあ、理性的すぎて、聴く時によってはもうちっと軽快な演奏がいいと思うかもしれませんね。

グルダはホントに軽快で、演奏にキラメキがあっていいですね。
16番に関してはグルダの特質がいい方向に作用していると思います。
(ブレンデルとは反対で)聴く時によっては、もうちょっと落ち着きがある演奏がいいと思わないでもないですが(笑)、上記のギレリスやブレンデルを聴いた後はなんとなくこの演奏を聴きたくなります。この三者の演奏は補完し合う感じになるかな〜。

ナットは速めのテンポで、軽快に進んでいきます。フレーズの処理が今までの曲と違ってどこか自由闊達なテンポ設定で粋を感じさせる部分がありますねえ。どこか、シュナーベルに近いような(顕著ではないですが)センスも感じますね。
ただ、ダイナミックで重厚な低音が出てくるところとか、この曲にはやや重い感じにも聴こえるので、そこがどうかといったところでしょうか。

R.ゼルキンの演奏は、丁寧で清潔感みたいなものも感じるのですが、この曲にはちょっと真面目すぎてるようにも聴こえますかね〜。
ちょっと硬い感じもします。立派な演奏には違いないんですけど。
ちなみに、3楽章冒頭などでゼルキンの鼻歌が聴こえますね。

バックハウス(新)は速めで軽快なんですけど、1楽章のフレーズ処理でスタッカート音を伸ばす感じがイマイチ冗長に聴こえてしまいます。
3楽章あたりはなかなか軽快でかわいい曲に仕上がっていていい感じですが。

バックハウス(旧)も、基本的には新盤と弾き方は同じですね。でも新盤よりは勢いはあります。ただ、それがいい方向に行っているかというと必ずしもそうではないような気がします。この曲はあまり意志の力を感じさせたり情熱的な方向のものは合わないかも(あくまで個人的な好みですが)。

シュナーベルは1楽章はせわしない感じがしますが、2楽章のような緩徐楽章は相変わらずいい感じですね!変幻自在、という言葉がぴったりではないでしょうか。3楽章も速めのテンポではありますが、なんというか、独特の歌心がありますね。最後のプレストのところもうまく決まってますね!

ケンプは相変わらず自然なフレージングでしかも訥々と進んでいきます。
なんというか、変な小細工を弄さない感じが、聴いていて楽なのです。
ギレリスやグルダの演奏を聴いた後にケンプを聴くと、なんてストレートに音を出してくるんだろうか!という驚きがあります。うぐいす的には好感を持てる演奏です。たまに変に考えすぎない演奏を聴きたいときに取り出してみたくなりそうです。

グールドは1楽章ちょっと速すぎかなあ。かけ足で疾走していく感じですね。
でも時々ハッとさせられるようなセンスを感じさせてくれる部分もあってなんだか不思議な演奏です。2楽章なんて他の演奏とはまるで違う、沈み込むような感じがあんまりない、明瞭で健康的な音楽ですね。3楽章も同様。
相変わらず異色な感じがする演奏です。

ベートーヴェンのピアノ・ソナタも全部を知っているようで、よ〜く聴いてみると意外とあんまりよく知らなかった面がいろいろとはっきりしてきますね。
昨日のチェロ・ソナタもそうでしたが、今週末はいろいろと再発見をさせられることが多いです。

さて、次回の本テーマはついに「テンペスト」ですね。実はうぐいすはこの曲、CD以外にとある演奏にハマってまして(笑)。それはまた次のシリーズ時に書きましょう。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
うぐいすさま お早うございます〜

ベトベンのピアノソナタを聴くシリーズ、半分くらいまで来ましたね〜。

この16番、これまであまり聴いた記憶がありません(あれほど聴いてきているかのように感じていましたが〜)。

今朝はシュナーベルの演奏を聴いてみました。確かに、うぐいすさんの仰っていること、良く分かります。緩除楽章の上手さは独特のものがありますね、それに3楽章が良いですよね〜。
ナット、ギレリス、ゼルキン師、グルダも聴いてみたいと思っています。

ミ(`w´彡)
rudolf2006
URL
2009/06/28 07:50
rudolf2006さん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
そうですね〜、このシリーズ、16番まで来たってことはやっと半分です。まだまだ道半ばですが、マイペースで書いていきます。

16番はうぐいすも普段はあんまり聴かないのですよ。今回あらためてじっくり聴いてみて、意外と面白いこといろいろやってるなあ、と感心しました。
シュナーベルはずいぶんと個性的なのですが、やはりベートーヴェン演奏の一時代を築いた人だけあってかなり面白い部分もありますね。特に緩徐楽章の自在な表現は聴いていて感心します。この16番では個人的にはギレリスの演奏が一番しっくりきましたが、グルダのような軽快な演奏も良かったです。

このシリーズ、いろいろな演奏者のものを聴いていくのが、時間的になかなか大変なんですが(苦笑)、続けるだけの成果が得られていると感じられるのでまだまだ頑張って続けていきたいです。
うぐいす
2009/06/28 22:16

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